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「しろ」のディズニーシーに行った日だけ日記

「しろ」のディズニーシーに行った日だけ日記

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May 4, 2017
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        20170504_2050ワンスアポンアタイム4

(・・その3から続く)

ディズニーシーで過ごしている時とディズニーランドで過ごしている時とでは、私の場合 どうやら脳の中で活発に働く部分が違ってくるみたいです。
と言いますか、 ディズニーシーにいる時とディズニーランドにいる時とでは、自分の中での「パークに対する姿勢(考え方、行動の仕方、距離の取り方など)」を切り替えないと、快適に楽しむことができないように私は感じてしまいます。
(あくまでも私の場合は のお話ですよ~)


ディズニーシーではどんなに混雑している時でも ふと視線を脇に逃せばそこには人の姿の無い広い水辺があります。
メディテレーニアンハーバーやハドソンリバーの岸辺に佇めば、アラビアンコーストやマーメイドラグーンの人波に揉まれてもそこにある水域を見遣れば、視界から他者の気配は瞬時に消えて 私は自分の世界に没入し自分自身を保つことができるようになるのです。
(それは、景勝地に出かけた時の この景色眺めてると不思議とほっとするぅ~ っていうあの感じに似てもいます。)

そして、自分自身を保つことができると、人は誰でも心に余裕ができて他者にも寛容になれるものですよね。


でも現在のディズニーランドでは、ディズニーシーにいる時と同じような 他者の気配を視界から消せる場所とタイミングを得るのはなかなか難しいようです。
もちろん、物理的に他者の気配を感じない 自分の世界に没入できそうな場所もいくつか思いつかないわけではありませんが、今日のように酷く混雑している日はそんなところにだって人の姿は結構あるでしょうし、何か目的(パレードとかアトラクションとか)があっての来園なら 時間的な制約もあってなおさら求めるのは難しいでしょう。


最近のディズニーランドの営業時間中の人口密度は 一年を通じてディズニーシーのそれとは比べ物にならないほど高くなっていると聞きます。

このようなものすごく人の多い場所に身を置く時 自分自身をうまく保ってストレスなく過ごすには、繁華街の雑踏や電車の中にいる時と同じように 「すぐ近くになんか誰かいるけど関係ない、無視無視、ここでは自分のことだけ考えよう」と意識して心理的パーソナルスペースを守るしか やはり方法はないのでしょうかね~


たった数時間ですがディズニーランドの園内にいて、ここに集う人たち(遊びに来ている人も働く人も)の表情からなんとなく余裕の無さを私は感じてしまっていたのですが、ここにいる人達が一瞬でもそんな表情を見せてしまうのは 長い年月を経るうちにいつのまにかこの場所に流れるようになってしまった  自分を守るだけで精いっぱい  というちょっとキリキリした空気のせいかもしれません。

―― ディズニーシーやミラコスタに流れている、まるで時が止まってしまったかのようなゆったりとした空気に慣れてしまっている者がここでのキリキリ感を受容するためには、きっと「よし!周囲の状況なんて気にせずに自分が楽しむことだけに徹するぞ!」というもっと確固とした覚悟が必要だったんだな~ ――
 
「ここは2017年の東京ディズニーランド、私達のよく知っている過去のディズニーランドともディズニーシーとも違うまったく別の場所」と、私はきょうの午後ディズニーランドに足を踏み入れた時からことあるごとに自分に言い聞かせて この場所に対応して気持ちよく過ごせるように努力してきたつもりでしたが、実はまだまだ「パークに対する姿勢」の切り替え方が甘かったみたいです。



・・・なーんてね。
こんなヒジョーにつまらなーーいことを つらつらと考えてしまったのは、シンデレラ城前広場(キャッスル・フォアコート)で大勢の ほんとーに大勢の見知らぬ人に囲まれながら、たったひとりで一時間近くをも過ごしたからでしょう。

19:10頃に一緒にこの場所に落ち着いた夫は、軽食の買い出しに行ったきり30分経っても40分経っても戻ってきません。
どうやら19:30にスタートした「東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ」の園内通過に伴うシンデレラ城周辺の通行規制にひっかかり、この広場の中へと簡単には戻って来られないようでした。

なので私達は久しぶりのエレクトリカルパレードを、夫はレストラン前のパレードルート沿いでテイクアウトの箱を抱えて立ったまま、私はシンデレラ城前の立ち見鑑賞エリアで座り込んで と、それぞれ別の場所から観ることとなったのでした。
(でも夫も私も状況は違えどパレードそのものはとってもよく見えたので、これはこれで良かったと思います。)

私ひとりが残って待っていたシンデレラ城前広場の立ち見エリアでは、20:00前にはキャストさんから立ち上がるようにとの指示があり、夫がようやく戻ってきたのはそれからしばらくたってからの20:10頃のことでした。


そして20:50。
あたりが暗くなると同時にエリアのBGMのボリュームが唐突に小さくなったと思うと 目の前のシンデレラ城壁面にはティンカーベルが現れて「ワンス・アポン・ア・タイム」は始まりました。

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妖精の粉が降り注ぐとシンデレラ城はあっという間に本を積み重ねた塔に姿を変えていき、物語の案内役であるポット夫人とチップの親子が登場して 大きな本のページをめくるようによく識る物語の名シーンが次々と壁面に映し出されていきました。

いつの日も お話の始めは 「むかーし昔、あるところに(Once upon a time)」。

不思議の国のアリス、塔の上のラプンツェル、シンデレラ、ピーターパン、白雪姫。
シンデレラ城は時に、大騒ぎのトランプのカードの塔になったり ネズミたちが縫い上げるドレスになったり ロンドンの街を見下ろす時計台「ビッグ・ベン」になったり・・・

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ある時はシンデレラと王子様がダンスする本物の「シンデレラ城」になったりもします。

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「くまのプーさん」のアニメーションでおなじみのこんな場面も映し出されました。

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ゴシック様式を彷彿とさせる凹凸の多い壁面を持つシンデレラ城には、境界のはっきりした模様やステンドグラス調表現の投影はしっくりきますね~

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「むかーし昔、あるところに」で始まった物語はやがて お決まりの「そしていつまでも幸せに暮らしました」で幕を閉じます。

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プロジェクションマッピングの他にも、炎、花火、サーチライト、レーザーと、ありとあらゆる演出手法を駆使して作られている「ワンス・アポン・ア・タイム」。

このショーの魅力は、写真や文字だけで簡単に描写できるものではありませんし、巷に溢れる動画を流し見てそれでよしとできるようなものでは決してありませんでした。
ショーの上演が終了してしまう前に、現地で 自分の目で 観られて良かったと私は心からそう思いました。


そして同時に、東京ディズニーランドのパークが 舞浜というこの町が もともと物語から生まれた場所であるということをあらためて強く認識させるこのショーの上演が、どうしてこんなにも短い期間で(たった三年半で)終わってしまうのか・・ と 私は少し残念にも思いましたよ。




「ワンス・アポン・ア・タイム」終了のアナウンスが流れた後、私達は真夏の花火大会の後のようにごった返すキャッスルフォアコートを離れ トゥモローランド「スターツアーズ」へと向かいました。

アトラクション入り口にたどり着くと、この時間(21:20くらい)のスタンバイは「20分」と表示されていました。
FPエントランスから入場しても乗り場までは15分弱くらいでしたから、これくらい遅い時間に乗るならFP取得の必要もないかもしれませんね~


スターツアーズから出ると、時刻は21:45。
あと15分で閉園時刻を迎えるというのに、驚いたことに周辺のアトラクションはスターツアーズを含めどこもまだまだスタンバイでの入場を受け入れていました。

「もう一個くらい行けそうだよ。どこか行く?」
と夫は言いましたが、ここでトゥモローランドの賑やかなアトラクションに続けて乗ってしまっては、さきほど「ワンス・アポン・ア・タイム」を鑑賞して生まれた様々な心の動きの記憶が薄まってしまいそうだったので、私達はこのままワールドバザールへと向かい今日の記念品のお買い物でもすることにしました。


ところが。
閉園時刻迫るショップに入店した頃から、どうしたことだか私は急激に気分が悪くなってきてしまったのです。


これは買い物どころではない、どこかで休まないと、と 私達は腰をおろせる場所を探してワールドバザールのカフェ「リフレッシュメント・コーナー」へ。
お店の前のテーブルで少しずつ飲み物をいただいて深呼吸して、「最悪」な調子からは脱することができましたが、なかなかひとりでスタスタと歩けるまでには回復してくれません。

おかしいなあ・・ わたし アトラクション酔いするタイプじゃないし。
昨夜は早く寝たし、今日は一日楽しかったし、体力的に無理もしてないし。
何かあたるような悪いものだって食べてないのに。

と、夫がニヤリと笑って言いました。

―― 東京ディズニーランドの「毒」にでもあたったんじゃないのー?


・・はあ~? 何ですかディズニーランドの「毒」って? 

夫お得意の冗談だということはじゅうぶん理解できましたが、気分の悪さがなかなか退かない私は笑う元気もありませんでした。


・・・でもね。
「毒」は言い過ぎだけれど、この場所に溢れている「自分の欲望に忠実であろうとする純粋な熱意の塊」みたいなものには、ひょっとしたら私 真っ向から果敢にぶつかって行って完全にノックアウトされちゃったかもしれない。

「誰よりも楽しみたい、幸せになりたい」という熱い思いは あまりに濃密に強烈になり過ぎると場合によっては毒素みたいな副産物を生んだりもするからね~

ディズニーランドに来たらディズニーランドの流儀に沿うように自分の「パークに対する姿勢」を切り替えねば! って私はわけも無く焦っていたけれど、本当はそんなこと気にせずに ディズニーシーにいる時の私のままで ここで過ごせば良かったんだよ。


もしもまた次回ディズニーランドに来るチャンスがあったらその時は、たくさんの熱い思いと闘わなくても良い時期や状況を選んで(つまりはもっと人の少ないタイミングを選んで)、こなさなければならない予定に急かされることなく(バケーションパッケージとか利用することなく)、自分らしくのんびりと(この場所の雰囲気に無理に自分を合わせずに)過ごせるようにしなくちゃダメだなー と、そんなふうに反省しながら私は 今日の営業を終えようとしている東京ディズニーランドをしばらくぼーっと眺めていました。

20170504_2205ランド



ディズニーランドを出てリゾートラインに乗り込み、ホテルミラコスタになんとかたどり着いたのは22:30頃でした。

もう少し回復しないと安心して帰れないね~ と夫が言うので、私はロビーのソファーに沈み込んで天井を仰ぎ 体を伸ばしてもう一度深い呼吸を何回か繰り返してみました。


すると、あれあれー? 
不思議なことに、ゆっくりとですが 気分の悪さが退いていくのです。
それは単に、慣れ親しんだよく知る場所に戻って来たという安心感のせい、つまりは気のせいかもしれませんけれど。


―― ほーら だから言ったでしょ。やっぱりディズニーランドの「毒」にあたったんだよ!

再度繰り出された夫の冗談に、私は今度は声を出して笑うことができました。


20170504_2237ミラコスタ天井



ホテル駐車場から正面玄関車寄せに回した車に荷物を積み込んでくださり、「お気をつけて」と送り出してくださったのは、いかにもこの地のホテルマンらしい 礼儀正しくも無邪気な笑顔をたたえたドアサービスキャストさんでした。

小さく手を振り続けるその姿がバックミラーから消え、私達の車がリゾート内の周回道路に入ったのは パークの正式閉園時刻からまもなく一時間が経とうとする22:50頃のことでした。


毎年同じ結婚記念日前後の時期に 同じように繰り返される私達のホテルミラコスタ宿泊。
今年はいちばん最後にディズニーランドを訪れたために、今までとはちょっと違った二日間となったように思います。
いつものように「自分たちのこれまで」を振り返りもしましたが、大混雑の中で図らずも 34年前に物語から誕生したこの地の「これまで」と「今」に あらためて思いを巡らせることにもなりました。



23:00近くなっても車の多いリゾート内道路から舞浜入口を経て首都高速道路にふわりと上ると、左手に広がるふたつのパークはまだ照明を点したまま 多数の窓を抱えたリゾートホテル群とともに美しい夜景を作り出していました。

日本中の 世界中のあらゆるところから、この東京ディズニーリゾートにやってくる本当に多くの人たち。
リゾートでの楽しい一日が終わろうとするちょうど今頃、そのひとりひとりが目を閉じて見る夢の中では 今日のできごとが素敵な物語へと生まれ変わろうとしていることでしょう。

物語から誕生したこの地でのさまざまな思い出が、時を経ればまた ひとりひとりの心の中で大切な 唯一無二の物語になっていく。
それは この場所がここにある限り、永遠に続いていく営みなのかもしれませんね。



そして わたしも。
いつか誰かから 或いは未来の自分から「おとぎ話をしてよ」とせがまれることがあったなら。

むかーし昔あるところに と 微笑んでお話ができる じょうずな語り手になれるように。

この地で目にしたものや耳にしたことば 交わした会話 感じたことを、これからも綴り続けていきたいと思っています。






(おわり)

20170504_2244ミラコスタ正面




◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ 
 
文中に登場する、ディズニーリゾート内の固有名詞(ホテル・レストラン・ショップ・場所などの呼び名)については「東京ディズニーリゾート」の公式サイトをあわせてご覧いただくと、いくらかイメージしやすいか、と思います。

利用なさってみてください。

◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇





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Last updated  June 13, 2017 08:29:53 AM
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