
恒例!木曜ブラインド
「マルヴァジア2004ニコリーニ」店頭価格4980円
8月2日はどうしてだったか結構忙しくて、バタバタしていた気がする。福江クンが配達に出かける直前に、例のごとく一本好きなものを選んでもらった。
その直前に月末にお給料が入ったからといって、2万円分ワインを買うのに最後の何本かが決まらず「サノさん何かお薦めしてください」と頼まれ非常に悩んでいたのだが「僕これまだ一度も飲んだことないんですけど」とアンジョリーノのレチョートを指差したので「ば、ばかモノ。だったら迷わずそれにしなさい」と残り少ない予算を使い切ってしまった。その時にこれはどうですか?こっちはどんなのですか?とあれこれ質問されていたのでどうも雑念が入り「もしやアレを出してくるのでは?」などと考えてしまう。
「もう絶対フランクのワインにだけはしませんから」といってセラーに消えた福江クン。
別に当てにくいものにしようとか思わないで自分が飲みたいの選んでいいよ、とは言ってあるのだが...。
割りに色の濃い白が出てきた。
「まずは北。南はありえない」とわたし。「絶対フランスだ。でも南って気がする。南だけど標高高ければこんな感じになることある」と社長Sちゃん。
ぶどうは?「これミュスカデじゃないの?すごく良いミュスカデってこういうニュアンス出るよ。」とS。「シャルドネ」とわたし。「でもすごく良い造り手の。シュール・リーだよね」「とにかくニュートラルだよ、ぶどうは」
「じゃあふたりともとりあえずフランスでいいんですね?」
「あ、まって。でもこれガルガーネガってこともアリかも。まさか先生(アンジョリーノ)じゃないよね~。ええでも先生ってことあるかなあ。素敵な飲みやすさはあるけど...先生ってことか?」
「俺わかった!これジェネ(ドメーヌロックフォール・プロバンス)だろう?」
あいかわらずフランスワインの名前をいわれてもちんぷんかんぷんな店長サノである。こんなんでワイン屋に勤めていてよいのだろうか?
ブウ~~~!と懐かしいひょうきん族の懺悔キリストのように腕でバツ印をつくる福江クン。わたしはいつものごとく既に飲み干していて、福江クンにまた注いでもらう。
「でも、なんにせよスゴ~く美味しいよね。ミネラルばりばりだね。」「なんかもう白い石灰が目に見えそうだよね」と二人とも正体見ぬまま大絶賛。
そして出てきた細長いボトル。
うえっ!?マルバジア?モロあろまちっくじゃないのお!
いやいや、素晴らしい。ぱちぱちぱち、と拍手する店長&社長。
わたしは同じワインを2005年の年末、出産のため日本に帰国した際につくばで飲んでいる。ヴィンテージまで同じかどうかは覚えていないけれど。
そのときも「こんなに鼻で甘くてそれなのにむちゃくちゃミネラルが濃くて」ってことで不思議に思いつつも、とにかくニコリーニが頭に浮かんでこなかったんだった。
わかった後となっては「頭をよぎってさえくれれば思い当たったのに!」と思えてしまうからおかしい。
前回フランクのワインを出してブラインドの意味ないじゃん、と怒られていた福江クン。
今回はやりましたね。だってこのワイン、ほんとブラインドにもってこいって感じだもの。すごく個性的で特徴がはっきりしているのに、当てにくいのだ。なぜってきっと主要地域の主要銘柄じゃないからかな。フリウリ、といってもカルソは誰も思いつかない。しかし実はカルソでなければここまですさまじいミネラルは出てこないはずなのだ。
この手のタイプにしてはやや高めと思っていたが、いやいやそれだけの価値はあるもんだ。参りました!
さてさて、2日たってだんだん開いてくると、さらに香りが楽しくなってきました。
華やかでいいなあ。鼻も口も甘いのに、最後に残るのはキリリと辛い印象とそしてミネラル。やや塩辛く感じるほどの後味だけれど、やっぱり海に近いからかしら?
夜中の1時過ぎにパソコンに向かってこんなワインを飲んでいると、なんだか非常に野暮なことをしている気分になってしまう。何か素敵な小説でも読んで寝ようかな。