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ここからは『劉随州集』外集
酬劉員外月下見寄 章八元 夜涼河漢白、卷箔出南軒。 過月鴻爭遠、辭枝葉暗翻。 獨(一作高)謠聞麗曲、緩歩接清言。 宣室思前席、行看拜主恩。 【韻字】軒・翻・言・恩(平声、元韻)。 【訓読文】 劉員外の月下に寄せらるるに酬ゆ。 章八元 夜涼しくして河漢白く、卷箔南軒を出でたり。 月を過ぐる鴻は遠きを争ひ、枝を辞する葉は暗に翻へる。 独り(一に「高」に作る)謡麗曲を聞き、歩を緩めて清言に接す。 宣室前席を思ひ、行ゆく看ん主の恩を拝するを。 【注】 ○劉員外 劉長卿。 ○河漢 あまのがわ。 ○箔 竹のすだれ。 ○鴻 大型の雁。 ○麗曲 美しい楽曲。 ○緩歩 ゆっくり歩く。 ○独謡 ひとりで節をつけて歌う。 ○清言 高尚な言葉。 ○宣室 古代の宮殿の名。転じて天子の居る宮殿。 ○前席 もと地面に席を置いて坐る。転じて、席を前に進める。 ○主恩 君主のご恩。天子の恩。 【訳】 劉長卿が月下に寄せられた詩に答えた詩。 夜の涼しき空には白き天の川くして河漢白く、竹のすだれを巻き上げて南の窓より身のりだす。 大きなガンは月の前よこぎりながら遠くゆき、枝を離れて落ちる葉は暗がりのなかひるがえる。 美しき曲聞きながら独り節つけ歌うたい、あゆみを留めて高尚な話に耳を傾ける。 いつかは都の宮殿で天子のそばに座を占めて、君は親しく主の恩を拝することも遠からじ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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