2024/05/14(火)04:49
国鉄 保健車:スヤ421
国鉄 保健車:スヤ421
※本記事は、2020-10-09に投稿したもので、当時の表現になっています。
前記事に続き、金町のHさんからもう1枚ご提供いただきました、保健車を続けてご紹介させていただきます。
昭和49年7月16日 根室駅にて スヤ421
根室駅ホームにて、まさに検診を準備又は実施している最中の検診車を捉えたものです。
車号はスヤ421としっかり捉えることができ、2等寝台車のマロネ405から改造されたものらしいです。
ホームでの写真のため、残念ながら床下の状況は判りませんが、スヤ522と同様、屋根の一部に切り欠きがあり、そこから排ガス用の煙突が出ているのがハッキリと判ります。窓が塞がっている様子から、この車両も自車用の暖房設備やX線機器のための床置き型発電機が搭載されていたものと思われます。
この車両も単独での使用となっていたため、出入台とは反対側にもう一つの出入台を増設しています。
実際に検診が実施されている状態を撮影していたため、技師・看護師と見られる方々が待機されている様子が分かる、大変貴重な記録です。ちなみに、ワムフの中にも男性が1人座っており、口角が上がっているようにも見えるため、他にも居る可能性があります。
手前には緩急車としてワムフ100が連結されているのも貴重。検診車の奥には、レ7000やレ12000と思われる冷蔵車も5台連結されたまま留置されており、想像ですが、検診の資材や資料などの物置として使用されていたのではないかと考えられます。
拡大してワムフ100を見てみると、往復の運用と思われる行程が記してあり、この一連の編成が「検診編成」として運用されていたと思われます。全体としても当時の様子が分かる、大変貴重な記録だと思います。
同車も国鉄時代の昭和61年9月に廃車となりますが、やはりツーリングトレインとして帯広駅構内で活用され、用途廃止後はさらに個人に払い下げられ帯広市内でレストランとして使われたそうですが、残念ながら解体されて現存していないようです。
金町のHさんにはいつも貴重な写真をご提供いただき、御礼申し上げます。