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趣味の漢詩と日本文学

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November 26, 2006
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カテゴリ:漢詩・漢文
渭水嘶胡馬、秦山泣漢兵。
關原馳萬騎、煙火亂千甍。
鳳駕瞻西幸、龍樓議(一作向)北征。
自將行破竹、誰學去吹笙。
白日重輪慶、玄穹再造榮。
【韻字】兵・甍・征・笙・榮(平声、庚韻)。
【訓読文】
渭水胡馬嘶き、秦山漢兵泣く。
関原万騎馳せ、煙火千甍に乱る。
鳳駕西幸を瞻(み)、龍楼北征を議(一に「向」に作る)す。
自から将ゐて行くこと竹を破るがごとく、誰が学ばん去つて笙を吹くを。
白日輪を重ぬる慶び、玄穹造を再びする栄え。
【注】
○渭水 甘粛省に発し、陝西省を流れ、洛水と合流して黄河に注ぐ川。
○胡馬 中国の北方あるいは西方の異民族の土地に産する馬。
○秦山 陝西省の秦嶺山脈。終南山付近の山地。
○漢兵 漢の兵士。
○関原 潼関以西の畿内地方。
○煙火 戦火。
○千甍 多くの家々。
○鳳駕 天子の乗り物。
○西幸 天宝十四年(七五五)に安禄山が反乱を起こした時、玄宗皇帝が蜀に入り難を避けたことをいう。
○龍楼 太子宮の門の名。玄宗の皇太子李亨は霊武で即位し、肅宗皇帝となり、玄宗に太上皇の尊号を奉って退位させ、長安を取り戻した。
○自将行破竹 みずから兵を率いて乱を平定し、その勢いは向かうところ敵無しであったことをいう。
○去吹笙 『列仙伝』などに見える王子喬、すなわち周の霊王の太子晋の故事。好んで笙を吹き、よく鳳凰鳴をなし、道士浮丘公にしたがって去り仙人になったという。
○白日重輪 『古今注』に「漢の明帝、太子たりしとき、楽人歌詩四章を作りて以て太子の徳を賛ふ。其の一に曰ふ『日は光を重んず』、其の二に曰ふ『月は輪を重んず』」。
○玄穹 おおぞら。天地をいう。
○再造 再建。
【訳】
渭水のほとり胡馬はなき、秦山兵は憂い泣く。
関原騎馬兵馳せまわり、家々戦火につつまるる。
天子は蜀に落ち延びて、太子は乱に立ち向かう。
破竹の勢い兵率い、仙人なぞに憧れず。
天子の威厳とりもどし、荒れた国土を復興す。





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Last updated  December 3, 2006 03:16:07 PM
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