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カテゴリ:電験_二次_電力
問1 河川の流域面積が270(km^2)、年間降水量が1600(mm)、流出係数が0.7の河川がある。この河川に最大使用水量が年間平均流量の2倍の自流式発電所を設置するとき、次の問に答えよ。 ただし、取水口標高を380(m)、放水口標高を220(m)、損失落差を総落差の5(%)、水車効率を88%、発電機効率を97%とする。 (1)この河川の年間平均流量(m^3/s)を求めよ。 (2)発電所の最大出力(kW)を求めよ。 【解答】 (1) 河川の年間平均水量Q(m^3/s)は、次式で求められる。 Q=A×10^6×B×10^-3×C/(365日×24時間×3600秒) (m^3/s) ここで、 A:流域面積 B:年間降雨量 C:流出係数 これに、与えられた数値を代入すると…、 Q=(270×1600×0.7×10^3)/(365×24×3600) =9.589≒9.6 (m^3/s) (2) 発電所の最大出力Pmax(kW)は、次式で求められる。 Pmax=9.8Qmax・H・ηW・ηG (kW) Qmax:最大使用水量 H:有効落差 ηW:水車効率 0.88 ηG:発電機効率 0.97 最大使用水量Qmaxは、題意より年間平均流量の2倍なので、(1)の2倍。 有効落差Hは、損失落差を考慮して、 H=(380-220)(1-0.05)=152(m) よって、最大出力Pmaxは、 Pmax=9.8・9.589・2・152・0.88・0.97 =24413.2≒24400(kW) 問2 大容量変圧器の輸送、現地据付作業における品質確保に必要な管理項目について、絶縁物の吸湿防止、異物混入防止、過大な衝撃防止等の観点から5項目以上挙げ、その内容を説明せよ。 【解答】 (1)機器輸送時 1.変圧器輸送時の速度・加速度管理 変圧器ブッシング保護などの観点から、輸送車両にはあらかじめタコグラフを取り付けて、製造者工場から据付箇所までの輸送時における速度や加速度が、管理値以内であったことを確認する。 2.変圧器本体の損傷等に対する管理 本体の変形・発錆・損傷の有無、封入圧力(ガス絶縁変圧器などのガス封入箇所および乾燥空気封入箇所)の確認を行う。 (2)据付作業準備時の環境管理 1.気象の管理(絶縁物の吸湿防止) 天候により作業実施の有無を判断し、必要により作業を中止または中断する。また、湿度および風速が管理値以下であることを確認する。 2.じんあい管理 粉じん計を設け、じんあいが管理値以下であることを確認する。 (3)本体据付時の管理 1.変圧器据付時の本体・ブッシング等の損傷防止管理 大型重機の使用時におけるブーム角度と荷重の確認から作業者の工具落下防止に至るまで厳重管理する。 2.異物混入管理 分割輸送した変圧器の現地組立では、その接続において異物混入が懸念されるため、場合によっては、防じん室や防塵カバーを設ける。 ・変圧器本体内で作業を行う作業員は、非導電性の作業服、靴、帽子を着用し、作業前には真空掃除機などで衣服に付着したじんあいを除去する。 ・変圧器内部を清掃し、残留異物・絶縁物の破損・部品のゆるみおよび脱落がない事を確認する。 ・部品員数、工具数を作業前後で確認し、取り付け忘れ、置き忘れなどを防止する。 ・トルクレンチを使用し、材料やボルト寸法に応じた締め付け済みボルトのトルク値を管理する。 (4)ガス絶縁変圧器本体へのSF6ガス処理作業時の管理(絶縁物の吸湿防止) ・吸着剤封入作業時は、気象条件を配慮するとともに、長期間大気にさらさない。 ・SF6ガス封入作業時は、潤滑油やじんあいなどの不純物混入を防止するとともに、SF6ガスが液体のまま充てんされないよう配慮する。 ・封入後に、ガス圧が定格値であることを確認する。 ・SF6ガスの水分測定を行い、管理値以内であることを確認する。管理値は分解ガスを発生する部位と発生しない部位によって異なるので注意する。 (5)油入変圧器本体の乾燥と絶縁油の注入管理(絶縁物の吸湿防止) ・変圧器を分解輸送して現場で組み立てた場合は、再乾燥の必要がある。また、現場乾燥する場合は、常時監視を怠らず火災事故の防止に注意しながら、温度と絶縁抵抗の記録をとる。 ・絶縁油のろ過、真空脱気注油を行い、絶縁油の水分、ガス分析を行い、管理値以内であることを確認する。 以上、です。補足はこちら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/09/28 04:48:04 PM
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