カテゴリ:新しい本
ご存知塩野講談もついに最終回を迎えました。塩野講談とふざけて呼んでおりますが巻頭から実に分かりやすい。今回はローマにキリスト教を定着させたコンスタンティウス帝から背教者ユリアヌス帝を経て息子が東西ローマを始めたテオドシウス帝まで。東西ローマとローマは違うものであると断定されています。実にローマは1200年も続いたのである。徳川さんは300年ですよ。 この巻でもっとも力点が置かれているのはユリアヌス帝でありましょう。20歳までいつ殺されても不思議ではない境涯を何とか生き延び、それからは沈み行く夕日をたった一人で支えようとするように無理な努力を重ねるが、最後は味方のサボタージュについに敢え無い最後をとげる。死後も背教者とそしられる。キリストの勝利とはなんと皮肉な手前勝手なものでありましょうか。 その点で日本の歴史と西洋の歴史は違うなと感じさせる一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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