masalaの辛口映画館

2010/10/20(水)17:14

映画「雷桜」@東商ホール

試写会2010(38)

 試写会の主権はTBSラジオさん、954情報キャスターの白井京子さんの前説があっての上映だ。客入りは満席、観客はほぼ女性ばかり、小さなお子さんも来場している。    【ポイント10倍】送料無料!!映画 雷桜 オリジナル・サウンドトラックサントラ【smtb-u】  映画の話  母の愛を知らずに育った、徳川将軍・秀斉の十七男、清水斉道(岡田将生)。心の病にかかった斉道は、静養のため瀬田村へ向かうことに。道中、瀬田山の中腹で、落雷に撃たれたイチョウの根元に桜が芽をつけた奇妙な巨木、雷桜の下で、斉道は雷(蒼井優)と呼ばれる自由奔放な娘と運命の出会いを果たす。  映画の感想  同日昼間にスティーブン・セガール新作映画試写を見て、私のハードルが思いっきり下がった状態で見た為か、中々良い、結構好きな作品だ。監督は私の嫌いな作品「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一なので初めから諦めていたのも良かったのかもしれない。キャスティングが「悪人」「おにいちゃんのハナビ」とかぶりまくりなのが可笑しい。特に「悪人」と2本立てで見ると非常に面白いと思う。    以下ネタばれ注意 オープニングでの雷の登場シーンは思いっきり宮崎駿監督「もののけ姫」を実写化した様な映像で面白い。村人から“天狗”と呼ばれている雷に追いかけられるのが高良健吾と柄本佑だ。彼らの出演シーンはオープニングのみでほとんどカメオ出演の様な扱いだ。その後、猟師の様な衣装姿の蒼井優演じる雷が被っていた帽子を脱ぐと、フワッとウェーブの掛かった長い髪の毛が露出するシャンプーのCMみたいな描写も、まるっきり宮崎駿監督が大好きな演出を真似ている。って言うか、あんな江戸時代にツヤツヤ、サラサラのウェーブの掛かった髪の毛は違和感がバリバリである。本作の宣伝文句は「日本版『ロミオとジュリエット』」だそうだ。まぁ、私の主観だと「ロミオとジュリエット」をベースに、インディアンとイギリス人の恋を描いた「ポカホンタス」とか、色々なドラマを江戸時代に置き換えて描いているようだ。  庄屋の娘として生まれた遊(後の雷)は赤ん坊の時に、陰謀により時任三郎演じる理右衛門に連れ去られ殺されるはずだったが、桜の木におちた雷によって救われる、理右衛門が雷によって神から啓示を受けたと言う設定らしい。対する岡田将生演じる斉道は幼少期に母親に捨てられ、心の病を抱え悶々と日々を過ごし、押えられない感情が爆発すると刀を振り回し乱心を繰り返すが、興奮しすぎると気絶してしまう若者である。まぁ、斉道の幼少期はちょこっと斉道の夢として描かれるが、もう少しじっくりと描いて欲しかった。そんな二人が雷がテリトリーとする山で出会い惹かれあうと言うシンプルな物語は非常に判りやすい。  本作の見所は若い二人の恋愛話となるが、先にも書いたとおりに二人を取り巻くキャスティングが面白い。斉道を幼少期から世話してきた御用人・榎戸には「悪人」で岡田将生と敵対する関係だった柄本明なのだから笑ってしまう。柄本明は「桜田門外ノ変」に引き続き武士役だ。本作での彼の演技の見所は何と言っても、乱心しまくりの殿を制するために、自らの身を挺して切腹するシーンだろう。約1分位の切腹シーンは柄本明の役者魂を感じ取れる素晴らしいシーンである。そして、雷(遊)の母親が宮崎美子だ。「悪人」での柄本明の妻役を筆頭に、「君が踊る、夏」、「おにいちゃんのハナビ」で主人公の母親役を連続して演じている。それから斉道のお付となる助次郎を演じた小出恵介は相変わらず良い演技をしている、彼は「風が強く吹いている」など裏方に回った役を演じると上手い。  主役の岡田将生、蒼井優ももちろん良い。特に蒼井は男言葉でしゃべる野生児を上手く演じている。彼女が大声でがなるシーンは若干台詞が聞き取りづらかったが熱演である。とてもシンプルなストーリーで無駄を省いた視点も中々良い。時代劇に現代風のポピュラー音楽の使い方は賛否があると思うが、あれはあれでアンバランスの妙を感じた。捻りの効いたエンディングも心地よく、お涙頂戴シーンをダラダラと描かず、俯瞰のショットで素早くフェードアウトさせた事で余韻が残り映画を好印象にしてくれた。  映画「雷桜」関連商品  雷桜  雷桜  映画『雷桜』とのコラボレーションストラップ!【COBE COBE】映画『雷桜』xコービーストラップセット  

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