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日本共産党が理論的基礎とする科学的社会主義の創始者、マルクスやエンゲルスの書いた本を正月に読む、第一線を退いた先輩がいます。この先輩が読むのはエンゲルスの『反デューリング論』とのこと。なんとすごい人がいるのだろう、と思っていました(この本は、昨年3月に読んで、いたく感動しました)。
さて、先輩に続き、私は何を読もうか…。 選んだ本は、『ドイツ・イデオロギー』。 理由は、私がいつも手帳の中にしのばせている文書の中にあります。 私がはじめて「赤旗まつり」に行ったのは1992年11月のこと。そのあいさつで、宮本顕治氏が「組織と人間について」触れた部分があります。以下、少し引用します。 ―「つぎに、私は人間の問題にふれたいと思います。 ここで人間の問題というのは、社会発展の活動、大衆組織や党活動のなかでの人間のことであります。 (中略) 組織と人間という観点でみますと、正しい方針を実践する努力のなかでこそ、正しい人間関係は結ばれ発展するものであります。 今日、組織の正しい方針とは、社会の進歩、平和を促進する方針であります。それは、具体的には民主主義と民族自決権の尊重であります。長期的にはいつまでも現在あるような搾取制度を許さないという展望であります。 (中略) 70年前に、社会的差別と圧迫に負けないで、自分の1回きりの人生を人類の進歩とかさねたいというねがいのもとに、逆鏡にあっても、その豊かな人間としての個性をまもり、生きぬいた人びとの集団が生まれました。親思いの市川正一、小林多喜二もその一人でした。歌人の土屋文明氏が『新しき光の中に置きて思はむ』と歌った、伊藤千代子―若くして世を去った彼女もその一人であります。彼らは、人間関係で誠実であること、社会科学の信念をまもり苦難に抗して屈服しない、変節しないことを当然としたのであります。(中略) 人間の発展についての探求は、いまに始まったことではありません。実に150年前、そのころから科学的社会主義の創設者たちが、人間の革新的変化に信頼をよせ、それは実践的活動のなかでのみ可能である、としたのであります。そうしてこそ、社会を新しくつくる力量を身につけられるようになることに注目したのであります。それは、マルクス、エンゲルスが当時書いた『ドイツ・イデオロギー』のなかにもあります。 そういう点で、私たちが、この問題で人間的にも一番できている党といわれるようになりたいと、私は考えております。それはけっして歴史的にも早すぎることではないのであります。(後略)」 ここでいう『ドイツ・イデオロギー』のなかの文書は、どこのことを言うのか、ぜひ探してみたい、という思いからでした。 読むには少し難解な本なのですが、なんとか通読。 ありました(多分ここだと思うのですが…)。14年間探していたものが見つかったのです。 といっても、年末に該当する部分は見つけていたのですが、通読するとなお、その意味も味わい深くなりました。また引用しましょう。 ―「この共産主義的意識を大規模に生みだすためにも、事そのものをやりとげるためにも、人間たちの大規模な変化が必要であるが、この変化は、実践的運動、革命的運動のなかだけで起こりうる。したがって、革命が必要なのは、支配階級が他のどんなやり方でも打倒されえないからだけではなくて、打倒する階級が、革命のなかでだけ、すべての古い汚れをとりさり、そして社会をあらたにきずく能力をもつようになるところにまで、達しうるからでもある。」 他にも読んだ本があります。 ・「世界、日本、そして憲法―私たちはどんな時代に生き、学ぶのか」(不破哲三、山田敬男/学習の友社) …世界の変化が生き生きと描かれているともに、「仲間を組織するうえで大事な考え方」として、「『納得』と『共感』にもとづく組織と運動」、「自立と連帯の関係」を挙げているところが、私の思いにぴったり。「自立と連帯」のなかで、人間的自立は「人生における自己選択能力だ」と指摘しているところが胸に突き刺さります。 ・「資本論を鳥瞰する」(一粒の麦社) …『資本論』を通読していない私は、なんとかこの本の中心点をつかみたい、とずっと思っていました。12月から始まり私も参加している「資本論学習会」で、参考テキストとなっている本。あらたな発見が随所にあり、「鳥瞰」というタイトルにぴったりの本。 自分の普段の生活を自己点検し、意見に謙虚に耳を傾け、そして貪欲に学び、新しい社会をつくる力量を身につけ、豊かな個性を花開かせていきたいと思います。 日本共産党は、人間的に魅力ある党だ、と思っていただけるように…私もがんばります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月16日 16時18分27秒
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