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カテゴリ:万年筆
万年筆のペン先を外したいという衝動に駆られた事はないでしょうか?
ええ、男のロマンですよ。 分解は・・・。 うちの息子もワンワンも、組み立てる事より分解する事に秀でています。 そもそも万年筆には ・ペン先だけを外す事が可能なタイプ。 ・ペン先とペン芯を一緒に外す必要があるタイプ。 があり、 外し方も ・真っ直ぐ引き抜く。 ・螺子式になっているので回転させる。 など様々です。 また、万年筆の多くはスリット入りの樹脂製のペン芯を採用しており、一歩間違えると、このフィンを折りかねませんね。 ペン先とペン芯を同時に外すタイプなら、事故を避けるために、ゴム板でペン先とペン芯を挟んで外すと良いようですが、残念ながら、ゴム板は我が家にはありません。 そこで、ペン芯にスリットが入っていないタイプなら、ゴム板が無くとも何とかなると思い試してみました。 おそらく、手持ちの万年筆で、最も簡単にかつ安全にペン先を外せるのは「ラミー サファリ」だと思います。 購入した時に文具店の店員さんが目の前でやってくれたので、セロテープ1枚で、簡単にペン先のみを外し、ペン芯ときちんと合わせて戻すのも容易な事は知っていました。 しかし、残念ながら「ラミー サファリ」は、常用中でインクが入ったままです。 そこで、第一の犠牲者、いえ、栄誉ある被験者に選ばれたのが「英雄 373」。 ペン芯は蛇腹構造が露出していないフラットなタイプですし、この万年筆なら最悪の事態に陥ってもなんとか諦められます。 しかし、ここで問題が。 そもそも、どのようにペン先とペン芯を外すのか分かりません。 とりあえず、ペン先とペン芯を指で挟んで引っ張ってみると、見事に首軸からペン先とペン芯が外れました。 折角、外したので、ペン先とペン芯を観察してみましょう。 ステンレス合金のペン先です。 ペン先の首軸に隠れて見えなかった部分に、ペン先のサイズなど何か刻印があるかと思いましたが、無いですね。 首軸に隠れて見えない部分にも金メッキが施されています。 金メッキを施さない部分だけマスキングして金メッキしたのか、全体をメッキしてから、一部メッキを剥がしたのか分かりませんが・・・。 ペン先の裏側も金メッキが施されています。 見ない部分だけあって、ちょっと加工が雑です。 表面にデコボコ感がありますね。 続いてペン芯。 これは、ペン先と接する側の写真です。 中央にインクの通り道となる細い溝が切ってあります。 インクと入れ替わりに空気が入るようになっている筈ですが、空気はどこを通るのでしょうか?よく分かりません。 首軸に隠れる部分にだけ、蛇腹にフィンが付いていますが、この部分は余分なインクを蓄えるダムの役割をするので重要です。 今度はペン芯の外側の写真です。 中央に、大き目の溝があります。 反対側同様に、首軸に隠れる部分にだけ、蛇腹にフィンが付いています。 これは、ペン芯の横側です。 片側にのみ、ペン芯の奥から先端へ向かって亀裂が走っているので、一瞬「やっちまった!」と思いました。 しかし、よく見ると、故意に切れ込みが入れられているようです。 この切れ込みの役割は、よく分かりません。中途半端ですし。 力が加わると、切れ込み部分でペン芯が縮むことで、首軸へ押し込み易くしているだけかもしれませんが・・・。 しかし、綺麗に洗浄して保存していたつもりなのに、外してみるとペン芯汚れてますね。 耐水性のある「パイロット インキ ブルー」を入れていたのですが、このインク、意外と曲者かも。 さて、後は組み立てです。 ペン先とペン芯を合わせて、首軸に差し込むだけのはずが、大きな問題発生。 ペン先とペン芯は、固定されていたわけではなく、合わせ位置のガイドとなるようなものも無かったので、どの位置で合わせれば良いのか分かりません。 仕方なく、過去に撮ったペン先の写真を見ながら目分量で合わせて、首軸に戻しました。 もしかすると、ペン先が表に出過ぎかも知れないし、逆に首軸に入り込み過ぎているかもしれません。 正直、自信ないです。 まだ、インクを入れて書いていませんが、ちょっと怖い。 多少?問題はありましたが、とりあえず、外す事に成功しました。 (元通りに戻っているか疑問ですが・・・。) で、調子に乗ってしまいました。 次は「ピカソ 908」です。 これも、ペン芯はフラットなタイプ。 ペン先とペン芯を指で挟んで引き抜いてみると・・・。 あっさりと抜けました。 これも、ステンレス合金のペン先。 残念ながら、これもペン先の隠れていた部分に宝の地図などの刻印はありません。 金メッキは、全体に施されていますね。 ペン先の裏側は「英雄 373」より、綺麗に加工されています。 続いて、ペン芯。ペン先に密着する側です。 中央にインクが通る細い溝が見えます。 首軸に隠れる部分に蛇腹のスリットが入っていますが、部分的にスリットが深くなっています。 全体的に「英雄 373」より、スリットは深めですね。 ペン芯の外側には、中央に大きな溝が・・・。 ペン先側同様に、首軸に隠れる部分にだけ、蛇腹にフィンが付いています。 このペン芯にも、片側の側面にだけ、切れ込みがあります。 ちなみに、これもペン先とペン芯の合わせ位置が分からないんですよね。 ペン先の「FRANCE」の刻印が半分くらい首軸に隠れる位置だったことは確かなので、とりあえず目分量で復活。 「ピカソ 908」は、結構お気に入りで、「パーカー ブルーブラック」を入れて、常用していたのですが、絶妙のタイミングで丁度インクが切れたので、ペン先を抜かれる事に・・・。 今度は「ペリカン4001 ロイヤルブルー」を入れて使っていますが、インクが変わったためか、ペン先を抜かれたためか、書き味が悪くなったような気がします。 心なしインクフローが悪くなって紙との摩擦が増えたような・・・。気のせいと言う事にしておきます。 とにかく、ペン先やペン芯は不用意に外すものではないので、特に用事がなければ、やらないほうが賢明です。 それから、どんな万年筆でも引き抜けばOKというわけではないので・・・。 「ペリカン トラディショナル」や「ペリカン スーベレーン」は、ペン先とペン芯を引き抜いてはいけません。 螺子式のペン先ユニットにペン先とペン芯が収まっており、このペン先ユニット全体を首軸から外す必要があります。 ペン先とペン芯をゴム板等で挟み、(ペン先ではなく)軸側を回転させるようにすると、安全にペン先ユニットが外れます。 あたかも自分でやったかのよう書いてますがに、流石にペリカンは、やってませんので、外す場合は自己責任で・・・。 「パーカー ソネット」もペリカンとよく似ており、回転させて外すタイプですが、こちらはユニット式ではなく、ペン芯に直接、螺子溝が切られています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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