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趣味の漢詩と日本文学

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October 31, 2005
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カテゴリ:漢詩・漢文
秋日登呉公臺上寺遠眺寺即陳將呉明徹戰場(一作地) 劉長卿
古臺搖落後、秋日(一作入)望郷心。
野寺來人(一作人來)少、雲峰隔水(一作水隔)深。
夕陽依舊壘、寒磬滿空林。
惆悵南朝事、長江獨至今。
【韻字】心・深・林・今(平声、侵韻)。
【訓読文】
秋日呉公台上の寺に登り遠く眺む。寺は即ち陳の将呉明徹の戦場なり。
古台揺落の後、秋日望郷の心。
野寺来人少(まれ)に、雲峰水を隔てて深し。
夕陽旧壘に依り、寒磬空林に満つ。
惆悵す南朝の事、長江独り今に至る。
【注】
○呉公台 今の江蘇省揚州市の西北に在り。もと南朝の宋の劉誕が築いた弩台で、陳の呉明徹が増築した。
○呉明徹 陳の秦郡の人。字は道昭。幼くして父を失い、親孝行であった。軍功をあげ安南将軍となった。宣帝が北征をくwだてると、明徹は策を決して自ら行かんと請う。詔により侍中を加えられ、衆軍を統括し、仁州に進攻し、南平郡公に封ぜられた。寿陽に逼り、王琳らを擒にし、詔により車騎将軍となった。彭城に進攻して、また大いに斉軍を破った。位は司空・都督南■(ナベブタのしたに兌。エン)州刺史となった。ついで周の徐州総管梁士彦と対立し、周は王軌を派遣して船路をさえぎり、明徹は呂梁で捕らえられ、長安で没した。
○揺落 木々の葉が風に散る。
○望郷 故郷のほうを遠くながめる。
○野寺 野中の寺。
○雲峰 雲のなかにそびえたつ峰。
○旧塁 むかしのとりで。
○寒磬 寒中に響く磬の音。「磬」は石や玉で製した「へ」の字形の楽器で、懸けて打ち鳴らす。
○空林 ひっそりとして、ひとけのない林。
○惆悵 嘆き悲しむ。
○南朝 東晋以後、建康(南京)に都を置いた、宋・斉・梁・陳の四つの王朝。
○長江 中国最長の川。 
【訳】
秋の日に呉公台のそばの寺に登り、遠くを眺めて詠んだ詩。この寺はかつて陳の将軍呉明徹が戦った場所である。
古びた高台にんぼれば、周囲の木々はすでに葉を散らせた後、こんな秋の日には望郷の心がわいてくる。
野なかの寺には来訪者も少なく、雲のなかにそびえる峰は川のむこうに奥深くみえる。
夕陽はふるいとりでに当たり、寒中の磬の音が、ひっそりしずまりかえった林に鳴りひびく。
ああ嘆かわしいことよ、呉明徹が活躍した南朝の出来事も、もはや遠い過去、ただ長江のみが今に至るまで変わらぬ姿で流れている。





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Last updated  October 31, 2005 09:08:35 PM
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