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中高年の生涯学習

2019.10.13
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​放送大学には特別講義という番組がある。放送大学の学生は登録した科目をこなすことで精いっぱいで、余計な講義を聞くような余裕はないかもしれない。ところが、ここにはお宝になるような講義が並んでいる。放送大学に登録してない人にとっては全く縁のない番組といっていいだろう。しかしお笑いタレントのバカ騒ぎのようなテレビ番組にうんざりしている方は、ぜひBSの「BSキャンパスex」にチャンネルを合わしてみてほしい。カルチャーセンター以上のカルチャー番組が無料で受講できる。「キャンパスex」は昨年から始まった生涯学習専門チャンネルになっている。曜日ごとにテーマが決まっている。月曜日は教育・心理、火曜日は情報で、朝から晩までパソコン関連授業が放送される。ここに一日中チャンネルを合わせれば、いつのまにかパソコン専門家になっているだろう。
特別講義(テレビ)は火曜から土曜の、夜20時15分から日替わりで放送されている(ラジオは別時間)。前もって番組内容を知りたければ放送大学のホームページのトップページの「番組表」を出し、「番組案内」のページを開くと案内がある。これは学生登録していなくても参照できる。あとはご自分のテレビで視聴すればよい。

来年のオリンピック・パラリンピックに向けて、非常に興味深い特別講義に出会ったので、少し詳しく紹介する。本ブログは文字情報のみなので、先の方法で放送日程を調べて、テレビの映像を視聴してほしい。学生登録している方はいつでも学習センターやネットで視聴できる。

​放送タイトルは「トップアスリートのメンタルに学べ」で講師は田中ウルヴェ京(みやこ)さん。TBSの夕方のニュース番組やお昼のワイドショーでコメンテイターとして出ているのでご存知の方が多いだろう。

田中さんはシンクロナイズスイミングの選手でソウルオリンピックで銅メダルを取った。競技引退後、シンクロのコーチを海外でしながら、アメリカの大学院でスポーツ心理学を学んだ。その後、スポーツメンタルトレーニング上級指導者の資格をとり、オリンピックに向けて訓練しているアスリートの指導をしている。この講義は選手向けではなく、一般の人が日常生活で使えるメンタルの鍛え方をアスリートの訓練を題材に紹介している。
野球のイチローが打撃前に見せる独特のポーズ、五郎丸歩選手のキックの前に行う、腕を交差させて拝むような動作を見たことがあるだろう。あれはメンタルトレーニングの一つである。どういう意味、効用があるのだろうか。大阪体育大学教授の土屋裕睦さんがメンタルトレーニングの概要を説明した。

「メンタルとは心理的、あるいは精神的という意味。トレーニングとは練習、訓練という意味。メンタルトレーニングとは心理面の練習、精神面の訓練という意味です。スポーツは「心」、「技」、「体」が重要と言われる。技術と体力が合わさって、その選手の実力が現れる。その実力を発揮できるかは「心」をどう使うかにかかっている。

この問題に日本人が気づいたのは1964年の東京オリンピックだった。当時の日本選手は「あがり対策」としてリラクセーション技法やイメージ技法を行っていた。成果はあったが、競技現場では定着しなかった。アメリカが先手を打ってきた。1984年のロサンゼルスオリンピックでアメリカのオリンピック委員会は強化策として競技団体に心理学を専門とするスタッフを配置した。これによってアメリカチームは大きく躍進。スポーツの実力発揮にメンタルトレーニングの重要性が世界中に広まった。日本でも、この情報は確認されたが、当時の日本にはメンタルトレーニングを指導できる人はいなかった。

そこで日本スポーツ心理学会が学問的な基盤をもつメンタルトレーニングを普及させるため「スポーツメンタルトレーニング指導士資格認定制度」を発足させた。2017年までに130名ほどが認定されている。

生涯学習を持続的に継続するには、どういうメンタルが必要か。試験の時に、あがってしまって問題文さえ読めなかった。大勢の人の前でプラゼンやスピーチでのあがり対策は。英会話で外人の前に出るとしどろもどろにならない方法は。

こういう日常的な問題はオリンピックなどで国を背負って競技するアスリートのプレッシャー対策が解決の糸口になる。どういうメンタルトレーニングを選手はやっているか。田中さんの講義を聞いてみよう。

​スポーツにおけるメンタルトレーニングの方法には様々な種類があります。おおきく二つに分けると、
1つは体を使ってメンタルを作るトレーニング。呼吸や姿勢、目の動きなどから入るトレーニングです。もう一つは、一般的に「心」と表現される「脳内の思考や感情」といった外には見えないメンタルの部分に直接働きかけるものです。自分の考え方や感情にしっかり気づき、整え、鍛えていくトレーニング方法です。それらの両方を組み合わせて、その競技特性や個人に合わせて多様にアレンジしていくことが大事です。メンタルトレーニング教本では9つのスキルをあげています。

1 行動変容技法
2 目標設定技法
3 リラクセーション技法
4 バイオフィードバック法
5 注意集中技法
6 イメージ技法
7 情動のコントロール技法
8 暗示技法
9 ポジティブシンキング(積極的思考法)

メンタルトレーニングで、最も大事なことは「自分は何のためにメンタルトレーニングをやるのか?という自問自答です。

選手であれば、オリンピックでメダルを取りたい。企業の経営者であれば、事業を成功させたい。受験生なら試験で合格する。

​このような人それぞれの深い意味を持つ言葉を整理し、自己分析の手法や目標設定の手法を使って、今の自分はどんな状態で、どの方向に自分は向かいたいか。そしてその向かう方向までのプロセスには、どのような行動が必要なのか。それを紙に書いて実力発揮マップを作っていくのがメンタルトレーニングの最初の部分です。
​もう少し具体的にするために実際の選手のトレーニング場面が紹介される。場所は田中さんのご自宅のマンションか。ドアを開けて入って来たのは車イスを使う男性。車いすバスケットボールの日本代表としてリオ・パラリンピックに出場した香西宏昭(ひろあき)選手である。ドイツ・ブンデスリーガに所属する、日本では数少ないプロ車いすバスケットボールプレーヤーである。香西選手は2020年東京パラリンピックに向けて田中さんにメンタルの指導を受けている。
How are you? Fine,thank you. というような、どうでもいい会話の後で、本番である。目標設定技法の実践である。81のマス目が書かれている紙が用意されている。中央のマス目に大目標。香西選手の場合、「東京パラリンピックバスケで金を取る」である。そのためにはどうするか。中目標が設定される。これが9つ。その中目標を実現するためには、どう行動すべきか。これが小目標。中目標のまわりに9つ書きこまれる。81のマス目が書きこまれる。

これは一人で行うのは難しい。専門の指導者や先生の助けが必要である。競技や科目、テーマに詳しい人ならプラニングの技法を使って一人でも可能かもしれない。指導する人もその選手(あなた)の能力、これまでの実績、人柄を十分理解していることが必要であろう。時間も丸一日かかるかもしれない。あとは日々、その小目標実現にむけて実践するのみである。

​さて、次に緊張を和らげる方法を身につけるとき行うのがリラクセーショントレーニングです。これを考える前に確認したいのは、そもそも緊張してはいけないのか、ということです。今やらなければいけないプレゼンが大事なものであればあるほど、今日の試合がそれこそ人生をかけた大事なものであるほど、私たちは、それは緊張します。緊張は言い換えれば、私たちの身心を極めた状態にしてくれている状態といえます。難しいのは「緊張しすぎてしまう」ことです。
緊張しないのもダメだが、緊張しすぎてもダメだ。私たちは適度な緊張状態に自分を作っていくことが大事です。リラクセーショントレーニングでは過度な緊張状態にいる自分を適度な状態にもっていくための様々な方法を学びます。

​最も一般的なものに呼吸法があります。リラックスするための呼吸は吸う息よりも倍以上の長さで吐くという方法です。

​ここで実際に呼吸法をやってみましょう。椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします。まず、ろっ骨を両手で触って、息を吸うとき肺が大きくなったり、吐くと小さくなることを感じましょう。そして鼻で息を吸います。3秒。イチ、ニー、サン。2秒息を止めます。イチ、ニー。息を口から、口をすぼめて細く、ゆっくり吐きます。6秒くらい。この秒数は人によって違ってていいです。6秒吸って、3秒止めて12秒吐く、でもいいです。自分に合わせて無理のない程度に。これを3回くらい繰り返す。途中で苦しくなったり、めまいを感じたらストップです。呼吸は無意識に行っていますが、トレーニングでは意識化することが意味を持ちます。
リラクセーションのもう一つは筋弛緩法です。肩などを上げて意識的に筋肉を収縮させて、ポンと力を抜く、弛緩することで体のリラックス状態に気付く方法です。

​最後に「コーピング」というストレスに向き合うトレーニングを紹介します。英語の「COPE」は「対処する」という意味で、これを語源とします。どんなストレスに対しても対処行動を作っておくのです。コーピングは日常生活のなかで、すでに行われているものです。

風呂に入って体を癒したり、買い物に行ったり、おいしいものを食べたりして忘れるといった方法で気分転換することもストレスフルな状態から回避、低減という対処行動の意味では立派なコーピングです。これらは「気晴らしコーピング」と言ったりします。
しかしスポーツの戦いでは、気晴らしでは解決できないことがあります。例えば試合中に不公平な審判がいても、審判を変えてもらうことができません。自分のチームの監督が急に変わって自分を全く起用しなくなっても、それがストレスだといって飲んだり食べたりしても、無意味です。

最近話題の自動車運転中に横から急に入り込んでくる車、こういう時、頭に血が登ってしまいます。

自分の頭の中で様々なストレスをどのように捉える傾向があるか。そしてどういう感情を持っている時、自分はどのような行動になりやすいか。さまざまなストレスの状況に置いて自分について知っておくことが、その状況に左右されずに自分の力を発揮できるメンタルを作る基礎になります。

​メンタルトレーニングを一般の人は自分の生活に取り入れるのは自分に可能な部分だけでいいと思う。選手活動しているひとは練習の一部にメンタルトレーニングを取りれてほしい。専門家の指導が欲しい人は体育団体、スポーツ協会等の専門家に相談してください。
このブログは番組をもとに作ってありますが、カットした部分も多い。重要な所は記録したつもりだが、専門的に勉強したい方は、ぜひ番組をごらんください。放送大学の視聴方法は、この文章の冒頭部分にあります。

来週10月20日はブログ発行は休止します。
次回更新は10月27日の予定です。






最終更新日  2019.10.13 13:22:54
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