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カテゴリ:店長の自腹で試飲(食)!!
![]() ブラインドでも自腹で試飲!ロッソ・デル・コンタディーノ3フランク・コーネリッセン(店頭価格2480円)毎週木曜日は誰が決めたか(店長が勝手に決めました)ブラインド・テイスティングデー。 金曜日は福江君がお休みなので3人揃っている木曜を恒例試飲会にしようという試み。ワインはわたし店長サノヨーコがその時の懐具合によって福江君に予算を伝え彼が自由にセレクトする。セラーで抜栓してグラスに注いでから持ってくるため、当然わたしも社長のSちゃんもそれが何かを知ることはできないのである。 今回の予算は3000円也。 イタリアにいる間に使ったカードの請求にかなりびびった店長。 フリウリでダリオ・プリンチッチの奥さん・フランカが火山の子守ばかりで全く観光も買物もしていないわたしの母をねぎらい、ゴリツィアの街を案内してくれた時のこと。ベッドリネンやキッチンのクロス類の高級品を作っている工場の直売店で素敵なベッドカバーを見つけ「いくら安くなっていてもやっぱり高いわよね、それに荷物になるし」と悩む母に「大丈夫。お母さんにはお世話になったからわたしが買ってあげるよ。船便で送っちゃえばいいんだし」とベッドカバーやらシーツやら一式買ってささっとカード決済。 確か400ユーロくらいで、ちょっとギクリとしたものの深くは考えず颯爽とサイン。 ところが、イタリアは現在一部の郵便局でしか船便を受け付けなくなってしまい(これはとても良心的な解釈。荷物を送ろうとしたマルサーラでは「船便というものはもう存在しない」とにべもなく断られた。結局それは嘘だったわけだけど)、ベッドカバーというがさばる荷物を航空便で送ることに。 140euro也。 結局送料や手数料をいれると日本円で9万円以上の出費。 航空便のくせに2週間以上かかって届いたベッドカバー。 ...できた娘だ。 とそんな話はどうでもよかったんだ。 で、お金がないので今回の予算は3000円だったわけです。 ブラインドでフランクのワイン選ぶなんて福江君わかってないなあ。一度でも彼のワインを飲んだことのある人はそう思うはず。だって、フランクのワインなんて白だろうが赤だろうが色でわかってしまうんだから。 ところがコンタディーノ3はそうでもないのだ。 彼もついにブラインドの意義があるワインを造れるようになってしまった、ということか。 これは喜ぶべきか否か。 さらに驚いたことには、本当の一瞬、香りをかぐためにグラスを鼻に持っていく前の0,1秒、それくらいの短い一瞬「なんかビオのガメイみたい」というきわめて非アブノーマルな第一印象までよぎるほどの普通ぶりさえ見られたではないですか! でもそれも鼻に持ってくる前までの話。 一瞬で「あ・フランクワインだ」に変わってしまった。 すでに横でSちゃんは「俺これ飲んだことある。...って、フランクのワインじゃねえの?」とニガ笑いしている。 わたしはこの普通ぶりからすぐにコンタディーノ、しかも3であることを確信してしまったが彼は飲んだことのないネーロ・ダーヴォラの可能性も考えたらしく 「待って、まだ言わないで」とさらに追求するつもりでいるところを、私が「ううううん、メルマガでちょっと大げさに書いてしまったかも...」と口に出してしまい「あれ?やっぱり3か」とバレてしまった。 2年前までコンタディーノを毎日(3は1度しか飲んだことなかったけど)飲んでいたわたしはともかく、この比較的他のワインに近い3を一口飲んですぐ「フランクワインだ」と確信するとは、やはり飲み慣らしてますね、Sちゃん社長。 まああまりにも簡単なんだけどね、彼のワインを当てるのは。造り手の個性というよりはひとつの新しいカテゴリーを創ってしまったようなものだから。 白ワイン、赤ワイン、フランクワイン(黒ワイン)、というように。 とはいえ前回の「恒例!木曜ブラインド」のネタでも(恒例といっても今回でまだ3回目だった。2回目はイタリアに行く前だから5月の最終週だったはず)ワインこそ当てなかったものの、品種はドンぴしゃりだったからね。 あれは面白かったなあ。 明日から仕事休んでイタリア行くことだし、最後にいいワイン飲んでおきたいから私に選ばせてよ、とセラーに入って物色した結果「わあ☆お久しぶり!Sちゃんったらこんなところに隠しておいてえ」とわくわくしながら抜栓。グラスにたっぷり注いでふたりに差出し、わたしは一人悠々と「お~い~し~い~なあ~」とゴクゴク。 「ええ?何コレ何コレ?」「いや凄く、スゴ~ク美味いよ。」「でも何コレ、何だよ?」と少々焦り気味の社長(たぶん頭の中で持ちネタ帳をもの凄いスピードでめくってたんだろうなあ...)を横目にただ飲みまくる私。 しかし何度やっても、ブラインドの出題者って気分いいよね。 「北か南か?ブドウは?ヴィンテージは?価格帯は?」とフランクの真似をしてさらに焦らせる性格の悪い店長。 「ピガートだな、これは」というSちゃんの指摘に我慢できなくなり「知りたい?」となぜかカワイ子ぶって首をかしげてみる。 出題者をしていて誰かに当てられるか近い答えを言われると「うわ、鋭い」というギクリ感を隠すのに「ほお~~」とか言いながら涼しげな顔を装ったり、逆に答えが明後日の方角に向かうとつい「はっはっはっ違うよ~~~だ!」と得意げになってしまいそうになるのを眉間にしわ寄せてこらえたりして、ほんとアホだなあと自分でも思う。 自分が前もって知っているからといって、他のひとよりわかっているというわけではないのにね。 ブラインドでワインを飲む目的は銘柄を当てることではない(少なくともわたしたちは先入観を捨てるために行っています)とわかっていても、この反応は人間としてごくごく普通のことだと思う。誰だってやっぱり「すげ~~!」って思われたいよね、単純に。 私はコルクをして棚の後ろに隠してあったボトルをつかみ、ラベルは見えないようにしてセラーから出た。 瓶の形でわかるって?ははは、同じボトルを使っている造り手がいるのです。 しかしそこにはわたしが予想もしていなかった事態が! 社長Sちゃんの、私の手元を見つめる目が真剣。心なしか顔が青白い。 スローモーション風にくるりと瓶を回して(自分では茶目っ気たっぷりのつもり)あの見まごうはずもない黄色いラベルを見せた途端、 「嘘!?冗談だろ?」 「ま、まだセラーに2本あったよ、だからいいと思って開けたんだけど...(←すごく小さな声)」 隣りで一言も発せず成り行きを見守っていた福江君も小さな声で ムチャクチャ受けていただけると思っていただけに、自分がひどくいけないことをしてしまったのだとわかって焦りまくる店長サノヨーコ。遂にクビか? 短い間ですがお世話になりました。今までまったくお役に立てず申し訳ありません。 「大丈夫!輸入元に頼んで必ずこの99年手に入れるから!待ってて、電話してみる!」と隣でなおもラベルをにらみつけている怖いほど無表情な社長を見ないようにしながら輸入元に電話をかける。 ナゼかひとりテンションが高くなってゆくわたし。 「もしもし?あ、あのね、とにかく今大変なことになってて、あ、アリエントの99年ってまだ何本か持ってる?3本くらい分けてもらえない?ホント、大変なの、すごいミスしてね、わたしクビになっちゃうかもしれない!」 と泣く泣く交渉した結果、輸入元の個人所有分を3本(???)分けていただくことに決定。やっと社長の方を向く勇気を持ったわたしはそこでとんでもないモノを目撃。 ...Sちゃん微笑んでる? どうやら残り少ない1本をわたしが勝手に開けてしまったということがショックなことはショックだったけれども、棚ボタのように現在では入手不可能なアリエント'99年がさらに3本も手に入ることになり、3-1+3=5!?と突然未来が開けてしまった様子。...結構図太い? 「イタリア、気をつけて行って来てね。」 と見送られたわたしの肩書きはいまだに店長。 …ふう~、…セーフ!? もちろんそのアリエントは、ふたりにちゃんともう一杯ずつ注いだ上で(それでもしっかり5000円はとられた…あ、とられたなんて滅相もない、していただいた、でした。)再びコルクを閉め、自宅に持ち帰って大切に大切に飲みました。 それはそれは美味しかった、です。 おしまい。
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