Maryam's HP 日記

2017/08/02(水)02:14

おとなりの事情

2017年来日記(25)

となりに座っていたイラン人男性は、真面目でお堅い感じの方で信心深い感じも見受けられたので、必要最低限のことしか私は話さなかったのだけれど、税関に提出する用紙の記載がきっかけで言葉を交わし、また長かった約十時間の飛行機の旅が終わり、もうすぐ日本に到着するということもあって、私は彼に話しかけてみることにした。 日本へは社用ですか?営業ですか?そんな質問から話し始めたように思う。そして話していくうちにわかったことは、彼は水戸で外国人向けに開催される何かの講習会のために、五日間滞在するということだった。しかも彼は明朝八時までにどうしても水戸に着かなければいけないと語ったのだった。それを知り私も息子も絶句した!! 私自身、日本到着が近づくにつれ決して少なくも、小さくもないストレスを感じていたのは、この飛行機の羽田空港到着予定時刻が午後十時半過ぎであるということに起因していたからだった。入国審査を受け、荷物が出てくるのを待ち、税関を通って空港の外に出ると十一時になっているだろうことが予測できた。そして宿を予約した場所は上野から日比谷線に乗って幾つか行った駅で、そこに到着する前に終電が終わってしまうことを心配していたからだった。 飛行機が少しでも遅れたら、必ず途中で電車がなくなり、タクシーを拾わないといけなくなる。前回に来日した時も、おなじような時刻の到着だったけれど、ホテルは蒲田に予約していたので終電に乗り遅れても大した距離ではなかったけれど、それでも蒲田駅を経由するバス停を探し終えるまでひどく緊張していた嫌な嫌な記憶がある。今回は上野からもっと行ったところで、羽田からタクシーを使うとお代は7、000円に深夜料金まで加算されてしまう・・・ この懸念は飛行機のチケットをとったときからずっと私を悩ませていた事柄だった。 でも、、、、上野なんて近い、すぐそこじゃん!この男性、こんなに疲れているのに、どうしても今夜中に水戸付近までいこうと頑なに思っているし、今夜の分の水戸のホテル予約までしているって言っているんだよ!私も息子も、、、多分彼も、まず水戸まで辿り着けないことはわかっているのに....なんてことが心に浮かんだのだった。 彼は、終電がなくなったら、駅の構内で始発電車が動くまでいさせてもられるだろうか?っとも悩んでいたのだった。外国人だしどんなものか、、、駅員に見つかったらなんと言われるのか?彼がイラン人だと答えたら駅員はどんな対応をするのか?わたしは答えることができなかった。それよりなにより、何処かで一夜明かすときに彼が貴重品を盗まれたらどうなるのだろう、、、とかいろんな不安なできごとが次から次へと脳裏を横切っていった。 “私達が宿泊するところは安く宿泊できますから今夜はそこに泊まったら?明日、始発で出かけたらどうかしら?”っとは言ったけれど、彼はどうしても明日の朝八時までに水戸へ、今夜は行けるところまで行く、、、という決意でいる。それだったら、もう一日前に日本に到着しないといけなかっただろうし、飛行機は羽田ではなく成田空港到着にすればよかったのに、、、と思ったけれどそんなことを今更彼に知らせたところでどうしょうもないので言わなかった。 上野までなんとか到着できるだろうか・・・っと散々不安に震えていた私の心を、 “日本語もわからない、来日も始めてですっていうのに、こういう状況下の人も世の中にはいる、そう、、、あんたのすぐ隣にいるものなんだよ” と神様に笑われたような気が私はしたのだった。 【おのれのみ辛しと思ふを神笑ふ如く彼をぞ我が横に据う】 自分だけが厄介を抱えていると思っている私を笑うかのように、神は彼という人物を私のすぐ隣に据えたのだろうよ ※※※ 〜chiichanさんに頂戴したお盆の絵柄。素敵です 〜 ※※※ 母息子の創作よりも奇天烈なスットコドンデン返し道中はまだまだ続く… にほんブログ村

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