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カテゴリ:漢詩・漢文
孫權故城下懷古兼送友人歸建業 劉長卿
雄圖爭割據、神器終不守。 上下武昌城、長江竟何有。 古來壯臺■(「木」のみぎに「射」。シャ)、事往悲陵阜。 寥落幾家人、猶依數株柳。 威靈絶想像、蕪沒空林藪。 野徑春草中、郊扉夕陽後。 逢君從此去、背楚方東走。 煙際指金陵、潮時過▲(サンズイに「盆」。ボン)口。 行人已何在、臨水徒揮手。 惆悵不能歸、孤帆沒雲久。 【韻字】守・有・阜・柳・藪・後・走・口・手・久(上声、有韻)。 【訓読文】 孫権が故城の下にて古を懐ひ兼ねて友人の建業に帰るを送る。 雄図割拠を争ひ、神器終に守られず。 上下武昌の城、長江竟に何をか有せん。 古来台■(シャ)壮んにして、事往陵阜を悲しむ。 寥落たり幾家の人ぞ、猶依る数株の柳。 威霊想像を絶し、蕪沒林薮空し。 野径春草の中、郊扉夕陽の後。 君に逢へば此より去り、楚を背むきて方に東に走ると。 煙際金陵を指し、潮時▲(ボン)口を過ぐ。 行人已に何にか在る、水に臨んで徒らに手を揮ふ。 惆悵す帰る能はざるを、孤帆雲に没して久し。 【注】 ○孫権城 夏口城。湖北省武漢市の黄鶴山上にあり。三国時代呉の創建。 ○建業 江蘇省南京市。 ○雄図 規模が大きくて立派な計画。 ○割拠 国にまとまりがなく、英雄が各地方を占領して分立する。 ○神器 玉璽などの、帝位継承にともなう宝物。 ○台■(シャ) たかどの。物見台。 ○寥落 おちぶれたようす。 ○威霊 威力ある神霊。 ○蕪沒 雑草が覆い隠す。 ○林薮 草木の生い茂ったところ。 ○金陵 江蘇省南京市。 ○▲(ボン)口 江西省九江市の西をながれる▲(ボン)水が長江に流入するあたり。 ○行人 旅人。 ○揮手 別れを惜しんで手を振る。 ○惆悵 悲しみ嘆く。がっかりする。 ○孤帆 ぽつんと一艘みえる帆掛け船。 【訳】 かつて呉王孫権が治めた故城の下で昔を懐しみ、同時に友人が建業に帰るのを見送ったときの詩。 大きな計画胸に秘め群雄割拠を争って、帝位を示す器ものついには守られずじまい。 上に見ゆるは武昌城、下に見ゆるも武昌城、長江城を映せども竟に何をも有せざり。 古来たかどの多かれど、陵阜ばかりもとのまま。 おちぶれたるはどこの家、数株の柳のこりおり。 孫権の霊彷彿と、草木にうもれいと空し。 春草覆う野のこみち、扉に差すは夕陽かげ。 君はここより更に去り、楚をあとにして東へと。 もやの向こうの金陵へ、▲(ボン)口過ぎてくだりゆく。 旅人すでにどこらへん、川のへりにて手をふるう。 友との別れいと悲し、君のせた船雲がくれ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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