ドロセラ(モウセンゴケ)の栽培ドロセラ(モウセンゴケ)属の栽培に関するページです。※食虫植物の栽培は、栽培している地域や環境などにより、違いが出るものです。 そのため、私の栽培に関する内容も、ひとつの情報程度と考えてください。 私の一番のお気に入りがこの、ドロセラ.アングリカ(ナガバノモウセンゴケ)です。 この植物が元気に育っていける環境を目指しています。 日本に自生しているドロセラ D.ロツンディフォリア(モウセンゴケ) D.アングリカ(ナガバノモウセンゴケ) D.スパツラタ(コモウセンゴケ) D.トウカイエンシス(トウカイコモウセンゴケ) D.オボバタ(サジバモウセンゴケ) D.ペルタタ(イシモチソウ) D.インディカ(ナガバノイシモチソウ) ドロセラのグループ分け ドロセラには大きく分けて4つのグループがあります 1:春から秋に成長し、冬は冬芽を作り休眠するグループ D.アングリカ・D.ロツンディフォリア・D.インターメディアなど 2:年中生育し、休眠しない(冬はゆっくり成長する)グループ D.カペンシス・D.スパツラタ・D.トウカイエンシス・D.ハミルトニーなど 3:球根をつくるグループ D.ペルタタなど 4:ピグミードロセラ D.ピグメア・D.ニチヅラなど 更に分けると、夏(乾季)に休眠するグループや 塊根を作るグループ等がありますが割愛します。 このうち私が栽培しているのは1と2のグループです。 そのため、私が紹介できるのはこの2つのグループのみです。 (ピグミーは経験が浅いので省きます) ドロセラの栽培 基本的には乾燥に弱い種類なので、水を切らさないように腰水(こしみず)で管理します。 ドロセラも自生地ごとに微妙に日光や水の好き嫌いがありますので、それぞれ加減が必要です。 ※腰水:鉢を受け皿等に溜めた水に浸けておくこと 私も栽培しているドロセラは全て腰水にしていますが、品種ごとに水位は変えています。 ⇐高い(深い) 水位 低い(浅い)⇒ D.アングリカ=D.オボバタ>D.ロツンディフォリア=D.ニディフォルミス >D.カペンシス=D.アデラエ>D.マンニィ=D.トウカイエンシス=D.ハミルトニー 灌水(水やり) 前述の通り、私は栽培している全てのドロセラを腰水にしていますが、 更に灌水(用土の表面に水をやる)もしています。 春・秋は毎朝(1日1回)、夏の暑い時期は朝夕の2回、灌水しています。 冬の寒い時期は灌水はせず、2~3日に1回、腰水を足します。 (加温している品種は冬場も用土が乾き気味ならば灌水します) 用土(コンポスト) ベテランの方々により、色々と紹介されていますが、私のところでは単純で、ミズゴケと鉢底の軽石です。 (家の事情により砂利系がほとんど使えません) ミズゴケと軽石の間に薄く鹿沼土を入れていることもあります。 (D.ハミルトニーは試験的に鹿沼土単体にしている鉢があります) 日光 秋から春(初夏頃まで)は直射日光、夏は明るい日陰(遮光)になっています。 元気の目安「粘液」 ドロセラは調子が良いと粘液をたくさん出してキラキラと輝きます。 (調子が良くても古い葉は粘液が乾いてしまいます) 逆に調子が悪いと粘液は殆どありません。 粘液が出ない原因は乾燥しすぎ、風が強すぎる、 水切れ等により根や葉が弱っているなどがあります。 元気なドロセラはたくさんの粘液を出してキラキラしています。 乾燥し過ぎなど元気がないドロセラには光る粘液は見られません。 虫など餌(えさ) ドロセラ属は高い捕虫能力を持っているので、基本的には必要ありません。 しかし、ドロセラは根からの栄養補給の能力は低いらしく、逆に葉からの吸収に特化しているそうです。 そのため、早く大きくしたり、たくさんの花を咲かせるためには餌が必要になる場合があります。 屋外で栽培していて特に何もしていなくても、ちょくちょく捕虫しているようなら必要はありません。 餌は昆虫でなくてもOK 普通に家にあるカツオブシやチーズ、ゆで卵の白身でも喜んで食べてくれる。 「虫をあげるのはちょっと無理」という虫嫌いな方でも安心です。 私の栽培環境では虫を見かけることがあまりないので、 1週間に1回、1株につき1切れのカツオブシを与えています。 (小さな苗には与えません) 冬の管理 温帯産のドロセラは冬芽を作り、休眠します。(D.アングリカ・D.インターメディアなど) 地上部は枯れますが生きていますので、乾燥させないように注意してください。 冬場も腰水にしておくと乾燥を防げます。 熱帯産のドロセラは冬もゆっくりと成長しますので、凍らないように注意してください。 特に高温を好む種類はネペンテスと同じく、加温が必要になります。 夏の管理 涼しい環境(高山等)に自生しているドロセラは夏に暑すぎて調子を崩し、 最悪の場合枯れてしまうことがあります。 暑い時期は遮光したり、風通しが良いところに移動させたりして、 涼しく過ごせるように工夫します。 増殖方法 増殖は実生(種子)・葉挿し・根伏せで可能です。 実生:花が終わった後、種子を採って蒔きます 良い点 大量の子株が得られる 環境になじみやすい 悪い点 そもそも開花まで時間がかかる 発芽しにくい種子もある 発芽した子株が親株になるのに時間がかかる 葉挿し:葉を切り取って用土の上に置いておきます 良い点 環境さえ整えば年中増殖可能 株のサイズが花が咲くほど大きくなくても増殖できる 実生よりも大きめの子株が得られる 悪い点 葉を切り取るということは植物の光合成を邪魔するということ 一度に得られる株数が少ない 根伏せ:根を切り取り、用土に軽く埋めておきます 良い点 比較的大きな子株が得られる 切れてしまった根を増殖に使える 悪い点 植え替え時くらいにしか実行できない (根を掘り返さないといけない) そもそもできる品種が限られている (D.カペンシス・D.アデラエ・D.ビナタ・D.ハミルトニーなどの熱帯ドロセラが可能) 種別の管理(私の栽培環境) D.アングリカ(ナガバノモウセンゴケ) 冬に休眠します。 日光と水が好きで、暑さと乾燥を嫌がります。 私のところでは平鉢(駄温または素焼き)に植えて、日光が良く当たる場所で深い腰水にしています。 毎朝たっぷりと鉢の表面に灌水し、株の根元が水没するようにしています。 (水没後十数秒くらいで排水され、鉢の半分くらいの深さで腰水しています) 鉢はプランターの中に入れてあり、風が直接当たり過ぎないようにしています。 (腰水がプランターの影になるので日光により暖められにくくもなります) ↑プランターの中に入れておけば受け皿に日光が当たりにくくなります。 夏場に腰水の温度が上がらないようにするのが重要なようです。 毎日新鮮な水を灌水してやると良いと思います。 2015年の大阪の夏は非常に暑かったですが、葉挿しで増やした小さな苗を除くと 調子を崩した株は出ませんでした。 D.トウカイエンシス(トウカイコモウセンゴケ) 冬は成長は止まるか非常に遅くなりますが地上部が残ります(常緑) 初挑戦の品種です。 日光が好きで高温にも耐えるようです。 プラスチックの鉢で植えていて、腰水は1cm弱の浅めです。 毎朝灌水しますが、水没はさせません。 鉢の排水性は良好にしています。 D.カペンシス(アフリカナガバノモウセンゴケ) 冬も休眠せずにゆっくりと成長します。 丈夫で、比較的強い光でも耐えます。 捕虫運動も大きく、おもしろい品種です。自由研究にでもどうでしょう? プラスチックの鉢を使用しています。 毎朝根元に灌水していますが、水没はしません。 冬季はネペンテスと一緒に加温します。 熱帯夜が続くと夏バテするようです。 酷く調子を崩した場合は風通しが良い場所に移動する、遮光する等して、 涼しくしてやる方が良いようです。 しかし、エアコンや扇風機の風が直撃するような乾燥した場所はダメです。 D.ハミルトニー 冬も休眠しません。D.カペンシスよりも寒さに弱いそうです。 初挑戦の品種です。 現状はD.トウカイエンシスと全く同じ管理です。 冬季はネペンテスと一緒に加温予定です。 夏に購入・植え替えし、用土をミズゴケ組と鹿沼土組の2つにしましたが、 秋までの成長には大差はなく、乾燥に気を使うならミズゴケの使用を、 腐敗防止には鹿沼土を使用するのが良いのではないでしょうか。 2015年は夏バテする様子はありませんでした。 D.マンニィ 冬にむかごを作ります。 耐寒性はやや高いそうですが、凍結はさせない方が良いようです。 初挑戦の品種です。 現状は1cmほどの腰水にしています。 ピグミーがどのように育っていくのか、今年はじっくりとみていきたいと思います。 夏にやや暑がるようです。 風通しの良い場所に移動させたり、朝夕の涼しい時間の灌水、葉水で回復しました。 D.アデラエ 冬も休眠しません。乾燥が苦手なので保湿が必要です。 かなり久しく挑戦します。 直射日光よりも明るい日陰を好むようです。 以前私が栽培していた時も日陰に置いていました。 その株は越冬できずに枯れてしまいました。 この品種は年中室内の水槽に入れて栽培していきます。 用土は短く切ったミズゴケと鹿沼土、パーライトを混ぜて使用しています。 D.オボバタ(サジバモウセンゴケ) D.アングリカと同じ場所に自生しています。 その為、性質も似ているので、日光と水が好きで暑さが嫌いです。 栽培は今回初挑戦です。 基本はD.アングリカと同じように管理します。 D.ロツンディフォリア(モウセンゴケ) 日光は好きだけど強い日差しや暑さは嫌い。 水は好きだけど水没したくはない。 こうしてみるとちょっとわがままにも見える、モウセンゴケです。 栽培はかなり久しぶりです。 暑い時期は日陰の方が無難かもしれません。 D.ニディフォルミス(アフリカサジバモウセンゴケ) 2015/9/20に山田食虫植物農園様から購入。 外見は日本に自生するD.オボバタ(サジバモウセンゴケ)に似ています。 しかし、オボバタに比べて根が遥かに長く、また太いです。 アフリカ産の常緑種なので休眠もしないそうです。 これらの性質はオボバタよりもカペンシスに似ているといえます。 将来的には常緑種を数種類寄せ植えしてみたいです。 乾燥は嫌いなようなので腰水栽培、用土はミズゴケです。 |