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趣味の漢詩と日本文学

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September 11, 2008
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カテゴリ:漢詩・漢文
 《恩敕重推使牒追赴蘇州、次前溪館作》
漸入雲峰裏、愁看驛路閑。
亂鴉投落日、疲馬向空山。
且喜憐非罪、何心戀末班。
天南一萬里、誰料得生還。
【韻】閑・山・班・還(平声、刪韻)。
【訓読文】
《恩敕にて重ねて使牒を推し追つて蘇州に赴き、前渓館に次(やど)りて作る》
漸く入る雲峰の裏、愁ひて看る駅路の閑なるを。
乱鴉は落日に投じ、疲馬は空山に向かふ。
且らく喜ぶ罪に非ざるを憐れぶを、何なる心もつてか末班を恋ふる。
天南一万里、誰か料りき生還するを得んと。
【注】
○恩敕 天子の命令。
○使牒 使者のもたらす文書。
○前渓館 湖州武康県の西の宿場の旅館。
○末班 低い官位。
【訳】
《天子のご恩により再び文書を推しいただき蘇州に戻る途中、前渓館に宿泊した折の作》
漸く雲の峰にいり、はるかな旅路を愁い見る。
カラス夕陽に乱れ飛び、馬はトボトボ山めざす。
ひとまずよろこぶ我が身には罪無きことをしらるるを、なぜにいまさら末端の低い地位をば望もうや。
都の南一万里離れた土地に流されて、生きて還るを得ようとは誰が想像したろうか。





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Last updated  September 11, 2008 07:32:14 PM
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