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カテゴリ:インク
正直、今まで敬遠していたのですが、思い切って買ってみました。
![]() 今回買ったのは、所謂、古典的ブルーブラックインク。 「ペリカン 4001 ブルーブラック」です。 ![]() 香港の文具店「中南図書文具有限公司」で買いました。 買ったお店:中南図書文具有限公司 買った商品:ペリカン 4001 ブルーブラック 価格:HK$50(約550円) 現在では、万年筆を使う機会が減っているので、インクを入れたまま、長期間、放置してインクが乾燥し固まってしまい、最悪、万年筆事態を壊すと言うトラブルも少なくありません。 そこでメーカーでも、水に溶けやすい水性染料インクを中心に販売しています。 メーカーに非が無いとは言え、無用なトラブルはメーカーも避けたいでしょうから。 中には、先日ご紹介した「セーラー 極黒」のような顔料インクもありますが、万年筆に悪影響を与えないような工夫はされています。 しかし、顔料は水に溶け難いので、一旦固まると大変な事になりますよ。 古典的ブルーブラックインクである「ペリカン 4001 ブルーブラック」は、水性染料インクや顔料インクとも異なる定着の仕方をするのが特徴です。 鉄イオンがタンニン酸や没食子酸と反応し、黒色の沈殿を生じて紙に定着するので、「化学インク」と言った感じですね。 古典的ブルーブラックインクには、通常、青色の染料も加えられていますので、この際、青から黒の色の変化が起こります。 酸化され沈殿した鉄化合物は、水に溶け難いので、紙への定着性に優れたインクですが、顔料インク同様に万年筆の中で固まってしまうと厄介な事になりますが・・・。 そのため、現在では「ブルーブラック」と言う名称のインクでも、水性染料を用いたものが中心です。 それに対して、鉄イオンの酸化反応を利用したものは、「古典的ブルーブラック」と呼ばれています。 ちなみに、モンブラン、ラミー、プラチナのブルーブラックインクも古典的ブルーブラックだと言われていますね。 ![]() ![]() ![]() 「ペリカン 4001 ブルーブラック」は、古典的ブルーブラックインクとは言え、インク自体は、さらさらした感じで染料インクと見た目は変わりません。 酸が添加されているはずなので、もっと刺激的な匂いがするかと思っていましたが、そうでもないですね。 では早速、試しに書いてみましょう。 比較の「パイロット インキ ブルーブラック」、「ウォーターマン ブルーブラック」は水性染料系の「なんちゃってブルーブラック」インクです。 最初は「黒っぽい」印象を受けましたが、実際は、そうでも無さそうです。 ![]() しっかりと青色が残っていますが、沈んだ鮮やかさに欠ける青なので、どうしても暗い印象を受けてしまいます。 書いた直後は、青が強く、乾くと黒味を増し、更に時間が経過すると青が褪色して、黒っぽくなっていく感じです。 続いては、耐水性のテスト。 水を張った洗面器を用意し、字を書いた面を下にして水面に浮かせ、30秒待ってみました。 ![]() 多少流れますが、十分に判読でき、耐水性は、まずまずと言ったところです。 古典的ブルーブラックインクにも染料が加えられているようですので、多少の水に滲むのは仕方ないでしょう。 最後は、ペーパークロマトグラフィーです。 ペーパークロマトグラフィーについては、昔の記事を参照して下さい。 ![]() 見た目には、面白くない結果になりました。 見えているのは、主に添加されている青色の染料なのかもしれません。 古典的ブルーブラックインクには、強い酸性を示す特徴もありますが、水性染料インクでも強い酸性を示すものがあるので、一概に万年筆に悪いとは言えないと思います。 強酸には強く、弱酸とは反応してしまうような化合物もありますからね。 酸、アルカリの強弱で、インクの危険性を判断する事自体危険な行為かもしれません。 結局、インクに加えられている原料と万年筆の機構部に使われている材質の相性次第でしょう。 初めて使う古典的ブルーブラックインクでしたが、注意していれば特に危険と言う事は無さそうです。 水性染料インク、顔料インクだろうが、古典的ブルーブラックインクだろうが、万年筆の中に入れたまま、長期間放置すると、トラブルの原因になりますよ。 インクのトラブルにはロットリングの洗浄液が有効だと言われていますが、使ったことが無いので効果の程は分かりません。 ![]() 一番のトラブル防止は、万年筆を頻繁に使い、定期的に洗浄することだと思いますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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