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カテゴリ:試写会
26日、文化放送メディアプラスホールにて「歌謡曲だよ、人生は」を鑑賞した。
このホールに来るのは、この日がはじめて。まず2階のエントランスに整列して、10人単位くらいにエレベーターで上階のホールに行くのだが、この入場方法がアバウトで、先に並んでもエレベーターに載る時は順番に奥に追いやられ、降りる時は後から並んだ人が先に入場と言う不条理を味わう。ホールは可動式のミーティングチェアが150席並んだホールで、映写室からは物凄い音で映写機の音が漏れてくる、映画を見るには厳しい環境。 映画の話 昭和を代表する歌謡曲をモチーフに、11人の個性豊かな監督たちが大胆な発想で撮りあげた短編オムニバス。 この作品は12曲の歌謡曲を、各監督が個性豊かに料理されているので、1曲づつ順番に一言レビューを書いてゆきます。 オープニングは「ダンシング・セブンティーン」に乗せて高円寺の老若男女が踊る映像。 「僕は泣いちっち」 昭和の香り漂う、暗めの作品。 「これが青春だ」 今流行のエアギターをモチーフにしたコメディ。 「小指の想い出」 大杉蓮主演のSF? 「ラブユー東京」 原始時代から時空を超えたコメディ。 「女のみち」 本作で唯一、オリジナルシンガーの宮史郎が主演をつとめた銭湯を舞台にしたコメディ。 「ざんげの値打ちもない」 余貴美子主演の訳あり女の情念の話。どこか石井隆監督の「名美」のキャラクターを思い出してしまった。 「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」 漫画家の蛭子能収が内に秘めたヴァイオレンスを炸裂させたシュールな怪作。 「乙女のワルツ」 ザ・ゴールデン・カップスのマモル・マヌーを主演に、グループサウンズの郷愁漂う愛の話。ドラマの中で難病を告知する医者の役を鈴木ヒロミツが演じていて運命の皮肉を感じた。 「逢いたくて逢いたくて」 「ウォーター・ボーイズ」の矢口史靖監督、妻夫木聡主演の五郎丸さんを巡るコメディ。 「みんな夢の中」 高橋恵子主演のファンタジー。この作品にも鈴木ヒロミツが出演、大分声がかすれて弱いのが気になった。 「東京ラプソティー」 本編が終わり、帰っては駄目です。おまけ付き映像のように田口浩正が運転するバスに瀬戸朝香のバスガイドに導かれ、現代の東京名所めぐりの映像。 私の見た試写会では映画が終わったと思って20人くらいのお客さんが、この映像を見ないで帰っちゃいましたので注意が必要。 映画の感想 どの曲も一度は耳にした事のある昭和歌謡の名曲を、5分から10分くらいの短編になっているので、どの作品も飽きる事なく楽しめた。ただ、やはり短い時間で話を起承転結にするのは難しく、中途半端な印象を持った作品も多数あった。 そんな中印象に残ったのは、原始時代から時空を飛んだつながりを描いた「ラブユー東京」と、オリジナルシンガーの宮史郎が主演を勤めた「女のみち」宮の強面を活かし刺青の入れたヤクザ役を好演していて、試写会場からも終始笑いが上がっていた。それと余貴美子主演の「ざんげの値打ちもない」じっとりとした女の情念が画面から感じられた異色作。その中でも一番のダークホースは蛭子さんの「いとしのマックス」蛭子さんの中から、こんな熱いヴァイオレンスが生まれてくるとは驚きである。出演者も、最近ではバラエティのイメージが強い武田真治が、これまたバラエティ界から長井秀和、インリン・オブ・ジョイトイ、矢沢心を相手に大暴れのスプラッターテイストの作品で蛭子さんの漫画のカットも挿入された異色作だ。この映画は全編一貫してドラマが終わった後に一遍ずつ暗転して曲名と監督の名前が入るのだが、私の見た試写会では蛭子さんの名前が出た後笑いが起きた、凄いぞ蛭子さん! そして最後に、本作で2本のドラマに出演して今年亡くなった鈴木ヒロミツさんのご冥福をお祈りいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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