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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会2010
試写会の主権はムービープラスさんとカルピスさんだ。映画上映前にDJの藤本えみりさんの司会で前説があったが、無駄にこれから見る作品のあらすじを語ってしまいテンションが下がってしまった。客入りは大混雑の満席だ。
映画の話 ヨットで大学のスポーツ奨学金を得たチャーリー(ザック・エフロン)は、高校の卒業式の夜、運転中に追突事故に遭う。そのとき助手席に同乗していた弟サム(チャーリー・ターハン)は帰らぬ人となり、チャーリーは激しく自分を責める。それから5年後、彼は大学進学もヨットもあきらめ、弟が埋葬されている墓地の管理人として働いていた。 映画の感想 一見、兄弟愛を主軸に置いた青春ドラマのような作品であるが、蓋を開ければ強引な設定のスピリチュアルドラマだった。私はザック・エフロン主演と聞き、勝手に陽気な兄ちゃんの楽しいドラマと期待していたが、陽気な兄ちゃんは映画冒頭15分位で、ある重大事故が起こってからは5年間も自責の念から抜け出せられなくなり思い悩む兄ちゃんになってしまう。 以下ネタばれ注意 映画は冒頭に迫力のヨットレースを通してチャーリーとサム兄弟の絆&主人公の輝かしい人生の瞬間を描き出す。主人公兄弟の母親役はスクリーンで久々に拝見したキム・ベイシンガーだ。彼女の出演シーンは冒頭15分位で、あっという間に映画から消えてしまう、もったいない。そして、チャーリーが運転する車が事故に遭い、助手席に同乗していたサムは命を落としてしまう。交通事故でチャーリーも一度は命を落とすが、レイ・リオッタ演じる救命士の懸命な蘇生処置で蘇る。彼は予定していた進路を変更して弟が眠る墓の管理人となり5年が過ぎていた。まぁ、ここまではよくある物語であるが、映画はここから先が強引な設定に変貌する。 墓の奥にある森にチャーリーが入っていくと死んだサムが待っていた。サムの体は映像加工もされず、まったく生前とまったく同じ服装で登場する。この設定はM・ナイト・シャマラン監督「シックスセンス」で使った手法を流用して、チャーリーだけには成仏出来ずに現世をさまよう魂が見えるのだ。映画の中では彼が霊体が見える仕組みは説明されていなかったが、たぶん彼自身も一度死に、蘇生により蘇った事で霊体が見えるのだろう。ここまではスピリチュアルドラマとしてOKであるが、なんと彼は霊体の弟と生前約束していた「毎日、日没前にキャッチボールをすること」を普通に実行してしまう。非常に奇天烈な展開であるが、ここから先は観客も頭を柔らかくして作り手のルールに乗っかるしかない。 弟を亡くして以降、人と接する事を避け墓管理人として隠遁生活を送るチャーリーに転機が訪れる。ヨットレースのライバルで高校の同級生テスが、ヨット世界一周をする予行テストの為に地元に帰ってきていた。彼女と急接近するチャーリーが描かれ、観客も「やっと彼も前向きに歩き出すのかな」と思わせておいて、作り手は第2弾目のギミックを投入する。テスとラブラブになりSEXまでしてしまったチャーリーに信じられない言葉が告げられる。「テスが3日前にヨットで遭難して消息不明になっている」。観客は「え~っ!テスも死んだの?」と混乱するはずだ。傷の手当をしてSEXまでした相手が霊体なんて、もうこの映画は反則行為のレッドカードものであるが、映画は力ずくで観客をねじ伏せてぐいぐいと走り抜ける。 それにしても「レイ・リオッタは結局何だったんだ?」。彼の遺品となったペンダントもその後物語に絡んでこなかったし、作り手は投げたボールを投げっぱなしで回収しないのは腑に落ちない。まぁ、本作はザック・エフロン・ファンの為の映画なのだろう。クライマックスにはエフロンの鍛え上げられた裸体も披露されるので、女性ファンには目の保養になるのでは? 映画「きみがくれた未来」関連商品 【ポイント10倍】セブンティーン・アゲイン 特別版ザック・エフロン 【ポイント倍付1217】 【送料無料】ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー/ザック・エフロン[DVD]【返品種別A】【smtb-k】【w2】 【送料無料】ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション/ザック・エフロン[DVD]【返品種別A】【smtb-k】【w2】 ザック・エフロンとニュー・ジェネレーション・ボーイズ ザック・エフロン 2011年カレンダー/(DI)/RA11-511 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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かなり頭を柔らかくしないと「え?」「え?」「え?」の連続でしたね。
テスは結局幽体離脱していたんですね!? 私はザックのファンなので許せましたが他の役者さんが出ていたら暴れていたかも知れません。 (2011.01.09 20:54:07)
コメントありがとうございます。
本作は本当に限りなくレッドカードに近い、反則技連発映画でした。 感覚としては日本のファンタジー作品に近いのかも? サックが頑張っていただけに、脚本がもう少しどうにかならなかったものかと思ってしまう作品でした。 (2011.01.09 23:20:12) |
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