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カテゴリ:書評、感想
アーシュラ・K.ル=グウィン作『ゲド戦記第一巻 影との戦い』を読んだ。3巻⇒1巻という順序で読んでいる。3巻に比べてこちらは真性のファンタジー。
(以下、ストーリーなので読んでない人は読まないほうがいいです。) ゲドの少年期から青年期の始めまでの物語。 ゴントの鍛冶屋の息子として生まれた彼は生来、強い魔法の力を持ち、それをまず村のまじない師をしていた叔母に買われ羊飼いをしながら色々な魔法を教わる。 ある時、村が侵略に遭った時、それを駆使して敵を撃退した事で有名になり正式な魔法使いオジオンに名付け親となってもらい薫陶を受ける。 その後、ロークにある魔法学院で学ぶがそこでも突出した能力でぐんぐん成長していく。 しかし祭りの夜、ヒスイの挑発に乗って自分の力を超える故人の霊の召還を行い術が暴走。時の大賢人が命と引き換えに食い止める。 魔法の暴発による瀕死の重傷から回復したゲドはその時の影が自分を狙っている事を知るが、ロークにて力を蓄え魔法使いとして小島に赴任。 赴任先で死へと向かう子供を助けようと冥府の手前まで足を踏み入れそこで影に見つかってしまう。 影に追われる恐怖に苛まれたゲドは赴任先の人々に迷惑はかけられないとして赴任先を離れるため、島民の不安の種である龍を退治する。 その後影に終われて逃げ続け、瀕死の状態になるが不思議な領主とその妻に助けられる。 しかし彼らは精霊の宿る石の僕でゲドもそれに属させようとするが、ぎりぎりで気づき、師オジオンの下に逃亡する。 ぼろぼろになって自身を失いかけているゲドにオジオンはヒントを与える。それを受けたゲドは影から逃げる事を止め向き合う。 海上で影と遭遇。影が逃げ始め捕えようとするが失敗。ローク時代の友人の所まで影を追跡する。 アースシーの世界の果てで影と最後の戦いになり影と自分の中に取り込む道を選び、結果的に影に勝つ事になる。戻って所で第一巻終了。 映画はこの部分からもエッセンスを抜いている。 この物語は3巻に比べてストーリー性が強いので児童向けに作られた感じがした。少年の成長物語という点でもそれが窺える。 世界にはバランスが重要。名に対する考え方。影とは向き合わねばならない。などが面白い概念だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/10/04 07:24:53 PM
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