2008/02/24(日)00:16
仮眠場所にて
兄の来訪
この日、兄が来ることになっていた。
食事をしながらでもゆっくり話そう。
そんなことを考えていた。
しかし兄が着いたのは日付が変わって深夜1時。
仕事で忙しく、終電を逃してしまい、車でこちらまで来ることになった。
私の部屋から1km離れた場所に安いパーキングを見つけ出し、重いボードを背負ってやってきた。
明日の朝から一泊で滑りに行くらしい。
…その体力に脱帽ですm(__)m
今回は想人が部屋を綺麗にしてくれたこともあって反応が違った。
「きれいやね~」
はは、片付けてるのは俺じゃないけどね。
「部屋が広い」
たぶん、片付いているから広く見えるのだろう。
「おお~、やっぱすげぇよな」
何が?
「俺はハウツー本しか読まんからさ」
あの時の議論をまだ覚えていたらしい。極端に言い過ぎたことを謝った。
しかし、実は以前に一度来たときと本棚の本は変わっていない。文庫が何冊か増えた程度だ。今年度は本が読めていない。
あの時はダンボールの本棚に置かれていた。置く場所一つで見違える。
兄貴の感覚からみて、見違えるようになったと感じたのがこの表現だろう。
あと、食事をしてないとの事だったので、
想人が作っておいてくれた味噌汁を暖めてだした。
「うめえ」
喜んでくれていた。
「これ何?」
それは色つきのしめじの小さいのだよ。
白いしめじと色つきが両方入っているんだよ。
さすが兄貴。ごみか何かと思ったんだろう。…相変わらず細かい。
その後、元はといえば自分が学生時代に頑張って購入したソファーでくつろいでいた。
今回、非常に大切な話をした。
兄貴が生き方の相違のため、長年お付き合いしていた人と別の人生を歩むこととなった。
驚きの出来事だった。
兄貴もさすがに落ち込んだらしい。
その次の日は出勤したが仕事が手につかなかった、と語った。
「それじゃあ、明日はそれを全部滑り流してきぃや。」
こんなことしか言えなかった。
慰める気はないし、兄貴もされたくないだろうからしなかった。
ただ、驚きは隠せなかった。
しかし、兄貴の話を聞き、今少し整理した状態で思う。
兄貴は自分の生き方を曲げなかった。
妥協、それも一つの形だろう。
中には呑まれてしまって、自分の生き方を見失ってしまう人もいる。
それが悪いことかどうかなど、私は判断ができない。それも一つの選択であると思う。
しかしながら、今回の兄貴の姿を見ていて、
また上から目線で申し訳ない
素直に見直した。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」
というが人間は日々変わる。
まあ、要するに、喜び事でないのにこんな発言はどうかと感じるが、兄貴をかっこいいと感じた。
兄貴の基盤は全く揺らいでいなかった。
私は兄貴の生き方を心配していたが、心配なのは私なのかも知れない。
兄貴にぶつかって見えた私の姿、いわば映しだったのかもしれない。
そういえば意識が追いついていない自分の生活を素直に反省した。
兄はシャワーを浴びて仮眠を取った後、駅へと向かった。
書き忘れたが、自分の話しもした。
「これから一緒に生きていこうとおもっとる、
式は挙げられるかどうか分らんけど。」
「何言いよるんね、俺がおるやないね(笑)!?」
「貸してくれるって事?こわいね~(笑)」
冗談を言うほど余裕があった。
ありがとう兄貴。
帰ってみて気づいた。
寝巻き用に兄貴に貸したジャージが綺麗に畳まれて置かれていた。
…細かい!
さすが兄貴。
そんな時を過ごした。