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玉石混淆変奏曲~まささん’sヴァリエーション~

#4 青磁茶碗・馬蝗絆

馬蝗絆
かつて室町時代の将軍足利義政がこの茶碗を所持していたおり,ひび割れが生じたため,代わるものを中国に求めたところ,明時代の中国にはもはやそのようなものはなく,鉄の鎹でひび割れを止めて送り返してきたという。この鎹を大きな蝗に見立てて,馬蝗絆と名づけられた。

・・・という事ですが、とにかく美しい。
私、まささんがコレを見たのは2年前。
息を呑む美しさでしたねぇ。
青磁というとどちらかというと、茶の湯の席でも扱いが限られるが
そんなことはどーでもよくなるくらいに、美しい。ひたすら美しい。
輪花(花びらの形)をかたどった 口元の薄さに熟練の陶工を思わせるが
何より秀逸なのはその発色であろう。
青でなく、緑でなく、ろくろ目がうっすらと伺える景色に映えて素晴らしい色の調子だ。
青磁の茶碗の中でも孤高の美しさであるが、それを際立たせているのが
割れを修復するために打ち付けられた金属の鎹(かすがい)の面白さだ。
『初恋の来た道』という中国の映画の中でも、陶器の修復に鎹を使っていたが
日本なら漆(うるし)に金を混ぜて接合するものを、あの大陸では鉄の鎹で留めてしまうのだ。
そういった大陸的なディテールも、青磁という中国の技法を際立たせているのではないか。

東京国立博物館の所蔵。一度ご覧あれ。世界一の一品が間近で見れますぞ。


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