カテゴリ:【ホテルミラコスタ 宿泊】
(…その1から続く) ディズニーシーのパーク内でハーバーグリーティングが終了する頃。 サービスホットラインに電話して荷物を部屋に置いたまま出発することを伝え、テレビ画面でエクスプレスチェックアウトの手続きをしてから 私達は部屋を出ました。 一晩を過ごした 広くて快適なお部屋ともこれでお別れです。 でも、さて。 きょうはパークに入園するつもりはないし、このあとはベッラヴィスタ・ラウンジでお昼を食べることくらいしか予定が無いんだけれど その予約時刻までだってずいぶん時間があるし... 結局、行き処を失った私達はこんな時間(11:45頃)からサローネ・デッラミーコにお邪魔することとなりました。 サローネに入って一番手前の窓は私達が宿泊していた部屋のベッドルームの真上にあたるので、望むことができる景色はおそらく角度的には同じだと思いますが、高度が上がるのでこちらからの方が水平線をよく見ることができます。 ここから望む水平線も、空も、ずーっとずーっと遠くまでつながっているんだよなあ。 この海の続く先 はるか向こうに暮らしている人たちは今、何を考えどんな生活を送っているのだろうか。 きらきら輝く 穏やかにもみえる大海原を見つめて、日本中の 世界中の人々と共有している「今」という時間に 私は想いを馳せずにはいられなかったです。 それはほんの一瞬にすぎなかったのだけれど。 それからしばらく、中央の大きな窓のそばのテーブルで私達はお茶をいただきました。 意外なことに、この時間のサローネには私達が席に着いたあと次々と何組もゲストがいらっしゃいました。 (何連泊もしていらっしゃる方々なのかもしれません。) 以前のようにパークがフル営業している時だったら皆さん遊ぶのに忙しくて、日中のこんな時間にサローネでのんびり過ごしているグループやご家族連れなどは少なかったかもしれませんが、このところの社会状況の変化もあってホテル滞在そのものを楽しむ方がさらに増えているのかもしれないなー と ちょっと思いました。 昼食まで時間の余裕があるからリゾートラインに乗ってみよう、とかイクスピアリかボンヴォヤージュにでも行こうか、とか。 よくありがちなプランしか考え付かないまま時は過ぎていき、気が付けばその「時間の余裕」はいつのまにか一時間ほどにまで減っていました。 チェックアウトを済ませた身としてはあまり長居をするわけにもいかず、私達は昼食までミラコスタ~ディズニーシーエントランス周辺を軽くお散歩しようと決め、このあたりでサローネをあとにすることにしました。 エレベーターで2階まで下りて、ホテルの正面玄関を出て、まず向かった先はディズニーシーのパークエントランス・ノースにあるピクニックエリア。 この時期は新緑がとても美しい場所です。 例年のゴールデンウィーク中のこの時間帯ならば、ピクニックエリアはその本来の使用目的どおり お弁当を広げるご家族連れなどで賑わっているはずですが、きょうはひと気もなくて大変静かでした。 木陰のパラソル下の椅子に座っておしゃべりしていたら、夫が 「反対側のサウスにもピクニックエリアあるよね?行ったことあったっけ?」 と言い出したので、 あるよ!行ったことあるよ! と 私はリゾートラインのディズニーシーステーション構内を通り抜けてエントランス・サウス方面へ夫を引っ張っていきました。 サウス側のピクニックエリアはノース側に比べるとやや狭く、大型車駐車場とパークエントランス・サウスのゲートに挟まれるようにしてひっそり存在しています。 ノース側と同じようにテーブルや椅子もありますが、木立があまりなくてオープンな印象です。 そしてこちらには、「フォトテラス」と呼ばれる集合写真撮影のための場所も用意されています。 集合写真の背景となる壁には羅針盤(コンパス)にパークロゴがあしらわれたデザインの東京ディズニーシーのマークも描かれています。 ――冒険とイマジネーションの「海」を、ひとりひとりがその心の中に持つ羅針盤に導かれて時空を超えて旅をする …というのは、パーク開園当初によく耳にしたディズニーシーのテーマですが、ダッフィー&フレンズやピクサーの仲間たちの活躍や大型アトラクションの新設が際立つ最近では、この大前提はやや神通力が失せたようにも感じられます。 それでも、こうして建物の一画などにちゃんと「羅針盤」があることで、ディズニーシーが元々どんな場所なのかを私達ゲストは忘れずにいられるのかもしれません。 思えば、(頻繁に訪れる皆さんはよくご存じだとは思いますが)ホテルミラコスタのあのロビーの床だって実は大きな羅針盤になっているのです。 またミラコスタでは数年前に内装をリニューアルした際には客室フロアの廊下の床のあちこちにもこの羅針盤は姿を現しました。 東京ディズニーシーとホテルミラコスタにとって欠かせないもののひとつが、この「羅針盤」であることは、誰もが認めることだと思います。 ほとんど人と出会うことなくパークエントランス周辺を歩き回っているうちに 昼食を予約していた時刻が近づいてきたので、私達はお散歩を切り上げてホテルミラコスタに向かうことにしました。 ベッラヴィスタラウンジの店頭に伺ったのは13:30過ぎ頃。 すぐに窓辺の席に案内していただくことができました。 注文したのは、”メディテレーニアン・ヴォヤッジ“のランチコース。 ここベッラヴィスタ・ラウンジの今期のテーマは「南イタリア」です。 スマートフォンでメニューを開き ちょっと内容を見たところ、パーク内の「マゼランズ」と同じようにこちらのお店のコースもワインと共にいただくことを考えて組み立てられているようで、特に今期は通常はボトルのみの提供のスパークリングワイン、フランチャコルタ「ベッラヴィスタ」をグラスでも提供する計画になっていたようです。 社会全体のためには仕方のないことですが、アルコール販売停止期間にあたってしまったのが(重ね重ね)非常に残念です。 では簡単にお料理の記録を。 前菜。 左側の四角いのは炙ったビンチョウマグロをハーブオイルと柑橘系のソースでマリネしたもの。 右側はオマールとアスパラのサラダ仕立て。 もうね、 なぜスパークリングワインがいただけないのか?! と心の中で叫びたくなるような一皿でしたよ。 (夫は「拷問だ」と笑っていました。) キャストさんとも、夫婦ふたりして「ここで ベッラヴィスタいきたいよね~~」と盛り上がってしまいました。 二皿目は今回はパスタではなく、「パスタと魚」でした。 パスタはカリフラワーとあらごしトマトのフジッリ、お魚はタイのインパデッラに南イタリアの郷土料理「蛸とジャガイモの白ワイン煮込み」が添えてありました。 こういった盛り合わせはベッラヴィスタラウンジでは過去あまりなかったかもしれません。 付け合わせのアーティチョークのから揚げが美味しかったです。 (個人的に、野菜をから揚げにしたものが好きなんです。) お肉は牛肉のロースト「ピッツア職人風」。 柔らかく美味しいローストでしたが、なぜに「ピッツア職人風」?? 焼きチーズや古代小麦のラグーやトマトペーストが添えてあるということで、いかにもピッツア職人さんが自分用に作って食べそう(賄いとか?) ということかもしれませんねー デザートは、南イタリアと言えば「レモン」ということで、レモンクリームケーキにソルベとフルーツ。 レモンの輪切りのように見えるのはチョコレートにプリントしてあるもので本物のレモンではありませんが、個人的に酸っぱいのが好きなので私は本物のレモンでも良かったかなーと思いましたよ~ コーヒーを持ってきてくださったキャストさんに デザートのお味はいかがですか? と聞かれた夫が「昨日のマゼランズの勝ち」とはっきり(冗談で?)答えてしまい、それに対してキャストさんが素直に悔しがっていらっしゃった様子がとてもディズニーホテルのホテルマンさんらしくて ちょっとおかしかったです。 (私はこちらのデザートの方がさっぱりしていて好きでしたけれどね!) お食事の途中14:20頃にはミッキー&フレンズのハーバーグリーティングの様子も見ることができました。 ほんの7~8分ほどのさりげないグリーティングですが、周囲のテーブルにいらした小さなお子さんたちはお食事もそっちのけでもう「くぎ付け」でした。 ですがそれもまた、休日のディズニーホテルのレストランらしい なんともいえず良い光景でした。 ベッラヴィスタ・ラウンジを出たのは15:30頃でした。 そしてベルデスクに荷物を玄関に用意していただけるよう声をかけ、駐車場から車を回してきて荷物をトランクに積み込んで、まだ明るい中 ドアサービスキャストさんに見送られて私達はホテルミラコスタをあとにしました。 16:00少し前のことでした。 潮風吹くこの街を何十年も訪れていて、ある日ふと気がついたことがあります。 それは、 ここへ来るとものごとを深く考える時間と心の余裕が生まれる ということ。 毎日の暮らしの中で途切れることなく取り組まなければならない様々な俗事からいったん切り離されて、ここで働く人たちやここで楽しむ人たちからあふれ出るプラスな感情にいっぱい触れて。 頭上に広がる空を見上げ 高みから遠くに海を眺めると、いつのまにか私は自分自身の心の中を見つめていることに気付くのです。 今までのこと、これからのこと、そして今の私の気持ち。 ほんとうに正しいこと、ほんとうに大切なもの、ほんとうに善い行い、わたしが今するべきことは何だろう。 日常に追われて普段きちんと考える場面もないそんなことをあらためて考える時間をくれる、ここはやはり、私にとっては他に代わりのない場所です。 ――こうやって考えてみると、ディズニーシーやミラコスタって私にとってまるで大きすぎて全貌をとらえることができない羅針盤みたいだ。 足を運び始めて20年が経とうとしている今でも まだディズニーシーとミラコスタの作り出す壮大な仕掛けに引っかかり続けている自分に気付いてくすっと笑い、私は我に返りました。 二年ぶりに東京ディズニーシーとホテルミラコスタで過ごすことのできた 結婚記念日を祝っての二日間。 出会った人や忘れがたいできごとなどを夫とつらつらと話すうち、閑散とした首都高速道路を通り抜けて車は家へと近づいていました。 毎年この時期のパークとホテル滞在を終える度に 来年もまた同じように過ごすことができますように と私は無邪気に小さく祈ってきました。 この先の世の中がどうなるのか 今の時点ではそれは誰にもわかることではないけれど、祈ることは希望の光になり得ると思うから 今回もやっぱり私は祈りたいと思います。 「二日間無事に過ごすことができました。 来年の記念日も ふたりで迎えることができますように。」 (日記おしまい) ホテルミラコスタのロビー床(2016年撮影) ホテルミラコスタ客室フロア廊下(2016年撮影) *ベッラヴィスタ・ラウンジ の “メディテレーニアン・ヴォヤッジ”ランチコース~南イタリア~* ・ビンチョウマグロのマリネ ベルガモットソースとハーブオイル オマール海老とアスパラガスのインサラータ ・本日の魚のインパデッラ グリーンオリーヴサルサ タコとポテトの白ワイン煮込み添え カリフラワーとトマトパッサータのフジッリ ・牛サーロインのアッロースト ピッツァ職人風 スカモルツァ・パデッラータとファッロのラグー ・デリツィア・アル・リモーネとエルダーフラワーソルベ ・コーヒー または 紅茶 ・・・・・・・・2021年4月1日~6月30日 (6000) ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ 文中に登場する、ディズニーリゾート内の固有名詞(ホテル・レストラン・ショップ・場所などの呼び名)については 「東京ディズニーリゾート」の公式サイト をあわせてご覧いただくと、いくらかイメージしやすいか、と思います。 利用なさってみてください。 ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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しろさん、初めまして。
いつもとっても素敵なご夫婦で羨ましく思いながら拝見させて頂いてます。 お二人ともとでも穏やかで仲睦まじい様子がブログの隅々からあふれ出ていおり、今回思い切ってコメントさせていただきました。 私はしろさんご夫婦より かなり年配です。 遠方に住んでおりますが、SEAは大好きで(ミラコも)20年前のオープン時からインしています。 以前は子供達、主人とインしておりましたが、私のパークのハマり具合に皆ついて来れず、ここ数年・年に数回はお1人様インです。 それもコロナでままならなくなり、しろさんのブログで心癒されています。 ミラコスタに泊まり日常から離れ、自分をちょっぴり取り戻しパワーを貰ってまた頑張る・・・私にとってもとても大事な場所・時間です。 これかもブログ楽しみにしています(^_-)-☆ (June 11, 2021 04:16:04 PM)
こんにちは。読んでくださってありがとうございます。
ママりんさんにとってもシーやミラコスタが「ほっとする場所」なのでしょうか。 世の中が急にこんなになってしまって、遠方にお住まいの方々はきっと私よりもうんと寂しい気持ちでいらっしゃるのでは と思うと辛いです。 100%元に戻って とは言わないけれど、せめて誰もが気兼ねなく好きな場所に足を運べるような状況に早くなるといいですよね。 人類の叡智(?)を信じたいものです。 (June 16, 2021 12:54:08 PM) |
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