masalaの辛口映画館

2007/06/07(木)23:42

映画『ストレンジャー・コール』を試写室にて鑑賞。

マスコミ試写(97)

 5月下旬、築地のソニーピクチャーズ試写室レッドにて『ストレンジャー・コール』を鑑賞した。  映画の話  ロサンゼルスの人里離れた丘の家に建つ邸宅にベビーシッターとしてやって来た美しい女子高生のジル(カミーラ・ベル)。夜、静寂に包まれた屋敷で、ひとり留守番を受け持った彼女の元に、不審な男から電話がかかってくる。何度も繰り返される着信音。発信元を調べるために逆探知を頼んだ彼女は、絶望的な現実を知る。  本作は1979年に公開され現在でもカルト的な人気のあるスリラー作品『夕暮れにベルが鳴る』のリメイク作品であり、『ベビーシッターと二階の男』という都市伝説をモチーフに製作された作品である。 オリジナル版は、かなり昔にテレビ放送で見た記憶があるが、殆ど忘れていた作品である。     監督は『コン・エアー』『トゥームレイダー』などヒット作で知られるサイモン・ウエスト。  そして主役を演じたのは、『沈黙の陰謀』でスティーブン・セガールの娘役を演じたカミーラ・ベル、凛々しい眉毛と涼しい目元がセガール似の美少女が成長してスクリーンに帰ってきた。  ベビーシッターが恐怖の一夜を過ごすといえば1978年のジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』を思い出すが、『ハロウィン』は犯人が直接被害者を執拗に追い詰めるが、本作の犯人は電話の着信音と声で被害者を追い詰める。  映画は、遊園地の横の住宅街の殺人事件から幕を開け、高校の体育館を全速力で走りぬけるジルの姿を映し出す。ジルはボーイフレンドと喧嘩中で、携帯電話は使いすぎで親から止められている。そしてアルバイト先となる人里離れた豪邸で恐怖の一夜を過ごすことになる・・・。  映画の感想   うーん、ホラー作品を見慣れた目から見ると怖くない。本作は基本的に音で脅かす作品で、前半は無駄に音で脅かすことに終始しているのがいただけない。話も新鮮味が無く、リメイクだから仕方がないのだが大体先が読める。ガラス張りの豪邸には様々な仕掛けが施されていて、最新式のセキュリティシステムや、タイマー式のスプリンクラー、センサー式の自動照明、錦鯉が泳ぐ和洋折衷の中庭、暖炉と火かき棒、大学生の息子が使う別宅など様々なアイテムが伏線として張り巡らされている。出演者も最小限、留守中の屋敷にはジルの他には、メイドのおばさんと猫、病気で眠る二人の子供たちだけなので、ほぼ全編ジル役のカミーラ・ベルの一人芝居である。サイモン・ウエストの演出も、室内を縦横無尽に動き回るカメラと暗がりを旨く利用して恐怖を盛り上げる。  最後の15分ほどドキドキしたが、初めに描かれたジルのランナーとしての能力も発揮されないままだし、犯人に対してもさらりと語られて幕とはお粗末。大オチも安易に想像できる展開である。監督のサイモン・ウエストはスリラーと恐怖をもう一度勉強する必要がある。  しかし、この映画の最大の魅力は、主演を勤めたカミーラ・ベルだろう。丹精な顔立ちに、涼しい目元に黒髪、日本でもブレイク必至の美少女を見るための映画かもしれない。  映画『ストレンジャー・コール』の関連商品はこちらをクリック。

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