711系試作車:クモハ711-901+クハ711-901
711系試作車:クモハ711-901+クハ711-901711系型電車は、北海道初の電化区間開業に合わせて製造された、国鉄初の交流専用型電車です。また、それまでMM’のユニットで製造されていた新性能電車群の中で、初めて1M方式を採用したのも711系になります。北海道における過酷な寒冷地での使用に当たり、徹底した寒冷地対策が施され、その成果は後に誕生する781系型特急電車以降の車両にも生かされています。711系は、量産に当たってTcMTcの3両編成となって製造・運用されましたが、昭和42年に誕生した試作車については、McTcの2両を1ユニットとし、2タイプの2編成で落成しました。量産車の登場後においても、試作編成は2両編成のまま使用されたようですが、3次車(100・200番代)誕生時において新製車を連結し、TcMcTcの3両編成で運用されるようになっています。昭和56年3月19日 恵庭~島松間にて2度目に渡道した際、運良く901編成を撮影することが出来ました。ただし、移動中に偶然出会ったもので、構図を選ぶ間はありませんでした。試作車は901編成がユニット窓の2段昇降式であり、165系や455系といった急行型に非常に良く似ていました。ただし、登場時は客扉が4枚折り戸となっており、157系に次ぐ奇異なスタイルでした。その後引き戸に改造させて大きな個性を失ってしまいますが、2段昇降式の窓によって遠目にも901編成と識別することは容易でした。平成元年7月2日 小樽駅にて「C62ニセコ」の撮影後、小樽から札幌へ向かう際に、偶然ですが発車した列車の窓に映った901編成を発見しました。手元にあったコンパクトカメラで咄嗟に撮りましたので、写りが良くなかったのが残念です。それでも、新色になってから901編成を撮影したのはこの時のみであり、自分としては貴重な資料となっています。昭和56年3月 旭川駅にて 急行「かむい」2回目の渡道の際、旭川駅で偶然にも2度目の出逢いがありました。ヘッドマークはありませんが、まだまだ急行列車が幅を利かせていた時代であり、「急行」表示も誇らしく見えます。901編成については、すべて偶然ですが3回も撮影することが出来ました。一方、902編成は量産型との区別が付きづらいため、もしかしたら出逢っていたかもしれませんが、残念ながら記録に残すことはできませんでした。平成27年3月、最後の711系が運用を離脱し、北海道電化に大きな功績を残した電車が、その歴史に幕を下ろすことになりました。711系交流電車:函館本線(オリジナル塗装時代)711系:急行「かむい」