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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
映画の話 街角の古めかしいレンタルビデオ店で働くマイク(モス・デフ)は、旅に出た店長のフレッチャー(ダニー・グローヴァー)から店を任されて大張り切り。しかし発電所で強い電磁波を浴び、体が磁気化してしまった友人ジェリー(ジャック・ブラック)のせいで、店内の全ビデオの中身が消去されてしまう事態が発生する。 映画の感想 ちょっと期待しすぎたのが悪かったのかユルユルのノリに乗り切れなかった。 以下ネタばれあり 映画は幕開けは30年代に活躍したジャズ・ミュージシャン ファッツ・ウォラーの生い立ちを追った妙なドキュメント映像?で始まり、この人物が映画の中で大々的にフィーチャーされるのだが、ファッツ・ウォラーを知らない自分は何のことやら判らず映画のつかみに乗れない。 そして舞台となるレンタルビデオ店「BE KIND REWIND」(巻き戻して返却してね、と言う意味らしい)は、現代なのにVHSビデオしか置いていないレンタルビデオ屋である。なので置いてある作品も旧作オンリーで最新作が無く、新しい物でも「ラッシュアワー2」位である。この店のフレッチャー店長が「リーサル・ウェポン」のダニー・グローバーで、店員マイクが「16ブロック」のモス・デフだ。二人ともリチャード・ドナー監督作品で主役を演じた黒人スターである。それでこの店の常連客?がジャック・ブラック演じるトラブルメイカーのジェリーだ。この映画のジャック・ブラックを見ていると人物像や体の動きがジョン・ベルーシ化しているように感じる。 近所の発電所に忍び込んだジェリーが感電して強力な電磁波を帯びてしまい、人間消磁機となりビデオ店のテープを全て消去した事で話が動き出すのだが、まずVHSオンリーのビデオ店の理由付けが欲しかった。いくら貧困層の町でも未だにVHSって言うのはどうなの?まぁ、野暮な突っ込みを置いておいて、旅行中の店長に店を任されたマイクが客のオーダーに応えて、苦し紛れに映画のリメイクと言ってもたったの20分の映画を作り出す。ここが映画のメインになる訳だが、映画を作っているシーンは割りと丁寧に描いているのに作った作品を見ているユーザーの反応が描かれていないのは難点である。映画の中盤で「ニューヨークから来た」って客が居たけど、その客がどの様な過程でこの店の存在を知ったのかも描いて欲しかった。 老朽化したビデオ屋は町の浄化プロジェクトで閉店を余儀なくされていたが、6万ドルの売り上げの見込みがあれば店が存続出来ると、ビデオ店救済の為に街ぐるみで名作映画のリメイクを次々へと作るマイクとジェリーの前に立ちはだかるのが、映画の著作権を監視するFBIで演じるのはマイクとジェリーが初めてリメイクした「ゴーストバスターズ」のヒロインを演じたシガニー・ウィーバーだ。せっかく作ったリメイク映画のビデオは全てFBIの手で破壊され、八方塞りになったマイクとジェリーはオリジナルの映画を作る事になる。それがビデオ店の2階で生誕したと言われる“ファッツ・ウォラー”の生い立ちを映像化しようと言う物だ。また、ここで出てくるファッツ・ウォラーがマニアックすぎて判らないので映画に乗れ無いって言うの! 映画は町の人々の協力で無事完成してビデオ店内での上映会でテレビが壊れて、プロジェクターを貸してくれるライバルビデオ店の男の心変わりがイマイチ判らない。まぁラストは流石にホロリとしてしまったが映画全体はミシェル・ゴンドリーの思い入れが先行してしまい観客が置いてきぼりになってしまった印象である。 トリビアの話 ビデオ店内のカウンターの後ろに目立って張ってあるポスターはブレンダン・フレイザー主演「タイムトラベラー/きのうから来た恋人」である。きっとミシェル・ゴンドリーも好きなんだろう。 タイムトラベラー きのうから来た恋人(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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