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テーマ:クリスマス(3031)
カテゴリ:日常
――風を切るあの瞬間、世界はキラキラしてた まいど、俺や。 この歳になっても、冬になるとふと“あの朝”を思い出す。 枕元のプレゼントを見た瞬間、 あのときの心臓のドクン、まだ覚えとる。 クリスマスの朝、部屋の隅に―― 真っ赤なリボンのついた自転車が置いてあったんや。 少年の心が跳ねた瞬間 「え、これ……俺の?」 寝ぼけた頭でつぶやいたら、 おかんが笑いながら「そやで」って言うた。 親父は新聞読んでるふりしてたけど、 あの口元、めっちゃニヤけてたな。 その瞬間、胸の奥で何かが弾けた。 サンタの正体がどうとか、そんなのどうでもよかった。 ただ――自転車がある世界が嬉しかった。 最初の一漕ぎは、人生の第一歩みたいやった 冬の朝やのに、空気はやたら澄んでて、 ペダルを踏むたびに、風が顔に刺さる。 転んでも、立ち上がる。 坂を上るたびに、息が切れる。 でもな、その全部が楽しかった。 「自由って、こういうことか」って、 10歳の俺が悟った瞬間やった。 あの日の自転車は、サンタの魔法やった あれ以来、毎朝学校まで乗ってた。 錆びたチェーンが軋む音すら、愛しかった。 友達と競走して、 転んでズボン破って怒られて、 でもそれすら、全部キラキラしてた。 今思えば、あの頃の“自転車”って、 ただの乗り物ちゃう。 世界を広げてくれた“翼”やったんや。 親父がくれたのは“物”やなくて“信頼” 後から聞いた話やけど、 あの自転車、ボーナスぎりぎりで買うたらしい。 親父、無口やけど、そういうとこ真っ直ぐやねん。 「こいつ、自分の力でどこまで行けるか見てみたい」 って言うてたらしい。 あのプレゼントには、 “信じて送り出す”って意味が詰まっとったんやな。 おかんのほうは“安全第一”派 「ヘルメットはちゃんと被りや!反射板つけた?」 って毎朝言うてた。 こっちは「うるさいなぁ〜」って思いながら出てたけど、 今思うと、それも愛情の形やな。 “見守りの魔法”ってやつや。 錆びても、色褪せん記憶 あの自転車は、いつの間にかボロボロになって、 高校のときにはもう乗らんくなってた。 でも捨てられへんくて、実家の倉庫にまだある。 錆びて、タイヤもパンクして、 もう走られへんけど、 見たら一瞬で“風の音”を思い出す。 あれは、俺の青春そのものや。 “回帰”ってのは、あの心に戻ること 大人になった今、 便利なもんに囲まれてても、 あの頃みたいに胸が高鳴る瞬間って、そう多くない。 けど、たまに自転車乗ると、 あの感覚が一瞬だけ帰ってくる。 風が頬を撫でて、 “生きてる”って思えるんや。 プレゼントの本当の意味 あの朝もらった自転車。 あれはただの物やなくて、 「お前の人生、これからやぞ」っていうメッセージやったんやと思う。 あの時の俺に言うてやりたい。 「サンタはもう来ぇへんけど、お前の中にちゃんと残っとるで」って。 風を感じるたびに、あの朝の記憶がよみがえる。 それが今の俺にとっての、“回帰”や。 俳句で締め 風を切る 少年の夢 今も乗る
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最終更新日
2025.12.25 08:00:06
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