2009.02.11

映画「チェンジリング」@東宝東和試写室

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カテゴリ:ブロガー試写会
 今回の試写は映画「チェンジリング」をブログで応援するブロガー50名程が集められた試写だ。客席は満席で椅子に座れないお客さんまで出てしまう大盛況だ。
 

 映画の話
 1928年。ロサンゼルスの郊外で、9歳の息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)。だがある日突然、クリスティンの勤務中に、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5か月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た、見知らぬ少年だった――。

 映画の感想
 まず、この試写について配給の東宝東和さんから“ネタばれ禁止令”が発令されてしまい、多くを語る事が出来ないのが残念である。

 映画は実話を元にした作品であり、本国アメリカでは有名な話なのか物語の目線は行方不明になるウォルターの母親クリスティンの目線で語られる。その為に息子の身代わりに現れた少年がどのような経緯をたどり身代わりになったのかが描かれていないのが難点であり、同じ様に犯人側の動機と心理が描かれていないのが難点だ。犯人の犯した犯行の詳細はこちらに詳しく書かれています。この犯行の詳細を読むと、映像として描くのは凄惨すぎると判断されて割愛されたのかもしれない。

 母親クリスティンを演じるのはアンジェリーナ・ジョーリーだ。私は個人的に彼女の顔が苦手なのだが、今回は舞台が1930年前後の話で彼女の大作りの顔立ちが上手くクラシカルな時代にフィットしていてる。そしてアカデミー主演女優賞ノミネートも納得の演技で観客の心をつかむ。このクリスティンの役を見ると、アンジーが過去に演じた役を思い起こす。家族が行方不明になり耐え忍ぶ姿は「マイティ・ハート/愛と絆」であり、警察の手で精神病院に強制入院させられる姿は、精神療養施設を舞台にした「17歳のカルテ」を思い出してしまった。

 監督はクリント・イーストウッドだ。どちらかと言うと男臭い作品を得意とする監督であるが、歳を取り「マディソン郡の橋」など女性を主人公にした作品を繊細に描くようになってきていて、本作は監督にとって社会派作品「ミスティック・リバー」の延長線にある作品なのかもしれない。本作は監督らしい淡々とした演出でありながらも、主人公の細かい感情の揺れ動きや強い意志が伝わる。描く所は濃厚に描き、割愛する所はバッサリと割愛する贅肉をそぎ落とした演出が冴える。事件と並行して当時の警察の捜査の怠慢や横暴ぶりも炙り出している。長尺作品でありながら時間を感じさせない展開も良い。

 最後にイーストウッド監督が担当した音楽ついて書きたい。近年、自作の作品の音楽を担当するイーストウッド監督であるが、今回も珠玉のジャズバラードを主体としたもので、ゴテゴテとしたオーケストレーションを好むハリウッド作品の中では孤高の存在だ。音数は非常に少ないのだがシンプルな分、逆に素直に心に染み入ってくる。オーケストレーションを担当したレニー・ニーハウス、編曲を担当した監督の息子カイルの力を大きかったのかもしれないが、イーストウッド作品の中でも絶品の域に達したスコアであった。

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Last updated  2009.07.21 23:20:17
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