映画「新宿インシデント」@サイエンスホール
試写会の主権はテレビ朝日さん。上映前に「ミュージック・ステーション」でサブMCを担当している竹内由恵アナの前説があっての上映だ。 エントリーでポイント5~9倍!12月21日14時まで 【トキメキ特価!】 新宿インシデント(DVD) ◆27%OFF! 映画の話 恋人を探して密入国した鉄頭(ジャッキー・チェン)は、故郷の知人を頼って密入国者たちがアジトにしているアパートにたどり着く。恋人を探す暇もなく毎日必死に働く中、ひょんなことからヤクザの組長の命を助け、運命的な友情が生まれる。この出会いが彼を大きく変え、やがて鉄頭は裏社会の実力者となっていく。 映画の感想 これは拾い物でした、面白かった!映画の主演はジャッキー・チェンであるが、あえてアクションを封印して一俳優として主演を務めている。 以下ネタバレ注意 面白い映画はオープニングから「ハッと!」させられる。映画の舞台は90年代の日本。海から不法入国した中国移民数十人が砂浜に打ち上げられ、身を潜めているところをパトロール中の巡査が発見する所から映画は動き出す。 命からがら砂浜から電車を乗り継ぎ不法入国した中国移民たちが暮らすアパートまで、ジャッキー・チェン演じる鉄頭が警察の目をかいくぐりたどり着くまでがスリリングに描かれる。本作のポイントは不法入国した中国人たちが中国人側の目線で描かれる事で、我々日本人が知らない在日中国人たちの裏社会が描かれる事だろう。警察の目をおびえながら低賃金で日本人がやらない仕事を引き受け、割に合わない仕事に見切りをつけて、偽造テレフォンカードの販売や、万引きした商品や偽造クレジットカードを使い騙し取った商品を裏で売買したりする主人公たちの姿が描かれる。 映画は鉄頭が加藤雅也演じるヤクザの組長を助けた事により、鉄頭は組長に見初められ日本ヤクザ組織で組長の片腕的な存在となり、面の割れていない鉄頭を使い敵対する組長の暗殺を命じられるヒットマンとなり、鉄頭は歌舞伎町を仕切る中国人ヤクザの頂点まで君臨する。本作は密入国者から中国人ヤクザの頂点になる強運の持ち主・鉄頭とは対照的に、気が弱く運に見放された男・阿傑の存在が本作の要であろう。阿傑を演じるのはダニエル・ウーだ。彼は映画前半と後半、墜落してゆく運命を背負いまったく違う人物像を好演している。 日本人側キャストも実に魅力的だ。鉄頭に命を救われた事により、鉄頭を裏で助ける刑事を竹中直人が演じている。いつもうっとうしい竹中が本作では実に良い。殺伐とした物語の中で彼の存在が観客の心を和らげながらも物語を引き締めている。そして「おくりびと」の記憶も新しい故・峰岸徹がやくざの組長役だったり、奥さんの介護で話題の長門裕之もやくざの会長だったり、“日本のドラゴン”と呼ばれた倉田保昭も組長役だ。 日本映画界も「仁義なき戦い」シリーズを筆頭に、数多く実録ヤクザ映画が作られ、現在でもVシネでも脈々と作られ続けているヤクザ映画であるが、在日中国人側から描かれたヤクザ映画は初めてのように思う。ジャッキー・チェンが立ち上げた“アジアン・プロジェクト”第一回作品として非常に意欲を感じる作品である。あえて難点を言わせて貰うとジャッキーの役柄がどう見ても20~30代位の役柄でジャッキーでは老け過ぎな事だ。 映画「新宿インシデント」の関連商品 ジャッキー・チェン&ダニエル・ウー出演作◇新品DVD◇ 【エンタメポイントアップ0423】 80デイズ<ユニバーサル・ザ・ベスト \1,800>[DVDソフト] 香港国際警察 NEW POLICE STORYプロジェクトBB ディレクターズ・カット デラックス版 / ジャッキー・チェン