楽しむためにこの世に生まれて来たのかい？

あれから、親子連れのイノシシたちがどうなったか？。。
大勢の猟師たちと、沢山の猟犬たち。。


ワナを仕掛ける..。。。


それは人間たちの考え方であり、仕掛けられる側の生き物たちにとって
想像を絶する恐怖の体験であろうと思う...。


子を抱えた親イノシシは恐らく母親であろうが。。
寄り添うように行動をする子供に対して親としての慈しみを漂わせていた..。

そして、ただこの親だけを信じて生きている子供イノシシ。。
野生の本能？。。　否、それは全く違う筈だ…。

深く、親子の情愛を感じるのだ。。

そして、対峙する人間たちの憎しみ。
田畑を荒らされ、収穫寸前の作物を掠め取られたその辛さ。。


然しながら、イノシシたちに人間界の常識やマナ－等は分かる筈は無い..。
悪意は考えていないと思う...。

否そのように思いたいのだよ..。〔悲〕


無力なワシは、双方に同情して止まない...。

仏のように広大無辺の力を携えていれば、大きな掌に全てを包み込むことが
出来ように...。


今・まさに、その存在そのものをを奪われようとしている、母親と幼い子供のイノシシたち。。

人間界は、殺戮を行うべく他の生き物たちの命を奪う事によって、

〔平穏〕という二文字が、本当に約束されているものなんだろうか？。。


悲しいことに、他の命を奪うことにより己たちの安定を維持してきた
人間たちよ。。〔涙〕

翌日の夕方のことだったよ...。

事務室で調べ物をしているワシの元に、異様な叫び声が聞こえてきた。

それは、悲鳴にも似たものであり、怒りと苦しみが交わったような絶望的な

叫び声に聞こえた...。

遠くの犬たちが、その声を聞きつけてか..しきりに吠えている..。