|
テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
試写会場に到着して驚いた事に入場待ちの列に子供が沢山来ている。それも未就学の子供が多く、他にも学生、大人、年配の方など相当に幅広い年齢層のお客さんが集まっている。
【22%OFF!】マーシャル博士の恐竜ランド 【VALUE PRICE】(DVD) 【発売日お届け!2010年10月22日発売】 映画の話 タイムワープ研究者であるマーシャル博士(ウィル・フェレル)は、テレビのトークショーで大失態をやらかし第一線から退く。ところがある日、そんな彼の前に名門ケンブリッジ大学の学生ホリー(アンナ・フリエル)が現れ、博士の学説を支持すると力説。彼女の熱意に動かされ、博士はついに念願のタイムワープ装置を完成させる。 映画の感想 本作は相当な制作費がかかっている作品であるが、設定がとてもイージーで内容も低レベルである。ウ○コ、チ○コ、オ○ッコと聞いて大喜びのちびっ子向けの作品だ。低年齢の子供は基本的にバカな事をする大人が大好きだ。本作は正にそんな子供たちのハートをギュッと鷲づかみしたようだ。試写会場の乗りはさしずめTBS「8時だよ全員集合」の舞台劇で志村けんのピンチに反応して「志村、うしろー!」と叫んでしまう子供の心理にジャストミートしてしまったようだ。そして、私の後ろに座ったおばさんの「ガハハッ」と笑う下品な笑い声は、まるでフジテレビ「ドリフ大爆笑」のコントにかぶせられるSEみたいである。 以下ネタばれ注意 本作は基本的にタイムトラベル物であるが、設定もいい加減であり、ほぼSF的な概念なんて無い。オリジナルは74年のテレビドラマであったそうだが、そんなドラマがあった事自体私は知らなかった。博士の作った携帯型タイムワープ装置の力でタイムワープをするのだが、本作は中年のオッサン二人に女性一人の三人組でタイムワープ後は、基本的に人間はこの三人しか出てこない。この三人に現地で助けた類人猿チャカを加えた4人で行動する事になる。 タイムワープした場所は地球の様で地球ではない別世界である。空には惑星が三つ浮かび、チャカと同じ類人猿の他に、古代に絶滅した恐竜がワンサカ生息して、謎のトカゲ族“スリースタック”が何やら企んでいるみたいだ。そんな不思議な世界の中を博士たちは元の世界へ帰るために画策するわけだ。まぁ、プロットとしては先ごろ公開された「センター・オブ・ジ・アース」と近い乗りであるが本作は非常にコメディ色が強くしかも下品である。 私の見た吹き替え版はマーシャル博士役のウィル・フェレルの声を、お笑い芸人のケンドー・コバヤシが担当しているのだが、これがまた駄目だ。ウィルがしゃべると同時にケンコバの顔が頭の片隅にチラついて集中出来ない。対するマーシャル博士の助手ホリーを担当したちすんが上手い。私は彼女のことを良く知らないがとても声の透りが良く、映画を見ている間はプロの声優が演じているものだと思っていた位だ。 映画はコメディ作品なので人間の言葉を理解する類人猿や恐竜などかなりご都合主義である。恐竜のCGのクオリティは同じユニバーサル作品「ジュラシック・パーク」シリーズの時より更に進化しているようだ。そして謎のトカゲ族はまるで、50年代のエイリアンのようであり、今時着ぐるみのクリーチゃーは逆に新鮮だ。時空の歪みに反応する素粒子“タキオン”に反応するタイムワープ装置の着メロが「コーラス・ライン」の楽曲であるのだが、どう見ても大人の観客向けのギャグなのに子供も爆笑しているのにはちょっと驚いてしまった。映画後半に博士たちを執拗に追いかける恐竜グランピーが敵から味方へとキャラ変更になる訳だが、その変換点が台詞のみで語られるのに強く不満が残る。一番美味しいシーンを割愛するなんて勿体無い。 本作をジャンルにカテゴライズするとSF風味のコメディ作品になると思われるが、コメディとして見るとかなり下品な笑いが多く手放しで喜べないが合格点とするが、SF的な観点から見るとダメダメである。まずタイムワープ装置の仕組みがかなり安易であり説得力を感じられない点と、別世界に放置されている地球上の様々なアイテムはどう理解すれば良いのか不明でありバミューダートライアングル的な解釈なのだろうか?物語中盤で別世界に落ちてくるアイスクリーム屋を見ると、彼も時空の歪みに落ちてしまったのだろうが、落ちてくる場所を恐竜たちが知っていて待ち構えているのが腑に落ちない。まぁ本作にSF心を求める方がヤボなのであろうが観客を納得させる最低限のルールは必要だ。 映画「マーシャル博士の恐竜ランド」関連商品 オリジナル・サウンドトラック マーシャル博士の恐竜ランド センター・オブ・ジ・アース / ブレンダン・フレイザー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[試写会] カテゴリの最新記事
|
|