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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:ブロガー試写会
デス・レース 映画の話 孤島の刑務所で繰り広げられる過激な死のレース「デス・レース」を放映し、人気番組となっている近未来のアメリカ。殺人の濡れ衣を着せられたジャンセン(ジェイソン・ステイサム)は刑務所の所長ヘネシー(ジョアン・アレン)からレース出場を迫られ、美人ナビゲーターのケース(ナタリー・マルティネス)を乗せレースに参加する。 映画の感想 これは面白かった! ロジャー・コーマン製作の伝説のカルト映画「デスレース2000年」をリメイクって言うか、設定だけを継承した別物なんだけど、ちゃんと繋がっている不思議な作品だ。私はオリジナルを随分前にテレビ放送で見ただけなので、ディティールはすっかり忘れてしまったけどロジャー・コーマンらしいチープB級映画にブラックな味付けがされた物だった記憶があるだけだ。 以下ネタばれあり さて肝心の本作は「デスレース2000年」のハイパーバージョン的な作品で、流石にオリジナルの様に大陸横断は無理と判断して、刑務所の囚人がドライバーとなり刑務所内でレースが繰り広げられるので一般人は基本的に絡んでこない。主役はオリジナルのフランケンがちゃんとオープニングに登場して、オリジナルのフランケンを演じたデビッド・キャラダインが声を充てている。それで、初代フランケンはあっという間に逝ってしまい、視聴率を稼ぐために替え玉のフランケンとして白羽の矢が立つのがジェイソン・ステイサム演じるジェンセンだ。元凄腕レーサーのジェンセンは妻子と暮らしていたが、陰謀により妻殺しの犯人として刑務所に入れられフランケンの替え玉をさせられる。 レースは刑務所内のコースを使い3ステージ行われ、最後まで生き残りゴールをした者には刑務所から釈放されて自由の身になれるという設定だ。しかし刑務所の所長でテレビプロデューサーのヘネシーが裏の手を使って絶対にゴールをさせない仕組みになっている。このヘネシーが“ドS”ぶりが映画の要で、囚人からは「悪魔」と呼ばれ、顔色を変えずに恐ろしい指令を下す姿はゾクゾクしてくる。演じるジョアン・アレンの悪女っぷりも堂に入っている。このヘネシーとジェンセンの関係を見ていると「ニューヨーク1997」のスネークとリー・ヴァン・クリーフが演じた警察本部長の関係に似ていると感じ、映画の所々に「ニューヨーク1997」や「マッドマックス2」の影響を感じてしまった。 本題となるデス・レースは凄まじいアクションには圧巻であるのだが、レースに参加するマシーンがどれも薄汚れていて区別が付けづらいのが難点である。「マシーンに判りやすい様に色分けでもすればよかったのに」と思ってしまった。それでも、ステージ2の大型トレーラー「ザ・ドレッドノート」との死闘は映像的なカタルシスを存分に味わい、最後は少し目頭が熱くなってしまった。 そしてマシーンに装着された武器を使うのには地面に埋め込まれた大型のボタンをタイヤで踏まないと使えないという設定は、テレビゲーム好きのアンダーソン監督ならではのアイディアであろう。 レースとレースの間にはジェイソン・ステイサムの肉体美を生かしたアクションも用意されていて、作り手が観客が何を見たいのかをちゃんと理解しているのが嬉しい。 ステージ3も捻りのある展開で、ライバルのマシンガン・ジョー(オリジナルでは「ロッキー」でブレイク直前のシルベスター・スタローンが演じたキャラクター)とフランケンの関係や、気持ちの良い大オチなどお金の掛かったB級映画の醍醐味を堪能した快作であり、ネタの尽きたハリウッド映画もアイディア次第で昔の映画も素晴らしいアクション大作に生まれ変わる事が出来ると証明してくれた作品である。 映画「デス・レース」の関連商品はこちら ザ・ディレクターズ ロジャー・コーマン(DVD) ◆20%OFF! <ユニバーサル・ザ・ベスト 1800円 2008年第4弾>[DVDソフト] ニューヨーク1997 ワーナー・ホーム・ビデオ マッドマックス2 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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