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カテゴリ:インク
先日レビューした「ペリカン スーベレーン M800」と一緒に、金ペン堂で購入した「ウォーターマン ブルーブラック」インクを色々とテストしてみました。
買ったお店:金ペン堂 買った商品:ウォーターマン ブルーブラック 価格:1,260円 ちなみに「ウォーターマン ブルーブラック」は、金ペン堂のオススメインクの1つです。 金ペン堂のオススメインク ・ウォーターマン ブルーブラック ・モンブラン ブラック ・モンブラン ロイヤルブルー ボトルは、面の多い、角張った形をしていますが、これには意味があります。 インクが残り少なくなった時に、下の写真のようにボトルを置くと、角にインクが集まり吸入し易くなるのです。 中々、賢いデザイン。 ペリカンのボトルなども寝かせて立てることが出来ますが、吸入のためペン先を角に持って行くには無理がある構造なので、あまり考えた作りとは言えませんね。 では、実際に紙に書いて色を確認してみましょう。 同じインクで2回書いていますが、上が、書いて数日放置した後の色、下が書いた直後の色です。 紙はブロックロディアを使用しています。 ウォーターマンのブルーブラックは、青が強く、パーカー クインクのブルーブラックとよく似た色合いをしています。 水性染料インクのブルーブラックですが、一応、色は短時間で変化します。 ウォーターマン、パーカー、2つのブルーブラックインクは、色の変化もよく似ており、書いた直後は、青が強めですが、時間が経つと色が淡なり、やや緑味を帯びます。 白いブロックロディア上では、ウォーターマン、パーカーの見分けが殆ど付きません。 続いて耐水性のテストです。 水を張った洗面器を用意し、字を書いた面を下にして水面に浮かせ、30秒待ってみました。 水性染料インクなので予想はしていましたが、見事に流れてしまいました。 耐水性はありませんね。 意外な事に、ウォーターマン、パーカー共に、書いて時間が経って紙に定着した後よりも、書いた直後に方が水に強いように見えます。 ペーパークロマトグラフィーも試してみましたが、ウォーターマンとパーカーのパターンは良く似ています。 ペーパークロマトグラフィーについては、昔の記事を参照して下さい。 どちらのインクも青と緑で構成されているようです。 2つのインクは良く似ていて、ウォーターマンが定価1,260円で50ml入り、パーカーが定価840円の57ml入りと、パーカーの方が値段はお得です。 金ペン堂の話では「ウォーターマン ブルーブラック」を使用した場合は、万年筆の洗浄は半年に一度、その他のインクでは2、3ヶ月に一度の洗浄が必要との事なので、「ウォーターマン ブルーブラック」は万年筆に優しいのかもしれません。 パーカーのインク、特に「ペンマン」は過去に問題を起こしたようですし、洗浄成分が含まれているという話もあるので、他社の万年筆では使わない方が賢明なのかもしれません。 私は、パーカーのインクを他社の万年筆で使っていますが・・・。 ちなみに「モンブラン」、「ペリカン」、「ラミー」の「ブルーブラック」インクは、同じ「ブルーブラック」でも黒寄りらしいので、使ってみたいのですが、この3種は古典的ブルーブックと言って、水性染料インクではないので手入れを怠ると万年筆を痛めます。 それで、使うのを躊躇しています。 続いては「ペリカン4001 ブラウン」インクの自然熟成の話です。 普段、このインクを「パーカー ソネット」に入れて使っているのですが、インクを吸入した直後(写真上)と、インクが無くなる直前(写真下)では、随分色が違います。 水分が蒸発して色が濃くなっているようです。 このインクは「パーカー ソネット」にしか入れた事がないので、他の万年筆でも同じ現象が起こるかは分かりませんが、原因は「パーカー ソネット」のキャップにあるかもしれません。 パーカーの万年筆の多くは、キャップに穴が開いています。 この穴の役割は不明ですが、一説には、子供が誤って飲み込んだ時に、呼吸が出来るようにと言う話もあります。 インナーキャップで気密性は確保されているようで、ペン先が乾きやすいとは感じたことはないのですが、やはり、キャップの穴のせいで、水分が蒸発し易いのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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最初は青で乾くと緑という不思議なインクだとは思っていましたが、パーカーも同様だとは知りませんでした。昔はウォーターマンも安かったのですが、価格差がこれだけ出てくると、パーカーに流れてしまいそうです(^.^;)>。
(2009年03月06日 17時30分45秒)
インクの実験、面白いですね。
こんなに色がかわっちゃうのに驚きました。 母親の古い手紙の文字、ブルーのインクだけど、 色が緑にはなっていなかったような、、、。 何を使っていたんだろ。今度聞いてみますね。 (2009年03月06日 21時30分47秒)
山都屋にゃん太郎さん
パーカーは若干安くていいのですが、使っている人の評判をあまり聞かないのでどうなんでしょうね。 色合いはウォーターマンと大差ないのですが、何かあるのかもしれませんね。 (2009年03月06日 22時58分56秒)
ちゃりメラマンさん
昔の方のほうが、小物にも気を使っていたのかもしれませんよ。 昔は、万年筆やインク瓶は、けっこう何処の家にもありましたが、最近は、ボールペンが主体ですし、安いものを使い捨てますからね。 最近は、筆記具に拘る人は少ないと思います。 (2009年03月06日 23時04分09秒)
男山富士山さん
ブルーブラック自体、色が変化するインクなのですが、ウォーターマンとパーカーは、一般的なブルーブックとちょっと変わっているようで、緑寄りに変化しますね。 他のブルーブラックは使っていないのですが、黒っぽく変化するものもあります。 (2009年03月06日 23時57分37秒)
水性染料インクなので、耐水が無いのは仕方ないですね^^
インクボトル考えてありますね~^^ (2009年03月07日 17時36分17秒)
こんにちは。6角形のデザインのインクはなかなかグッドアイデアですね。これならインクの残量が少なくなっても楽々インク補充ができますね。
クロマトグラフィーは化学を専門としている僕にとってはお馴染みの方法です。このようにして、インクの成分を分析されるとは、かなり研究熱心でいらっしゃいますね。 インクの水分が蒸発するとインクの濃度が変化してしまうし、ペン先でインクが目詰まりする原因にもなりますね。そういうことを未然に防ぐためにも、地道な研究が必要なんですね。 (2009年03月07日 23時24分36秒)
ニャンだーさん
市販のインクは水性のものが多いので、殆どのものが水に弱いですね。 今まで試した中で、水性でも水に強いのは、パイロットのブルーです。 (2009年03月07日 23時39分31秒)
ぽんすけ.さん
万年筆で有名なドイツの文具メーカーのペリカンは、絵の具メーカーとしてスタートしていますが、創始者は化学者です。 その後、インクや接着剤の製造を開始し、発展の基礎を築いた人物もギュンター・ワーグナーという化学者なので、仰る通りインクには化学の知識が欠かせないようですね。 (2009年03月07日 23時53分57秒)
ウォーターマンBB、好いですねぇ♪
僕はブルーのカートリッジだけ使ったことあります。 それはペリカンのブルーと似ていると感じました。 ペンマン、かなり好きな人が多かったみたいですね。一度は使ってみたかったです。 クインクの方は問題無いみたいなんで安心しましたが。 (2009年03月08日 18時30分04秒)
小山卓治ファンさん
青寄りなので嫌う人もいますが、私もパーカー、ウォーターマンのBBは好きですね。 色が変わった後の、淡くて優しい雰囲気が気に入っており、それぞれ日記と手帳で使っています。 ウォーターマンは、フロリダブルーは、今度、私も使って見たいと思っていましたが、ペリカン似なんですね。 面白みが無いので、サウスシーブルーでも試してみようかと思います。 (2009年03月08日 21時16分14秒)
コメントいただきありがとうございます。こちらこそ参考になります。ペーパークロマトグラフィーは簡便な方法ですが、検出力は高いのでインクの分析には良い方法ですね。
(2009年03月17日 07時46分46秒)
がりぃさん
ペーパークロマトは、身の回りにあるものを使って出来き、手軽で手間も掛からないので、仰るとおり、オススメのインクの色の分析手法ですね。 (2009年03月17日 15時44分07秒) |