|
テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:映画評
映画予告をみて興味が湧き、観る事にした。(以下ネタバレあり)
主人公はある老人。認知症になった最愛の人に対して、毎日、その恋の思い出を語り続けている。その老人が語る物語という形式でストーリーは進んでゆき、その思い出が語られてゆく。 認知症は治らない。だが物語を語った後、少しだけ奇跡が起こる。そんな静かな恋愛の物語。 ただ恋愛を描いただけではこの物語は単純なとまでは行かずとも、ただのラブストーリーとして置かれただろう。 しかし、年老いた二人の姿を描く事で、全く違った、情熱がある中にも穏やかなお話となる。 初恋の人は特別。それはよく言われること。しかしその人と一生共に生きて行けるか、と言うのはまた違った次元の別問題だ。 性格が全く違ってよくケンカ、しかし大事な部分は同じで2分で仲直り。そしてそれの繰り返し。短い間はそれでもいいかもしれない。しかしそれで長い間共に過ごせるかは大いに疑問を感じる。 人間は刺激を求めるが、常にはそれを望まない。同時に安定と言うものを求める。 その点が浮かび上がらないのは長い間過ごしていた時間を描いていないせいだろう。どのように過ごしてきたのか、その間は語られず、恋愛の初めと終わり、その部分を取り上げ描いている。 しかし毎日同じ話を最愛の人のために聞かせるとはなんと暖かい話だろう。 ヒロインの女性はひどく開けっぴろげな笑い方をするのが特徴の綺麗な女性だった。主人公のお父さんはとても味のあるおじさんだった。あとで付録のプロフィールを見ると役者が本業でなく脚本家(たしかスタッフ側)だったらしい。いいおじさんだ。 観た後、心が穏かになる、そんな映画だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/04/30 07:55:23 PM
コメント(0) | コメントを書く
[映画評] カテゴリの最新記事
|