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第6章 闇の創始者テルドム 後編
ベルズは最強のハンターに追われていた。凄まじいスピードで追いついてきた。体当たりを食らうギリギリで右へ左へ回避。何度も攻撃をかすった。それでわかった。デュオはとんでもなく重いシャーシをつけている。彼のタックルをモロに喰らったらひとたまりもない。 街で暴れていたため、いつしか警官も追いかけてきていた。しかし、あまりのスピードに追いつけない。ベルズとデュオのオニゴッコは次元が違った。 ひたすら逃げる。どこまで逃げればいいのか全くわからないまま逃げていたベルズだったが、そこにやっと助けが入った。誰かが果敢にもデュオに体当たりを試みた。 ウェン「ここは任せときな。おまえはマッドのとこにいけ!」 ベルズ「おい、気をつけろよ!」 ウェン「なめるなよ、よゆーだよ。」 ものすごい勢いでデュオとウェンが激突したが、ウェンは見事に耐えた。彼も闇レーサーなのである。こういう体当たりには慣れている。 ウェンは先程サイバーを病院に預けてきたばかりで、もう一度スプラッシュハイウェイに戻ってピーオーたちと合流しようと思った途中、デュオから逃げ回るベルズを見つけ、阻止に入ったのである。「マッドのとこへいけ」と言ったのは、つまり病院へいけということだが、もちろん『デスネスト』を裏切ったサイバーとベルズを会わせることで情報を増やすためだった。ただ、「病院へいけ」と言ってしまうと、デュオがそこまで追いかけてくるかもしれないので遠まわしな言い方をしたのである。 ウェンは見事デュオの動きを止め、その隙にベルズは行く先がデュオにわからないように遠回りで病院へ向かった。 ベルズはマッドの病室を確認しようとしたが、先にサイバーが入院しているという事実を知らされた。案外そこまでケガは酷くなく、入院は一夜だけでいいらしい。最悪事故死もあったほどのスピードが出ていたが、打ち所がよく、幸いした。 サイバー「ブルーペガサスか・・・久しぶりだな。」 ベルズ「今はベルズって呼んでくれ。ペガサスじゃないんだからな。」 サイバー「そうだな。懐かしいな・・その名前も。」 彼らはチョロQタウン時代からの仲。随分長い付き合いである。 ベルズ「そういやレッドペガサスが来なかったか?おまえを探しに行ったんだが。」 サイバー「いや、来ていないぞ。方向音痴のあいつのことだ、どっかで迷子になってる可能性も高いな。」 ベルズ「確かに・・・。まったく、世話が焼ける。」 ベットの横にあったパイプイスにもたれて、ベルズが言う。 ベルズ「・・・そろそろ本題に入ってくれよ。」 サイバー「そうだな。俺はもうテルドムを裏切った。知ってるよな。マッドとの決着をつけるために俺はここにきたってのに、アイツはもういなかったんだ。でも、復活させる方法はある。」 ベルズ「Qコアだな。知っている。テルドムに聞いたからな。」 サイバー「そうだ。テルドムはツートーンファクトリーの地下研究所を爆破してジョーもマッドも二度と元に戻らないと思ってるようだがそれは違う。マッドの不死鳥には攻撃から守ってくれる効果があるんだ。ジョーもマッドもその力で守られて助かっているだろう。」 ベルズ「そうか、それでマッドの黄金の不死鳥がなんだかぐったりしていたのか。」 サイバー「マッドの体はこっちにあるから、後はマッドのQコアを手に入れればいいわけだ。ただ、マッドのQコアを手に入れるのは、ブラックシャドーを潰す必要がある。」 ベルズ「ハンターみたいにか?俺たちがアイツらにやられた方法でそのまんま仕返ししなきゃいけないわけだな。それにしても、ブラックシャドーを捕まえても、Qコアを移植する事なんてできるのか?」 サイバー「できるぜ。テルドムの研究はチェックしてたからな。」 ベルズ「なるほど、おまえが味方についたのは心強い。後はどうやってシャドーを捕まえるかだけだな。」 サイバー「俺のハンターの経験上、自分より速いやつを潰すのは至難の業だ。アイツはレース以外の時はどこ行ってるかわからないから、闇レース中に仕留めるしかない。でも、ノラヒカのQコアまで手に入れちまった今のシャドーのパワーは半端じゃないぞ。」 ベルズ「じゃあどうするんだよ?」 サイバー「俺にいい案があるんだ。ちょっと人数がいる。俺を除いて最低4人必要だ。おまえらの仲間、なんとかここに集めてくれねえか?」 ついに手を組んだサイバーとベルズ。 マッドをもとに戻すにはマッドのQコアを取り返す必要がある。ブラックシャドーを潰す必要があるわけだが、今のシャドーはすでにQコア3つをそろえており、太刀打ちできない。 しかし、それに対抗する策として、サイバーはある方法をベルズに話す。その作戦は速いチョロQが4人(サイバーは除く)必要らしいのだが・・・・? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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