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有朋自遠方来、不亦楽乎!

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カテゴリ:書評、感想
 映画を見て原作が気になり「ユリイカ」のル=グウィン特集を読んで3巻が内容の中心のようなので3巻を購入。(どんな内容か未知数の本をいきなり全巻買う許容量は無い。)


 物語としては歪んでゆく世界の原因を大賢人ハイタカ(ゲド)と王子アレン(レバンネン)が捜す旅をしてそれを解決する物語。


 物語の筋よりもむしろそれを通して語られるゲドとアレンの交流、狂いゆく人たちや世界の描写を現在自分が生きている世界と重ねて考えてしまった。その点において非常に楽しめたといえる。
 また、「魔法」という言葉をそのまま「学問」に置き換えて読んでしまった。人によってこの置き換えは違うだろうがそうすると非常に真に迫って感じた。
 アレンはゲドとの交流を通して変わっていく。そこが良く描けていたと思う。私の現実はラストを迎えていないので最後には賛否どちらの姿勢を示せないが今、指導を受けている教授を連想した。人によって連想する人が違うだろう。しかし子供が読んでこれを理解するのかな?という疑問が残る。しかしあとで読み返したり思い返したりするときにきづきくんだろうな。
 あと、生死の問題については途中までは良く描けているなと思った。しかし最後の締めくくりに違和感を感じた。生死の問題は誰にでもあり誰もが悩む。しかし真剣に考え続ける人は少ないし、乗り越えられる人はごく僅かだ。たいていは漠然とした知覚のまま生きるのが普通だろう。そのような事を考えていたら日常生活が覚束なくなるからだ。そういった意味でああいう風にくくるしかなかったのだろう。
 世界の歪みは少々悲観的に傾きすぎな気もするがよく捉えていた。

 映画と原作を両方見たが両者ともそれぞれにいいところがあって楽しめた。原作を後に読んだせいもあるだろう。先に読んでいた人はどうやら納得していないようだったから。

 児童書ではあるけれど今の自分でも読んでいて楽しめた。『モモ』とかそういう本のように子供の時読んで後でその意味が分かる部類のものだと思う。
ゲド戦記(3)





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Last updated  2006/09/27 12:41:14 PM
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