|
テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
試写会場となったシアター7の客入りは1~2列目以外満席。お子さんを含む女性客が多い。川崎観客は相変わらず上映中に袋菓子をガシャガシャと大きな音を立てて食べるのでうるさい。
![]() Bungee Price DVD アニメディズニー / カールじいさんの空飛ぶ家 【DVD】 映画の話 いつか世界を旅して回りたいと思っていたカールも、今や78歳。最愛の妻は亡くなってしまい、夢をかなえるには年を取り過ぎている。しかし、何と数千の風船を家に結びつけ、空高く飛び立つことに成功。カールは8歳の少年ラッセルとともに冒険の旅へと出発する。 映画の感想 当初イメージしていた物とは違う展開に驚きつつも、ピクサー作品として見ると極めて凡作である。ピクサーは今までオモチャ、昆虫、怪物、魚、超人、車、ロボットと、「レミーのおいしいレストラン」を除いて、あえて人間を主人公にした作品を避けてきた。今回は「レミーのおいしいレストラン」以来の人間を主人公にした作品である。しかも今回の主人公は動きの鈍い老人という事で作品のハードルは非常に高い。 以下ネタばれ注意 映画の出足こそ予告やテレビで流しまくった主人公カールと後に妻となるエリーの子ども時代を経て、若者~大人になり結婚~晩年までが台詞を使わず映像と音楽だけでザックリと描く手法はアニメーション映画としてとても意欲的で効果的であるが、カールの孤独感を描くには端折り過ぎである。 妻を亡くし一人ぼっちになってしまったカールの家は、近隣の建築ラッシュで立ち退きを迫られている。建築業者とのトラブルで遭えなく老人ホーム行きになるが、ここからが映画の見せ場となる訳であるが妻の夢があったものの、どうも空飛ぶ家への展開が唐突過ぎて素直に喜べない。 映画はカールじいさんの一人旅と思った旅も偶然の同伴者の登場で、映画に幅が出てくるのだが、どうも、この同伴者ラッセルが可愛くない。ボーイスカウト姿に吊り目の下がり眉毛の太った少年は日本人好み顔ではない。なんでピクサーはこんな可愛くないキャラを登場させてしまったのだろう?まぁ、主人公のカールも「スペンサー・トレイシーをモデルにしたんじゃないの?」と思わせるしかめっ面の老人であり、やや感情移入し辛い。 しかし映画は観客が予想だにしなかった展開が待ち受けている。カールは妻が夢見た“パラダイスの滝”へ空飛ぶ家で向かうだけの話と思っていたら冒険活劇へとシフトチェンジする。 映画と言うものは何故か冒険への出発は丁寧に描くが帰路は端折ってしまう。本作もご他聞にもれず帰路の描写は無い。まぁ、本作は出発の準備も描かずにあっという間に旅立ってしまうが、帰路にもう一押し演出が出来たはずである。 観客として一番気になるのはカールじいさんが元々住んでいた土地だ。たった一度の傷害事件でカールが老人ホーム送りとは何とも乱暴な脚本だ。傷害事件の切欠は建築業者にあったのだから通常では示談のはずである。そんなマイナス要素を含んだ旅立ちだったので、観客の望みは建築業者へのリベンジであろう。 カールは最終的に憧れていたチャールズ・マンツが所有していた飛行船を手に入れたのだから、その飛行船で建築現場に乗り付けて業者たちを一泡吹かせるくらいサービスがあればアメリカ映画的で面白いと思うのだが、この映画の主人公は泣き寝入りの様な形で落着してしまう、何とも歯がゆい着地点である。それからカールと同行するラッセルも、突然カールと共に失踪してしまったのだから、親や警察が探し回る描写が欲しい、なのでラストのラッセルの母親のカットもイマイチ効果が出てこないのが残念だ。 本作のテーマは喪失から再生であると思うのだが、どうも本作はピクサーらしい爽快感が無い。思い出が沢山詰まった自分の土地を悪徳建築業者に奪われ、子供の頃から憧れていた人物に裏切られるは、話が現実的過ぎてモヤモヤとした後味が残ってしまう。長年のピクサーファンとして、かなりガッカリの作品である。CGアニメの先駆者ピクサーも「ウォーリー」で頂点を極めたものの、他社のクオリティがピクサーに追いついてしまった事で正念場に立たされているのかもしれない・・・。 ![]() 映画「カールじいさんの空飛ぶ家」関連商品 ![]() カールじいさんの空飛ぶ家 ![]() カールじいさんの空飛ぶ家 ![]() カールじいさんの空飛ぶ家 ![]() ビニール・フィギュア カールじいさんの空飛ぶ家 コスベイビー ホットトイズ 【12月の予約】 ![]() メディコム・トイ カールじいさんの空飛ぶ家 カールじいさんKUBRICK&BE@RBRICK セット【2010年3月予約】 ![]() 只今ご予約受付中!(2009年12月3日発売)【予約】任天堂 DSソフト カールじいさんの空飛ぶ家/ディズニー映画 アクションアドベンチャーゲーム,任天堂,ニンテンドー,Nintendo,DS,Lite,DSLite,DSソフト,DS用,DSLite用,ソフト,カールじいさんの空飛ぶ家,ディズニー映画,ディズニー,映画,アクションアドベンチャーゲーム
[試写会] カテゴリの最新記事
|
|