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趣味の漢詩と日本文学

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October 22, 2006
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カテゴリ:漢詩・漢文
不才成擁腫、失計似邯鄲。
江國傷移律、家山憶考槃。
一為鴎鳥誤、三見露華團。
回首青雲裏、應憐濁水瀾。
愧將生事托、羞向鬢毛看。
【訓読文】
不才擁腫を成し、失計邯鄲に似たり。
江国移律を傷み、家山考槃を憶ふ。
一たび鴎鳥の誤ちを為し、三たび露華の団を見る。
首を青雲の裏に回らし、応に憐むべし濁水の瀾。
生事を将つて托すを愧ぢ、鬢毛に向かつて看るを羞づ。
【注】
○擁腫 木にできたこぶ。役にたたぬもののたとえ。
○失計似邯鄲 むかし、戦国時代の燕の寿陵村の青年が、趙のみやこ邯鄲に行き優美な歩き方を学ぼうとしたが、まだ身に付かぬうちに自分のもとの歩き方をも忘れ、腹ばいになって帰ったという。『荘子』《秋水》に見える。のち、やたら人の真似をして身を滅ぼすたとえ。
○江国 南方の水郷。揚州を指す。
○移律 時節が移る。
○家山 故郷。
○考槃 隠居所。
○鴎鳥 カモメは波にゆられ自由気ままなところから、隠遁生活のたとえ。
○露華 つゆ。
○回首 ふりかえる。
○青雲 隠士の生活。
○応憐濁水瀾 いま出仕するのは汚濁の波瀾に身を投ずるようなものだということ。
○愧将生事托 生計を役人生活にたよることをはじる。
○羞向鬢毛看 歳老いてもなお下級の地位に居ることを恥じる。
【訳】
才能もない役立たず、ひとまね失敗くりかえす。
揚州にきて時うつり、故郷かえって隠居せん。
隠遁すてし過ちや、はや三年め秋迎う。
隠者生活かえりみて、節曲げてまで出仕せじ。
すまじきものは宮使え、白髪なれども地位低し。





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Last updated  October 30, 2006 04:11:33 PM
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