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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会2010
客入りは7割くらい。青山ベルコモンズの顧客を集めた試写会だ。フラットなスペースに可動式の椅子が並べられ、フロント2chのスピーカーにスクリーンだけというかなり寂しい上映方法だ。
【送料無料】犬とあなたの物語 映画の話 翻訳家の一郎(大森南朋)は、小さいころに飼っていた柴犬が車にはねられたショックが原因で、犬が嫌いになってしまった。しかし妻の美里(松嶋菜々子)は、自分が世話をするとラブラドールレトリバーのラッキーを勝手に引き取ってしまう。一郎は、毎日静かに自分を見守ってくれるラッキーと、少しずつ心を通わせていくが……。 映画の感想 88分の上映時間に短編、中篇、ショートショートなど、様々なドラマを盛り込んだオムニバス映画だ。上映時間が短いだけに、もう一押し出来る余白を残して幕を閉じる作品もあるがなかなか良い作品だ。プロデュースは「リング」「呪怨」などジャパニーズホラーを牽引してきたプロデューサー一瀬隆重と言うのも驚きの作品だ。 以下、各ドラマの簡単な感想を若干ネタばれ気味に書いてゆきます。 「あきら!」 俳優の中尾彬をフィーチャーした楽しい作品だ。 「愛犬家をたずねて」 TBS青木裕子アナが、各地の愛犬家をたずねてレポートする4本のショートショートだ。AKB48の篠田麻里子、小倉智昭、生瀬勝久らがフィーチャーされた犬の飼い主の奇行振りを描いた楽しいコントドラマだ。 「DOGNAP」 愛犬誘拐事件を通した犬好き誘拐犯と刑事の爆笑必至のドラマだ。注目すべきは犬好き刑事を演じる内野聖陽の熱血ぶりだ。彼はこんな短編でもまったく手を抜かない、役者バカぶりが可笑しい、流石である。個人的にツボにはまった作品でした。 「お母さんは心配性」 息子の結婚式で留守宅に愛犬を残してきた母親が、愛犬にいらぬ心配をして結婚式を混乱させてしまうドラマだ。花婿の母親役の高畑淳子の顔芸が炸裂する。 「犬の名前」 本作で一番長い中篇で監督は「西の魔女が死んだ」の長崎俊一だ。主人公の少年時代と現在が綺麗にリンクする、悲しく美しい2部構成のドラマだ。前半は少年時代の主人公が犬との楽しい出会いから悲しい別れまでがつづられる。ここで終わりかと思ったら、現在の主人公につながる意表をついた構成である。少年時代からバトンを引き継ぐのは大森南朋と松島菜々子夫妻の物語になる。 少年時代に事故で愛犬を亡くした一郎は犬を飼うことを避けてきたが、妻・美里が強引にゴールデンリトリバーのラッキーを知り合いから貰ってくる。はじめはラッキーを疎ましく思っていた一郎であったが、ラッキーは一郎になつき、一郎もラッキーを愛するようになるが、一郎の病が発病してしまう・・・、と言った悲しいドラマであるが、改めて人間と犬との関係を考えさせられる良い物語である。 「バニラのかけら」 愛犬を亡くした北乃きいと、彼女が飼っていたそっくりな犬を散歩させる芦田愛菜と出会い、愛犬との思い出を噛みしめ一歩前進するまでがスナップ映像のようにつづられる作品だ。犬を飼っている方には涙なくして見れないドラマかも?しかし、先の作品「犬の名前」が重圧な重みを持った作品だっただけに、短すぎるドラマに物足りなさを感じてしまった。 総論 短いドラマを積み重ね、人間にとって欠かせぬ存在となった愛玩動物の犬を物語に大々的にフィーチャーし、笑いと涙をバランス良く配分した構成は実に心地よい。最後の幕引きは呆気ないが、親子で見るには丁度良い長さであろう。それにしても、この手の短いドラマで構成された日本映画って珍しく、私はなぜかジョン・ランディスが監督したオムニバスパロディ映画「ケンタッキー・フライド・ムービー」を思い出してしまった。流石、一瀬プロデューサーらしい柔軟な感覚を持った作品である。 映画「犬とあなたの物語 いぬのえいが」 【27%OFF】[DVD] いぬのえいが お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私は犬(だけじゃないです)が苦手なんですけど、至近距離に居なければ可愛いと思えます。
でも動物モノの映画って明らかに号泣シリーズな気がして、どーも見る気に葉なれないのですが オムニバス形式なら、それなりに安全に楽しめそーですね。 無機質に「犬」と読んでいましたが、最近は『きょうの猫村さん』の影響で「わんこ」と言うようになりました。w マサラさん、今年もいろいろ助かりました。<(_ _)> まだ来ますけど…。 来年も楽しみ楽しみにしてますね。(^^ゞ (2010.12.26 16:27:56)
実は私も子供の頃に犬を飼っていてのですが、雪の降る寒い日に犬小屋で死んでいる愛犬を見てから、犬が苦手になりました。
確かに遠くから見るには可愛いのですが触れません。 本作は号泣無いですが、薄っすらと目頭が熱くなるタイプの作品です。DVDにでもなったら見てあげてください。 カトリーヌさんにはいつもコメントを頂き感謝です。 まだ年内に今年の洋邦画ベスト10を書くつもりなので遊びに来てください。 (2010.12.26 17:18:41) |
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