高野山「この世に人類が存在する限り、私はその救済のために尽くしたい」…高野山は816年、弘法大師空海が人類、国家の平和と救済を祈願し、 世界で初めて開いた密教の大伽藍です。 人里から隔絶した標高800mの山上には現在も 真言宗総本山金剛峯寺を中心として117ヶ寺の寺院が、大宇宙と人類 との融合を説く真言密教の伝統を守っています。 根本大塔 弘法大師が創建した鎮護国家、人類救済の根本道場。多宝塔の原形ともいえる。 密教の役割 仏教や密教は今、葬式でしかお目にかかれませんが、 これは本来の仏教の姿ではありません。人間は死んでしまえば終わり なのです。死んでから悟りを開いても遅い。いわゆる死んで成仏という 考え方も根本的におかしい考え方です。 生きている間にこそ人々は悟りをひらき、よりよい生き方を すべきだと思います。密教は生きる人間を救済し、育てる宗教です。 即身成仏 弘法大師が中国からもたらした密教は真言(呪文)をとなえることに より、大宇宙を支配する仏と一体化する教えです。 即身成仏、すなわち仏はわが身にあるのです。それに気づくのは日ごろ の行いであったり、修行の度合いであったりするのです。 密教は正しくは秘密仏教といいます。 秘密というのは内緒、という意味ではなく、人々はみな体内に仏を秘めてい るという意味です。たとえお経が読めなくても、宗教に所属していなくても、 人は心の持ち方ひとつで幸せになれると思います。それが即身成仏なのです。 と、ここまで真言密教の素晴らしさを説いてきましたが私は禅宗の門徒です (^^; ただ我が家の菩提寺はもと真言宗寺院で、境内の多宝塔(重要文化財)の内部 には弘法大師をはじめ真言八祖像が描かれています。 また、私のふるさとを流れる有田川の源流は高野山。 有名な有田みかんも高野山の存在なしには語れません。 だから宗派は違っても高野山や弘法大師に無関心であるはずがないのです。 |