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MARUYAMAYA まるやまや Blog

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もとい、ブラインドでも自腹で試飲!

ロッソ・デル・コンタディーノ3

フランク・コーネリッセン(店頭価格2480円)


ブラインド・テイスティングでコンタディーノ3を飲んだよ、というご報告ブログにするはずだったのに、いつの間にか話が横道にそれてさらに一方通行地獄にはまりこみ、目的地にたどり着かないまま家に帰ってきてしまったことに気がついた。

そもそも、木曜日にブラインドでこのワインを飲んだのです、ということから始まったのだった。そうだよね、福江君。

ちなみに彼は、今回はじめて"発泡してない"コンタディーノを飲むことができたのだそうで、それはそれは感慨深そうに飲んでいました。そもそも彼はどんなワインも非常に大事そうに、味わってゆっくりと飲む。わたしが望んでもできないでいることのひとつだ。がぶ飲みしてすぐにグラスを空にしてしまうのだ。

初めて飲んだフランクワインはコンタディーノ1だったそうだ。
当時一介の顧客でありかつ自然派ワイン初心者だった福江君は、S社長が現ショップをオープンする前に働いていたお店でこれは特別なワインだと薦められ(もちろんSちゃんに)、しょわしょわしている茶色の液体を見て「確かにこれはすごい変わっている」と感動した?と話していた。
2度目にうちのお店でSちゃんに開けてもらったときも微発泡、でも美味しかった。そしてこの3が入荷してすぐ今度こそと自ら購入し自宅に持ち帰ろうとしたところを地下鉄のホームで落として割ってしまいそれ以来縁のないまま今に至っていた、という宿敵コンタディーノ。
どう?念願のコンタディーノ、と聞いたらただ「旨いっス」とだけ答えていた。
元来彼は寡黙なひとなのである。

フランクが造るワインはすべて文句いわせず亜硫酸無添加なわけですが、それでこのように再醗酵という現象が起きてしまうわけです。

理由のひとつに残糖度があるのですが、彼のワインはほとんど(少なくとも今までは)アナライズ上は残糖度ゼロです。しかしゼロとはいうものの全くの無というのではなく正確に測ることはできないほど微少、という意味なのです。フィルターをかけたりもしないので酵母の生き残りがいてその甘い食料を食べて二酸化炭素を生み出すのね、というのが一般の解釈なのですがフランクはそう考えてはいません。
マグマやモンジベッロなどのように3年以上寝かせて何度も再醗酵の過程を繰り返し、残糖度が限りなくゼロに近づいてもある季節、ある月の加減によって微弱ながら液体は動いてしまう(弱いガスを帯びることを彼は好んでこう表現します。イタリア語の一般的な表現でもありますが)からです。

それを彼はミクロオルガニズモ、微生物たちの仕業、と考えています。
酵母だけでなく、他にもさまざまな生命体が働いているのだと。

そしてそれはある一定の期間を過ぎるとまた落ち着いていきます。

よくワインが再醗酵していると「欠陥商品」だとして切り捨ててしまうひとがいるけれど、たいていの場合少し待ってみたり、低温度で何日か寝かせておくだけで回復したりするものです。もちろん、極端に高い気温で保管されたりして変質した場合など、取り返しのつかない場合もありますが。

フランクの場合はワインが一定・均一の品質を保つということよりも「生きている、生きているからには一本一本が違った道をあゆみ、また違った道筋を通る」ことに重きを置いているわけで、ワインが再醗酵することを極端に問題視してはいません。

けれどもその一方で、福江君のようにたった2度だけ飲んだことのあるワインがたまたま2度とも発泡しており、そのために本来の味をついぞ知ることができないという消費者がいるということも見逃せない重要な事実であり(福江君はたまたま3度目があったから良いけれど。普通の消費者はそこまでの忍耐力を持っているのだろうか?また持つことを期待してよいものだろうか?)、フランクの亜硫酸無添加に対するファナティックなこだわりに対しわたしは疑問を持たずにはいられません。少なくとも、今までは。

今回のコンタディーノ3が非常にクリーンで安定していることから状況は好転していると信じたいところだけれど、それは彼の技術が向上したからか、年の幸・不運によるものか判断できるものではないし。

何よりも、それではなぜマグマではそのような問題が起きないのか。

それはマグマのブドウはもっとセレクトされていてポテンシャルが高く(つまり糖度=アルコール度も高い。これはすごく重要です。酵母はある一定以上のアルコール度数の元では生きていけないので)、またより安定した状態を待ってからボトリングするから。

それは裏を返せば、コンタディーノはそこまでの(亜硫酸を全く添加しないだけの)レベルに達していない、ということではないの?

けれどフランクは「コンタディーノはあくまでレモネード、早いうちに消費してしまうがぶ飲みワイン。けれどレモネードはレモネードでも、体に悪くないレモネード。」と安くて単純に美味しいワインで、かつ自然に造られているモノであることが最重要と考え、亜硫酸無添加という点を譲る気はさらさらない。

そして毎年よくなる、良い意味で普通のワイン化しているコンタディーノの2006年をシチリアで飲んできたのだけれど、それは今までのコンタディーノとは全く異質の、正直言ってすばらしいものだった。

やっと「コンタディーノの何たるかがわかった」とフランク。
「いままでコンタディーノはリサイクル品だった。捨てるのがもったいないから造っていたワイン。これは違う。コンタディーノとはこうあるべき、と意識して造れた」と自信満々だ。彼が人生においてもっとも重要と考えるデフィニッションの項目がまたひとつ増えたのだろう。

もちろん亜硫酸無添加。

彼はやっぱり天才かもしれない。


わたしは今木曜日に開けたコンタディーノ3のグラスを前にコレを書いている。
そしてそこにわたしは何らのディフェット、欠点を見出すことができない。
グラスの内側で刻々と姿を変えてゆく、その黒っぽい色調以外は。

そして、すごく美味しい。
彼がいうように、いくらでも飲める。
冷蔵庫で冷やしていたからか、喉にもひんやりと心地よくするすると入っていく。
かといって彼が言うほど簡単な味にも感じられない。
赤いフルーツから土のニュアンスまで、面白いほどくるくると表情が変わる。

そういえばグラスの中で変化することも彼が求めていた重要なファクターだった。

何も考えずにゴクゴク飲める様なワインと彼は定義していたけれど、わたしはあまりに多くのことを考えてしまったみたいだ。

気がつくともう2時だし。

ずっと更新していなかったことが気がかりで、やっとこさ重い腰を上げて書いたブログ。
こんなに張り切って書いたからには、力尽きてまたしばらく書けないんだろうな。
つくづくブログというシステムには向いてない店長だ。






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Last updated  2007年07月23日 02時30分57秒
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