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カテゴリ:漢詩・漢文
《恩敕重推使牒追赴蘇州、次前溪館作》
漸入雲峰裏、愁看驛路閑。 亂鴉投落日、疲馬向空山。 且喜憐非罪、何心戀末班。 天南一萬里、誰料得生還。 【韻】閑・山・班・還(平声、刪韻)。 【訓読文】 《恩敕にて重ねて使牒を推し追つて蘇州に赴き、前渓館に次(やど)りて作る》 漸く入る雲峰の裏、愁ひて看る駅路の閑なるを。 乱鴉は落日に投じ、疲馬は空山に向かふ。 且らく喜ぶ罪に非ざるを憐れぶを、何なる心もつてか末班を恋ふる。 天南一万里、誰か料りき生還するを得んと。 【注】 ○恩敕 天子の命令。 ○使牒 使者のもたらす文書。 ○前渓館 湖州武康県の西の宿場の旅館。 ○末班 低い官位。 【訳】 《天子のご恩により再び文書を推しいただき蘇州に戻る途中、前渓館に宿泊した折の作》 漸く雲の峰にいり、はるかな旅路を愁い見る。 カラス夕陽に乱れ飛び、馬はトボトボ山めざす。 ひとまずよろこぶ我が身には罪無きことをしらるるを、なぜにいまさら末端の低い地位をば望もうや。 都の南一万里離れた土地に流されて、生きて還るを得ようとは誰が想像したろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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