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masalaの辛口映画館

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全162件 (162件中 1-10件目)

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試写会

2009.12.26
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カテゴリ:試写会
 客入りは8~9割くらい、作品柄か年配のお客さんが多い。
  
   
おとうと 

 映画の話
 夫を亡くした吟子(吉永小百合)は、東京のある商店街にある薬局を女手一つで切り盛りしながら娘の小春(蒼井優)を育て、義母の絹代(加藤治子)と3人で暮らしていた。やがて、小春の結婚が決まり、結婚式当日を迎えるが、吟子の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が紋付はかまで大阪から現われ、披露宴を酔っ払って台なしにしてしまう。

 映画の感想
 とても山田洋次監督らしい作品で、長きに渡り下町人情喜劇を撮り続けた山田監督の集大成的な作品と言えるだろう。映画は市川崑監督「おとうと」(60年)にオマージュを捧げているみたいだが、映画自体は姉弟の設定と最後の件以外はほぼオリジナルと言えるだろう。

 映画は吉永小百合演じる吟子の娘・小春が結婚する事になり、その結婚式に小春の名づけ親で音信不通だった吟子の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が現れた事で物語が動き出す。芝居小屋の役者をしていた鉄郎は気は良いが酒癖が悪い男だ。そんな鉄朗が結婚式場で酒を飲んでしまった事で結婚式は滅茶苦茶になってしまう。山田監督は相変わらず「男はつらいよ」を筆頭に冠婚葬祭をシチュエーションにしたエピソードが好きだ。


 それにしても鶴瓶演じる破天荒な鉄郎と言うキャラクターを見ると、どうしても山田洋次監督作品で渥美清が演じた「男はつらいよ」の“車寅次郎”や、更に寅次郎のルーツとも言えるハナ肇が演じた“馬鹿”“風来坊”の末裔の様に感じてしまう。

 逆に吟子を演じる吉永小百合は鉄郎とは正反対のキャラクターで、若くして夫を亡くし女手ひとつで娘を育て、小さな薬局を経営しながら義母の面倒まで見ていると言うストイックなキャラクターである。彼女も影から兄弟を思いながら支えている健気な所が「男はつらいよ」の寅次郎の妹・さくらを見るようである。

 山田洋次が描く若者像というのも何処か一貫性を感じる。エリート医師と結婚したものの、価値観の違いから離婚して出戻りなってしまう娘と言うのも、「男はつらいよ」のタコ社長の娘・あけみを思い出してしまったし、出戻った娘と恋仲になる大工の青年・亨も、どこか「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」に登場する中村雅俊演じるワット君を思い出してしまったし、小春と亨を演じた蒼井優加瀬亮はいかにも山田監督が好きそうな若者であろう。何かデ・ジャブの様なキャラクターの中で異彩を放つのは、吟子の義母を演じた加藤治子だ。普段上品なおばあちゃん役が多い加藤治子が、ブツブツと家族に対して一人でぼやきながら突っ込みを入れている姿は面白い。

 映画の世界観も山田監督ならではのもので、ドラマの背景に流れるSE(サウンド・エフェクト)や、薬屋店内から入り口越しに見える風景も「男はつらいよ」の車屋店内から外が写るショットに似ていて、エキストラの動き方しかり、ひょっこり薬屋に現れる鉄郎の姿も山田監督らしい細かい演出が心地よい。

   以下ネタばれ注意

 映画は鉄郎の内妻の女に作った借金問題で姉と弟は絶縁状態になり、また消息不明になった鉄郎が変わり果てた姿となり映画は最終章に入る。大阪で救急車に運ばれた鉄郎が「民間のホスピスに収容された」と大阪の警察から捜索願を出していた吟子の元に連絡が入る。

 「男がつらいよ」無き後の山田監督は「学校」シリーズを通して夜間学校、養護学校、職業訓練校、引きこもり、と言った日の当たらない教育現場に光を当ててきた。そんな山田監督が「学校」シリーズの延長線の様に本作では、病気にかかり身寄りのない人たち収容する民間のホスピスに光を当てる。

 病に冒され余命わずかな鉄郎を家族の様にやさしく接するホスピスの職員たちの姿が妙にリアルである。所長を演じた小日向文世、所長の奥さんを演じた石田ゆり子らの演技が役者ではなく、本物のホスピスの職員の様にサバサバとした演技が非常に上手く、鉄郎の死を看取る職員たちの姿を見ていて自然に涙が込上げてしまった。ラストの姉と弟の腕を赤い紐で結わく件は、市川監督のオリジナル版とまったく同じ設定で逆に驚いてしまった。

 本作は2時間6分と言う上映時間内に姉弟愛、家族愛、福祉活動といったテーマを山田監督らしい笑いと涙に愛を凝縮した下町人情喜劇の集大成と言える作品に仕上がっている。「山田洋次作品はちょっと・・・」と言う方も食わず嫌いをせずに是非見て欲しい作品である。

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Last updated  2010.09.03 13:39:11
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2009.12.11
カテゴリ:試写会
 客入りは悪く、ホール1階席のみ使用で6割くらいである。

   
THE 4TH KIND フォース・カインド 特別版

 

 映画の話


 アラスカ州ノーム。何者かに夫を殺害された心理学者のタイラー博士(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、夫の遺志を継ぐべくこの町特有の原因不明の不眠に苦しむ住民たちのカウンセリングに当たる。患者たちが一様に同じ症例を訴えることを不審に感じた彼女だったが、ある患者が謎の言語を発するとともに妻子を殺して自殺してしまい……。



 映画の感想


 本作は実在の事件を記録映像と再現映像で構成されたスリラー作品であるが、かなりフェイクのにおいを感じる作品である。しかし、新ジャンル・スリラー作品として割り切って見れば、かなり面白い。見る人によって好き嫌いがハッキリと分かれる作品であろう、日本のフェイク・ドキュメント作品「ノロイ」「放送禁止」とか好きな人にはお勧めする。

 映画のオープニングは殆どテレビの超常現象番組のノリで、主演のミラ・ジョヴォヴィッチが本人として登場して、映画の趣旨を軽く説明して本編に入ってゆく。映画は本作の監督オラントゥンデ・オスサンミが、事件の鍵を握るタイラー博士をスタジオに招きインタビューをしながら、事件を振り返り検証しようと言う趣旨で映画は展開してゆく。予告やチラシにはタイラー博士の顔にモザイクが掛けられているが、本編ではちゃんと顔出しをしていて、かなり病んだ状態の女性で、彼女の顔から判断するとミラ・ジョヴォヴィッチより、ジュリアン・ムーアが演じていればベストマッチの様に感じた。

 本作は先にも書いたとおりに基本的にタイラー博士が撮影したビデオ映像をベースにしながら、その映像を補完する形で再現映像が挿入される。まぁ、映画全体は再現映像がメインとなるのだが、映画の中に記録映像を混ぜ込む事で、観客に本物の恐怖と緊張感を与える事に成功している。映画のノリは先にも書いた超常現象番組の超豪華版と言った所で、フジテレビ奇跡体験!アンビリーバボー」や、日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」なんかを見ている人はすんなりと本作を受け入れられるが、バリバリの劇映画を期待すると肩透かしを喰らってしまうだろう。映画の題材は「X-ファイル」的な超常現象を扱ったもので、映画ファンや感のいい観客はタイトルの「THE 4TH KIND」と聞いただけで、「『未知との遭遇』と同じ題材?」と思うだろう。

 以下ネタばれ注意

 映画は不眠症に悩む住民にタイラー博士が睡眠療法を試みると、住民たちから驚くべき発言と共に行動をとりはじめ、住民たちがただの不眠症だけではなく、とんでもない事に巻き込まれている真実が見えてくる仕組みである。そして、住民たちの口から語られるキーワードにいくつかの共通点が見えてくる。「AM3:33」「白いフクロウ」「古代語」「アブダクション」など、謎のキーワードは映画が進むうちに核心が見えてくるのだが、その答えに対して「また、それかよ!」と突っ込みを無言のまま観客が発しているのをヒシヒシと感じてしまう。

 本作の売りは「記録映像」となるわけだが、物語前半は「本物?」と見ていたが、後半の核心となる一番大事な部分は全てビデオテープが乱れてしまい、音声だけになってしまうのは観客として納得出来ない。本当に事件の核心に迫るつもりでありばビデオテープ自体を検証する必要がある。本作はその辺をほったらかしにしている所を見ると「フェイク」と言う疑惑が生じてしまう。

 映画のキャッチコピーに「信じるかどうかは、あなた次第。」と、なんだか都市伝説の語り部ハローバイバイ・関暁夫の決め文句みたいなコピーであるが、どうも本作は答えを観客に委ねる形で幕引きをしている点や、ビデオテープの件など見ても「フェイク」のにおいが濃厚である。ただ、個人的にはこの手のキワモノ作品は好きなので面白かった。オスサンミ監督はハリウッドきっての山師監督M・ナイト・シャマラン以来の山師なのかもしれない?

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Last updated  2010.07.10 13:13:10
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2009.12.05
カテゴリ:試写会
 客入りは8割くらい。
 
 
【23%OFF!】今度は愛妻家 【通常版】(DVD)

 映画の話
 かつては売れっ子カメラマンだったが、今や仕事をせずプータロー同然の生活を送る俊介(豊川悦司)は、健康マニアの妻さくら(薬師丸ひろ子)に日々ニンジン茶を注がれ、子づくり旅行をせがまれていた。やがて、クリスマス直前のある日、二人は沖縄旅行に行くことにするが、その日を境に俊介とさくらに微妙な変化が訪れる。

 映画の感想
 まるで舞台劇を見るような展開と思ったら舞台劇が原作だそうです。登場人物は主要キャストほぼ5人だけで、映画の舞台もほぼ夫婦が暮らす家だけという限定的な空間を活かし、夫婦の絆を不思議な表現で描いたシチューエーションドラマだ。映画は北見夫婦の何気ない日常から幕を開けるが、舞台っぽいテンションの演出に付いて行けず、冷静に画面を見ていると夫婦の会話と行動が非常に不自然で「何かおかしい?」と疑問符が頭の中を駆け巡りだす。その疑問符は「まさかこの設定はアレじゃないの?」と憶測に変わってくる。

 以下ネタばれ注意

 まず、本作はオチが大事な作品だけに非常に書きづらいです。その為に今回は白抜き反転を多用した文章になります。反転文字は自己責任で読んでください。

 映画はプータロー状態のカメラマン・俊介の元に妻のさくら、カメラマン助手の誠、モデルの蘭子、オカマの文太が代わる代わる登場する舞台劇スタイルで物語が展開する。本作はネタばれ厳禁であるが、作り手は観客の心理を逆手に取ったミスリードを使う。妻の留守中に蘭子を連れ込んだ俊介は、蘭子に部屋に飾られた写真を指摘されると「妻は死んだ」と、物語冒頭で手の内を明かしてしまう。この台詞のせいで観客は「妻が死んだ」事は俊介のギャグと判断されて、選択肢から除外されてしまう、とても上手いミスリードだ。

 勘のいい観客や映画ファンの方なら山師監督M・ナイト・シャマラン「シックス・センス」と、映画を見ながら比較しながら見てしまうだろう。しかし、まさか本当にそのまんまのオチを持ってくるとは激しく脱力してシラケテしまった。私も途中まで半信半疑であったが、城田優演じる西田の手紙の件で私はオチを確信した。まぁ、後から考えれば夫婦二人住まいの家なのに部屋が散らかり放題であり、間違っていなければさくらの衣装は家の中ではいつも一緒で、不自然なほどにさくらは他のキャストまったく絡まないなど、オチが判った上で映画を見返せば楽しいかもしれない。私は映画中盤で想像していたオチがそのまま来てしまったので楽しい作品ではなかった。

 キャストの話をすると、金髪にメガネにヒゲと言ういでたちがすっかり定着してしまった豊川悦司なのだが、私はどうも「20世紀少年」シリーズの堤幸彦監督に見えてしまって駄目だ。演技は良いのに何でこんないでたちになってしまったのだろうか?薬師丸ひろ子は相変わらず変な声と喋り方で大人の女優へと脱皮出来ていないように感じる。俊介の助手を演じた濱田岳はこの手の朴訥とした青年が上手い。蘭子を演じた水川あさみは、色々書きたいがファンの方に怒られるので自粛します。そんな中、石橋蓮司演じるオカマの文太が良い。物語の要所要所を引き締めながらも笑いも取る。下手な役者が演じればドン引き必至であるが、石橋蓮司が演じると軽やかな重みまでもかもし出してしまう、これは助演男優賞ものである。

 映画の閉め方もとても演劇的であり、重い話で湿っぽく終わらせず楽しい気持ちで観客を送り出そうとする作り手のサービス精神を感じる。この終わり方は「エクソシスト」の原作者で脚本家のウィリアム・ピーター・ブラッディが好きなパターンであろう。「エクソシスト」も当初は演劇畑出身のブラッディらしいアイディアでちょっとハートフルな別エンディングが撮影されたが、監督のウィリアム・フリードキンの判断でカットされる。しかし、この別エンディングは00年公開の「エクソシスト・ディレクターズカット版」で復活している。話は脱線してしまったが、本作のエンディングを見て私だけだと思うが、ふと「エクソシスト」の事を思い出してしまった・・・・。

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Last updated  2010.09.05 18:37:47
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2009.11.28
カテゴリ:試写会
 客入りは1階席はほぼ満席、2階席は未確認。

 
宇宙戦艦ヤマト復活篇オリジナルサウンドトラック 
 
 映画の話
 西暦2220年、太陽の300倍の質量を持ち、光をも飲み込む暗黒の天体、移動性ブラックホールが宇宙から地球へと迫っていた。地球連邦政府は、移民船団を組織。サイラム恒星系アマールへの移民を決行するが、謎の大艦隊の攻撃に遭い、船団が壊滅。古代進は移民船団の護衛艦隊司令としてヤマトに乗り込み、大艦隊に戦いを挑む。

 映画の感想
 今回の完成披露試写会はエンディングをツーバージョン流すという前代未聞の試写会であり、西崎義展監督の迷いがそのまま映画に反映されてしまっているように感じた。まず本作には「宇宙戦艦ヤマト」の原作者・松本零士の名前は無い。本作の監督でプロデューサーの西崎氏と松本零士との長い法廷闘争で西崎プロデューサーの主張が認められた結果でだ。その代わりに原案者として石原慎太郎の名前がクレジットされている、あまりにも無茶苦茶なクレジットに会場の観客も軽くざわつく。

 そんな在り得ない状況で作り出された「ヤマト」には松本零士が描いてきたスピリットや宇宙へのロマンは微塵も感じられない。「ヤマト」シリーズは、劇場版「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の中で、登場人物たちは皆一度死んでしまったが、その後作られる「宇宙戦艦ヤマト2」で復活してパラレルワールド化した。今回はオリジナル版の主人公・古代進が38歳になり、ヒロインの森雪と結婚をして年頃の娘・美雪がいる設定だ。

 以下ネタばれ注意

 映画は戦闘シーンに重点が置かれ殺伐とした印象でドラマシーンは非常に薄っぺらである。オープニングエピソードを経て、古代進が「ヤマト」の艦長に就任するまで流れは、79年版「スター・トレック」と似ている。それにしても本作はドラマシーンが上手くいっていない。せっかく出した古代の娘・美雪の存在は初めに少し登場するものの、中盤以降は脇に追いやられ殆ど機能していないし、ヤマトのクルーたち皆同じような今時の生意気な若者で個性が無いし、どんなピンチも表情ひとつ変えない古代進の姿には酷く違和感を持った。大体キャラクターの顔立ちが皆、松本零士のDNAを受け継いでいないのも気に入らない。唯一、松本零士のキャラを継続しているのは真田と佐渡先生とアナライザーだけと言うのはオールドファンから不満の声が沸きあがる事が必至であろう。

 本作の設定は巨大な敵SUSに日本の「ヤマト」と共にアマール星の人々が挑む構図になるのだが、この構図は西崎監督曰く「本作はSUS=アメリカに挑む日本と中東軍の姿を『ヤマト』の世界に置き換えた描いた」そうだが、その趣旨自体が間違っているように個人的に感じる。誰も「ヤマト」に社会性を求めていないのに、西崎監督は無理やり現在の社会情勢を投影してしまったのが失敗であり、先にも書いたとおりに本作には宇宙へのロマンは微塵も無く、ただ、だだ戦闘に明け暮れている殺伐とした印象しか残らない。

 映画は最終的に移動性ブラックホールを回避する為に地球の人々は他の星に移住する訳であるが、人間だけ移住して動物たちは置き去りになったらしい。この辺は地球で暮らす人々たちの葛藤など描けば物語に膨らみが出るが、本作はひたすら「ヤマト」クルーだけしか描かれていない、何とももどかしい。地球に残された動物たちの描写がクライマックスに出てくるが、ちょっと手塚治虫の「ジャングル大帝」の様である。それにしても地球がブラックホールに吸引されかかっていれば、もっと天変地異が起こってもおかしく無いだろうか?地球は平穏そのものである。これではローランド・エメリッヒ監督「2012」の方がリアリティあったぞ!

 映画の幕引きに「第一部 完」と言うテロップの登場で、またもや会場の観客から戸惑いの大きなざわめきが起きて終了するが、こんな内容では「第二部」は無いであろう。一体、西崎監督は本作を作り何がしたかったのだろうか?「あの夢をもう一度」的な金儲けの為の安直な発想で本作を制作したのなら顔を洗って出直した方がよい。

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Last updated  2009.11.29 17:06:29
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2009.11.27
カテゴリ:試写会
 客入りは7~8割くらい。
 
 
[DVDソフト] キャピタリズム マネーは踊る
 映画の話
 2008年9月15日、リーマン・ブラザーズの経営破綻は大規模な金融危機を引き起こし、世界経済は100年に一度と言われる同時大不況に陥った。アメリカでは住宅市場の大暴落と企業や銀行の倒産で、自宅や職を失う人々が続出。本作を撮影中だったムーア監督は、$マークのついた大袋を手にウォール街へと突入して行く。

 映画の感想
 ドキュメント映画「ボーリング・フォー・コロンバイン」で知られるマイケル・ムーア監督の最新作だ。今回は題名の通りに“キャピタリズム”(資本主義)にムーア監督流のメスを入れる。本作は基本的に新旧の既存映像をつなぎ合わせた物に、ムーア監督が独自に集めた取材映像と共に、ムーア監督が資本主義に対して“NO”と言うパフォーマンスを軽妙に、かつ真摯に取り組んだ映像をコラージュしながら、観客に現在のアメリカが経済不況に陥った状況を判りやすく説明しながら検証するムーア監督らしい作品だ。

 以下ネタばれ注意

 映画は自宅を差し押さえにあった家族が撮ったホームビデオ映像で幕を開ける。正に差し押さえ執行をする瞬間を家の内部から写した映像には恐怖すら感じる。何台ものパトカーで載りつけた保安官達は強制執行の為に、鍵の掛かった玄関の扉を特殊な器具を使い壊し家に侵入してくる。長年住んだ家を奪われる家族たちの空虚な心情が画面から伝わってくる。

  しかし今回の作品は既存の映像に頼りすぎている。ムーア監督もここまで有名人になり完全に面がわれてしまい、昔の様な突撃取材は不可能になってしまい、何処に飛び込もうとも門前払いとなってしまう。そこで監督は苦肉の策として既存の映像をつなぎ合わせた形になってしまったのだろう。したがって、ドキュメント作品として良く出来ているが、乗りに乗っていた頃のムーア監督作品と比べてしまうと大人しい印象が残ってしまう。

 ムーア監督の外見はひげが無くなり、めっきり老けこんだ印象であるが彼独特のパフォーマンスは健在だ。ウォール街に乗り込み不正に金を儲けた保険会社や銀行に突撃して、悪さをした社長や役員を“市民逮捕”しようとしたり、装甲車で会社に乗りつけ「不正に儲けた金を返せ」と$マーク付きの大袋を差し出し迫ったり、不正を働いた会社のビルを“犯罪現場”を示す警察の黄色いテープでグルグル巻きにしたり、ムーア監督の過激なパフォーマンスは健在で楽しい。

 映画はムーア監督作品最多出演者のブッシュ前大統領を散々コケにして、レーガン元大統領はあやつり人形の大根役者ぶりをあぶり出し、映画の閉めには無能大統領達と対比するようにルーズベルト大統領の理想高い演説まで取り入れて、資本主義論を纏めてしまうのは、ちょっと安易だったかもしれないが、現在進行形である世界的同時不況の口火を切った、アメリカ資本主義経済の歪んだ構図を知る上ではもってこいの作品であろう。

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Last updated  2010.07.03 14:24:37
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2009.11.21
カテゴリ:試写会
 客入りは8割くらいで女性客ばかりである。本作はPG-12なのに、一人幼稚園児位の男の子連れたおばさんがいた。主権はテレビ東京さんだ。
 
 
理想の彼氏 特別版
 映画の話
 夫が長年にわたって浮気をしていたと知り、荷物をまとめてニューヨークにやって来たサンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。スポーツ・ジャーナリストになる夢を再び追うことにした彼女は、引っ越し先のアパートの下にあるカフェで働く青年アラム(ジャスティン・バーサ)と知り合い、ひょんなことからベビーシッターを頼むことに。

 映画の感想
 いかにも女性観客をターゲットにした作品だけに悪くは無いが、それほど面白いとは思わなかった。しかし映画と言う物は面白く、映画全体は面白く無くてもラストが良いと不思議に後味が良い。映画の設定は映画やドラマで良くあるパターンである年の差カップルを描いた話だ。女性が男性より大分年上でキャリアがあり子供2人付きと言う設定だ。

 以下ネタばれ注意

 映画はパソコンに残された夫と友人の浮気動画を発見した主人公サンディが、夫に三行半を叩き付けて子供と共にニューヨークのアパートに引っ越してきた事で物語が動き出す。そのアパート1階のカフェで働く青年がアラムだ。大卒ながらカフェで仕事をしながら就職活動中でバツイチという青年だ。バツイチの理由も何とも可愛そうで、フランス人女性とグリーンカード目的で結婚したのを後から知り、その事を知りながらも彼女の事を思い、籍は抜いていないというお人好し青年である。

 映画は働きに出るサンディの代わりに二人の子供の面倒を見るベビーシッターとしてアラムが雇われた事で二人の距離は急接近する。まぁ、その前にサンディは下品な最低中年男と付き合う訳だが、このプロットは映画のガス抜き的な役割であろう。真面目で純粋なアラムと酸いも甘いも吸い尽くしたサンディのカップルは順調に愛をはぐくむが、ある出来事で二人の愛に終止符が打たれる。映画はここまではわりとマッタリとした展開であるが、ラスト10分位から急に勢いが増してくる。

 映画はラスト10分位で5年間の出来事をダイジェストの様な形で描き出す。サンディは夢見たキャスターへの仕事をつかみ、アラムは自分の未熟さを克服する為なのか、アメリカを離れ世界各国へ旅立ちボランティア活動に専念する様子がポンポンと描かれる。個人的にはこのラスト10分位をもっと時間を割いて描けば良かったのに思いながら見てしまった。そして、二人の再会が何とも良い。アラムのサプライズと、数々の経験をして人間として一回り成長した二人の余韻を残した心地よいエンディングが何もかも帳消しにしてくれる。この着地点のおかげで苦手なジャンル作品を良い後味で劇場を後に出来た。

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幸せのレシピ 特別版 / キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

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Last updated  2010.10.30 00:42:26
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2009.11.19
カテゴリ:試写会
 試写会場となったシアター7の客入りは1~2列目以外満席。お子さんを含む女性客が多い。川崎観客は相変わらず上映中に袋菓子をガシャガシャと大きな音を立てて食べるのでうるさい。

 
Bungee Price DVD アニメディズニー / カールじいさんの空飛ぶ家 【DVD】
 映画の話
 いつか世界を旅して回りたいと思っていたカールも、今や78歳。最愛の妻は亡くなってしまい、夢をかなえるには年を取り過ぎている。しかし、何と数千の風船を家に結びつけ、空高く飛び立つことに成功。カールは8歳の少年ラッセルとともに冒険の旅へと出発する。

 映画の感想
 当初イメージしていた物とは違う展開に驚きつつも、ピクサー作品として見ると極めて凡作である。ピクサーは今までオモチャ、昆虫、怪物、魚、超人、車、ロボットと、「レミーのおいしいレストラン」を除いて、あえて人間を主人公にした作品を避けてきた。今回は「レミーのおいしいレストラン」以来の人間を主人公にした作品である。しかも今回の主人公は動きの鈍い老人という事で作品のハードルは非常に高い。

 以下ネタばれ注意

 映画の出足こそ予告やテレビで流しまくった主人公カールと後に妻となるエリーの子ども時代を経て、若者~大人になり結婚~晩年までが台詞を使わず映像と音楽だけでザックリと描く手法はアニメーション映画としてとても意欲的で効果的であるが、カールの孤独感を描くには端折り過ぎである。

 妻を亡くし一人ぼっちになってしまったカールの家は、近隣の建築ラッシュで立ち退きを迫られている。建築業者とのトラブルで遭えなく老人ホーム行きになるが、ここからが映画の見せ場となる訳であるが妻の夢があったものの、どうも空飛ぶ家への展開が唐突過ぎて素直に喜べない。

 映画はカールじいさんの一人旅と思った旅も偶然の同伴者の登場で、映画に幅が出てくるのだが、どうも、この同伴者ラッセルが可愛くない。ボーイスカウト姿に吊り目の下がり眉毛の太った少年は日本人好み顔ではない。なんでピクサーはこんな可愛くないキャラを登場させてしまったのだろう?まぁ、主人公のカールも「スペンサー・トレイシーをモデルにしたんじゃないの?」と思わせるしかめっ面の老人であり、やや感情移入し辛い。 しかし映画は観客が予想だにしなかった展開が待ち受けている。カールは妻が夢見た“パラダイスの滝”へ空飛ぶ家で向かうだけの話と思っていたら冒険活劇へとシフトチェンジする。

 映画と言うものは何故か冒険への出発は丁寧に描くが帰路は端折ってしまう。本作もご他聞にもれず帰路の描写は無い。まぁ、本作は出発の準備も描かずにあっという間に旅立ってしまうが、帰路にもう一押し演出が出来たはずである。

 観客として一番気になるのはカールじいさんが元々住んでいた土地だ。たった一度の傷害事件でカールが老人ホーム送りとは何とも乱暴な脚本だ。傷害事件の切欠は建築業者にあったのだから通常では示談のはずである。そんなマイナス要素を含んだ旅立ちだったので、観客の望みは建築業者へのリベンジであろう。

 カールは最終的に憧れていたチャールズ・マンツが所有していた飛行船を手に入れたのだから、その飛行船で建築現場に乗り付けて業者たちを一泡吹かせるくらいサービスがあればアメリカ映画的で面白いと思うのだが、この映画の主人公は泣き寝入りの様な形で落着してしまう、何とも歯がゆい着地点である。それからカールと同行するラッセルも、突然カールと共に失踪してしまったのだから、親や警察が探し回る描写が欲しい、なのでラストのラッセルの母親のカットもイマイチ効果が出てこないのが残念だ。

 本作のテーマは喪失から再生であると思うのだが、どうも本作はピクサーらしい爽快感が無い。思い出が沢山詰まった自分の土地を悪徳建築業者に奪われ、子供の頃から憧れていた人物に裏切られるは、話が現実的過ぎてモヤモヤとした後味が残ってしまう。長年のピクサーファンとして、かなりガッカリの作品である。CGアニメの先駆者ピクサーも「ウォーリー」で頂点を極めたものの、他社のクオリティがピクサーに追いついてしまった事で正念場に立たされているのかもしれない・・・。

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Last updated  2010.03.13 16:48:25
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2009.11.05
カテゴリ:試写会
 当日はジャパン・プレミア試写会と言う事で映画上映前に、クエンティン・タランティーノ監督、出演者のブラッド・ピット、メラニー・ロラン、ジュリー・ドリュフェスの舞台挨拶があって映画が上映された。タランティーノはサニー千葉千葉真一)から貰ったと言う侍風のスーツで登壇し上機嫌に喋りまくる。

   
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 映画の話
 1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。

 映画の感想
 タランティーノ監督は前作「デス・プルーフ」で毒を吐ききったのか、一皮向けて大人になった監督は更に作風を進化させ会話によるサスペンスで魅せる。それもタランティーノ初の戦争歴史物である。映画はナチ占領下に置かれたフランスを舞台に、ナチに両親を虐殺された少女の復讐劇と並行して、「ナチ撲滅」と言う任務を与えられた連合軍特殊部隊“イングロリアス・バスターズ”の活動が描かれる。映画はチャプター1~5と1章節ずつが独立した形で描かれ、最終的にはそれぞれの章が融合して大団円を迎える形がとられている。

 映画は同時期公開のサム・ライミ監督「スペル」と同じように70~80年代に使われたユニバーサル・ピクチャーズのロゴマークで幕を開ける。
 
 以下ネタばれ注意

 
 本作は戦争を舞台にした作品であるが劇中の中で流れる戦争映画のシーン以外の戦闘シーンは無い。しかし、タランティーノは戦時下に置かれた人々の狂気を見事に炙り出している。映画冒頭に登場して物語を牽引する“ユダヤ・ハンター”と呼ばれるランダ大佐しかり、連合軍から指令を受けて“ナチ狩り”を任務とする極秘部隊“イングロリアス・バスターズ”しかり、人種や生まれた国や喋る言葉が違うだけで、人が人を平気で殺す事が許された狂気の沙汰がシニカルに描かれる。

 ユダヤ人が潜む山小屋まで自ら先陣を切って乗り込むランダ大佐は、物腰は柔らかく多国語を操り、人一倍洞察力に優れ、相手の会話から矛盾点を突き自白させてしまう尋問のプロフェッショナルだ。いざとなれば相手に直接制裁を加える恐怖の象徴である。それに対して、バスターズは民間人になりすまし、戦地に侵入してナチ狩りをする。彼らは戦利品の代わりに相手の頭部の皮を剥ぐというインディアンのような事をしている。彼らの存在はナチスも把握しておりヒットラー総統も戦々恐々としている。戦時中なのでどちらが悪いかは言及できないが、観客の目から見ると人間狩りを任務とする“同じ穴の狢”のようにも見える。
 

 映画は今までのタランティーノ監督お得意の直接的な暴力描写は影を潜め、監督&脚本家として腕を磨き抑制された会話によるサスペンスが光る。タランティーノのデビュー作「レザボア・ドッグス」や「パルプ・フィクション」の頃を思い出させてくれる会話劇は秀逸だ。物語の趣旨は今年公開の「ワルキューレ」とも共通するもので、真面目に史実を映像化したブライアン・シンガー監督に対して、ifと言うキーワードを膨らませたパラレルワールドで物語を展開させたタランティーノの独創的な世界観が光る。キャラクターの掘り下げも上手く、ランダ大佐はタランティーノが作り出したキャラの中でも1、2を争う位のヒールキャラであろう。役者の組み合わせでもブラピと「トロイ」で共演したダイアン・クルーガーを配していたり、タランティーノ独特のキャスティングも面白い。彼らしい瞬発的なバイオレンスやシニカルなユーモアも健在だ。

 映画の中でバスターズの捕虜となり解放するナチの額に、ブラピ演じるレイン中尉がナチのシンボルであるカギ十字をナイフで切りつけて刻印をするのだが、その姿を見た部下が「中尉も上手くなりましたねぇ」と誉めると、中尉は「練習する事で上手くなる」と返答している。この言葉は正に監督としてのタランティーノを客観的に表現しているようで、自分の作品作りに対しての自己評価の様に聞こえた。映画の最後にレイン中尉が発する「最高傑作だ」と言う言葉がタランティーノの映画に対しての自信の表れの様に聞こえてしまった。

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 タランティーノがインスパイアされた作品。

 






Last updated  2010.07.20 23:27:53
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2009.11.04
カテゴリ:試写会
 客入りは1~2階席はほぼ満席、3階席は未確認。
 


 映画の話
 ライバルに勝ち、銀行で昇進したいクリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、上司に仕事ができることをアピールする必要に迫られていた。そこへ、ジプシー風の老人(ローナ・レイヴァー)が不動産ローンの延長願いを申し出る。クリスティンが拒否すると、老人は態度を豹変。敵意をあらわにし、クリスティンに飛びかかる。

 映画の感想
 「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ監督の最新作でホラー作品という事で期待して見たが、期待していたものとは違う作品でした。宣伝文句に“呪文”がなんとか・・・、と書いてあったので、まさかライミの出世作で呪文をモチーフにしたスプラッターホラー作品「『死霊のはらわた』みたいなのかな?」と想像していたら、まさに「死霊のはらわた」の末裔的な作品でした。映画の基本はオカルトホラーなのだが、根底にはライミらしいオフビートの黒い笑いにコーティングされた作品だ。

 映画は70~80年代に使われたユニバーサル映画のロゴマークから見ても、本作は明らかに『死霊のはらわた」を筆頭にした80年代スプラッターホラー作品を、最新のデジタル技術を駆使して今の時代に蘇らせたオマージュ作品のようだ。本作はライミが立ち上げたホラー映画専門制作会社“ゴースト・ハウス・ピクチャーズ”作品だ。このレーベルは「THE JUON/呪怨」などライミが認めた若手監督の登竜門的なホラーレーベルであるが、本作はライミ本人のレーベル初監督作品である事に注目したい。これは推測であるが「スパイダーマン」シリーズがとりあえず一段落して、大金が転がり込んだライミは“自分へのご褒美”として、自分が一番好きなジャンルの作品を作ったのではないだろうか?

 以下ネタばれ注意

 映画は融資担当の銀行員クリスティンが老女からの融資延長を拒否した事で、老女に逆恨みされて呪文をかけられる、呪文をかけられたクリスティンには次々と怪現象に襲われる。と言うプロットで映画は展開するが、ライミのやりすぎ演出が恐怖を通り越して笑いになっている事が本作のポイントである。呪文をかけた老女は入れ歯が吹き飛び、目玉が飛び出し、口からは気持ちの悪い液体を吐き出す、と言う80年代ホラー的な演出の連続には失笑してしまう。ライミの「死霊のはらわた」的な演出はデジタル技術で進化はしているが、真面目なホラー作品を期待していた私は拍子抜けで素直には笑えなかった。

 映画は冒頭で過去に子供の悪魔祓いに失敗した霊媒師が映画後半に再び登場して、主人公に憑依した悪魔祓いがクライマックスとなるが、この件は何処か74年の「ヘルハウス」を思い出すが、「ヘルハウス」は心理描写に徹した静の演出が光るが、本作は徹底的に見せる動の演出に徹して恐怖と笑いが同居しているのが楽しい。ライミの演出をサポートするクリストファーー・ヤングのバイオリンをフィーチャーしたスコアも冴える。

 映画はボケまくりの占い師より「リング」の“呪いのビデオテープ”や都市伝説の“チェーンメール”の様なアドバイスを主人公が受け、それを実行に移す笑えるプロットを経て、最終的には二段オチが待っている。ライミの演出は悪魔の化身と化した風、落ち葉、影、ハエ、そして老婆のハンカチを前ふりにして、徹底した怒涛の恐怖演出に持ち込むパターンで漫画調とでも言うべきか、静から動へのシフトチェンジの落差がものすごい。ライミも自分の持つ技をここまで出しつくせば満足であろう。エンドロール後の70~80年代のユニバーサル映画の古いロゴマークとユニバーサルスタジオの宣伝イラストと、何処までも徹底したライミの趣味が全開した原点回帰的な作品である。


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Last updated  2010.02.12 14:08:09
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2009.10.31
カテゴリ:試写会
 「ソウ」シリーズの試写会場はいつもニッショーホールである。客入りは悪く6~7割位で空席が目立つ。

 配給会社も複雑に絡み合うシリーズを整理する為か、本編上映前に「ソウ1~5」を5分程のダイジェストにまとめた「SAW集編」なるものを流す。しかし物語の説明をしているつもりなのだろうが、シリーズの良いシーンを繋いだだけのダイジェスト版になっていてかえって混乱してしまう。
 
 
ソウ6 アンレイテッド・エディション
 映画の話
  FBI捜査官のストラムが死体となって発見される。ジグソウ(トビン・ベル)の後継者はストラムではないかとの風評が広まり、ジグソウの事件が終結したかに見える中、ストラムの上司だったエリクソン(マーク・ロルストン)は捜査結果に疑問を抱く。そして、ホフマン刑事(コスタス・マンディロア)に近づくが……。

 映画の感想
 一見、一話完結のようだがシリーズ全てが根底で繋がっている厄介な作品である。作り手は「観客は前の話を覚えているだろう」、もしくは「前の作品をDVDを見て予習してくるだろう」なんて事を、念頭において映画を製作しているので性質が悪い。よほどコアなファン以外は忘れてしまった話を相変わらず蒸し返すので本筋を追いながら、過去の出来事を思い出さなければならない高度な技術を観客は強制させられてしまう。

 今回はシリーズ全ての編集を担当したケヴィン・グルタートが監督しただけに、シリーズのカラーはまったく共通であり、お得意のクイック映像をフィーチャーしながら初監督作品とは思えない手馴れた演出が良い。「ソウ」はシリーズ1~3がジグソウが直接関係する殺人ゲーム三部作で、4~6がジグソウの後継者が仕掛けた殺人ゲームと言う風に分けられる。本作は新三部作の最終章とも見受けられる。これから鑑賞される方は「ソウ4&5」は予習したほうが良い。

 以下「SAW」シリーズ全体に対してネタばれしています。

 今回はオープニングからとばしてくれる。太った男とやせた黒人女性が自分の体からそぎ落とした肉の重さをかけた生き残りゲームからして痛い映像の連続で見せる。周りの観客は痛い映像に身を仰け反らしていたが、私はいつもどおりにニヤニヤしながら痛さを楽しんでしまった。

 今回のジクソウのターゲットは悪徳保険会社の社員たちだ。人間的な感情を排除して統計的に物事を判断する保険審査をする男がメインターゲットとなり、彼の部下や顧客までもがジクソウのゲームに強制参加させられてしまう。まぁ、物語は重箱の隅を突きまくった「4」「5」とは違い至ってシンプルでストレートである。しかし、その物語にジクソウの過去や後継者の話や多くの登場人物が複雑に絡み合い観客は混乱を招いてしまう。

 まぁ、それにしても新三部作の表の顔となる後継者にまったく魅力を感じないのは映画として致命傷だ。「ソウ」シリーズは“ジクソウ”と言う特異なキャラクターが際立ち、今まで続いてきたシリーズであり、シリーズ「4」以降は苦肉の策で作られている事は十分承知しているが、後継者を演じる役者に華が無いのと感情移入し辛いキャラクターなのはどうなんだろう?たぶん、作り手は「ジクソウを早く殺しすぎてしまった・・・」と後悔しているはずで、後付でジクソウの過去が明らかにされるが、流石にもうネタ切れ感は否めない。

 映画は相変わらず新たなるゲームが次々と映し出されるが、個人的に好きなのは悪徳保険屋の部下6人が回転木馬状の台に縛り付けられた前に、ショットガンがセットされた仕掛けが好きだ。6人の内、2人だけが助かるゲームは全て保険屋の判断に委ねられ、命乞いの為に嘘を並べる部下たちのおぞましい姿には思わず笑ってしまった。本作の特徴は各ゲームの犠牲者がメインプレイヤーに命が委ねられ、判断を怠るとメインプレイヤーにも痛みが伴うのがポイントであった。

 それから「5」でジクソウの妻に託された箱の中身が明らかになるが、ジクソウが律儀に6つも指令書の入った封筒を用意していたのには苦笑してしまった。後付の話もココのまで来ると本当に笑うしかない。そして、「ソウ」シリーズの裏キャラのビリー人形の活躍が今回は地味だったのが残念だ。

 映画はジクソウを超えようとする後継者にジクソウからキツイおしおきとなり幕を閉じるが、初めからあんな奴を後継者として白羽の矢を立てたジクソウの判断ミスであり、暴走しすぎた後継者のその後も少し気になるが、あいつが主役の「ソウ」はもう見たくない。この先、続編を続けてもマンネリ化は避けられないので、いっその事「ソウ ビギニング」に進むのが正しい判断だと思う。

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Last updated  2010.03.27 16:17:36
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