■銭ゲバ■
「銭ゲバ」ドラマ観ています!!!松ケンくん…やっぱいいですね。ニコッとした笑顔、ニヤッとした顔とのギャップそして切ない瞳と狂気に魅せられております。さて…原作本と比べたくなるのを控えたくてドラマが完結するまで読まないようにしていたけれどドラマが結構面白いのと、現代版に設定が変わっているのでどうも気になり終了を待ちきれずに、原作本を購入してしまいました(汗)ジョージ秋山は「浮浪雲」と「ラブリン・モンロー」位のみ(笑)週刊誌とかでちらっと読んだ事くらいしか無かったのでこの絵柄は好みが別れるかもですね。ただ、ひたすら悲惨だというイメージだったこの「銭ゲバ」は予想以上にグイグイ引き込まれました。この上巻、不幸な幼年期を経て「銭のためなら何でもする」とねじ曲がった主人公の生き様はあまりにも悲惨!!!“金”と無縁かと思われた恋すら“金”がらみで成就されず更に罪を重ねてどこまでも堕ちてゆく風太郎…やはり信じられるものは銭だけだと財産だけではなく、ついに政治界にまで手をのばし表向きとは裏腹に社会の暗部にどっぷりと浸かり過去の罪を隠蔽するために更なる犯罪に手を染め金だけでなく名誉も手に入れたのだったが『人間の幸福』について考えたときの虚無感。その結末と作者の分身の叫びには思わず唸ってしまう…“世の中銭が無ければ困るがそれだけで幸福なわけではない”そして、風太郎以上の悪党がはびこる世の中の虚しさ時代は変わったけれども、変わらぬ人の心の闇。ズンと考えさせられる重い作品でした。これが少年サンデーに連載されていた事がこれまた凄い。秀逸なラストの下巻まで一気に読めるボリュームなので気になる方はゼヒ上下セットでお読み下さい。銭ゲバ(上)銭ゲバ(下)