カテゴリ:【ホテルミラコスタ 宿泊】
(…その2から続く) ベッラヴィスタ・ラウンジでワインは無くとも楽しい昼食を終え、ホテル&パーク・ゲートウェイから再度ディズニーシーに入園したのは15:30頃でした。 (この時間は既に問題なく入園に使うことができましたが、こちらのゲートでも今は厳密な荷物チェックと検温があり さらに検査の順番がやってくるまで前のグループとは間隔を空けて待たなければならないので、入園ゲートから階段の上の踊り場まで検査待ちの列ができていてちょっとびっくりしました。) 東京ディズニーシー、本日の閉園時刻まで残すところあと3時間半。 いよいよ というか、15:30になってようやく、私達は今回の主目的 9月4日のディズニーシー周遊 をスタートするに至りました。 が、周遊の前にまず「視察」が必要と考え(何様でしょうか??)、スチーマーラインで水域を一周してディズニーシーの現在の様子を把握してからパーク歩きを始めることにしました。 カフェ・ポルトフィーノの入り口でメニュー表を眺め、ベッラ・ミンニ…やイル・ポスティーノ…などのショップを覗きながら、スチーマーラインの乗り場まで行き、待ち時間ほぼ無しですぐに案内された船に乗り込んだのは15:45頃。 ああ。 やっぱりディズニーシーにやってきたら、一回は船に乗って水上に出たいものですよねえ~~ (いや既に本日二回目ですけど。) 水上から眺めるアメリカンウォーターフロントの波止場にも 未来の港ポートディスカバリーにも、すぐにわかるような20周年のお祝いのデコレーションを見つけることができなかったので、ここでも夫は「自分で祝う!」と盛んに旗を振っていました。 ロストリバーデルタに到着してからは、お気に入りだったレストラン「ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナ」が現在は完全休業中であることをこの目で確かめ(そして やや落胆し)、メディテレーニアンハーバー行きの船着き場へ向かう長い下り通路を歩いて再び船に乗り込みました。 メディテレーニアンハーバーに戻り着き、今度こそ本当の「ディズニーシー周遊歩き」を始めた時には時刻は16:15になっていました。 基本的に「反時計回りでパーク内を歩こう」と決めていたので、まずはザンビーニブラザーズ・リストランテ店頭で現在取り扱い中のメニュー内容を眺め、空いていることを確認して店内を通り抜け、お店の2階裏手のテラスへ出て「ソアリン」の前へ。 ザンビーニのテラス席はちょっと見たところ使用中止にはなっていないようでしたが、雨が上がったばかりということもあったのでしょうか、この時間は誰もいませんでした。 それから私達は、プロメテウス火山の麓をぐるっと回ってミステリアスアイランドへ。 こちらのエリアでも閉まっているワゴンやレストランが目につき、また土曜日にしては賑わいも少なく感じました。 スーベニアメダルのあるショップ「ノーチラスギフト」を覗いてみましたが、こちらのお店のは20周年デザインでもマンスリーデザインでもなかったので、…そうだった!そうだった!マンスリーメダルは別のお店に移動したんだった!…と思い出して、ミステリアスアイランドを離れてお隣のマーメイドラグーンへと向かいました。 火山を抜けて出たマーメイドラグーンのエリアは、ご家族連れも多くてメディテレーニアンハーバーよりは賑わっており、以前の通常営業だった頃のディズニーシーの雰囲気に近いように思われました。 (それでも通常の土曜日よりも格段に人が少なかったですが。) 屋内施設のトリトンズキングダムに入る前に、私の大好きな小さなアトラクション「スカットルのスクーター」前を通ると「5分待ち」との表示だったので乗り、その後スーベニアメダルマシーンのある「スリーピーホエール・ショップ」を目指しました。 が、ここでひとつ問題が… 「スリーピーホエール・ショップ」に入店するためには本日はスタンバイパスが必要なのです。 スタンバイパスはもちろん、朝のうちにとっくに発行終了していました。 困っちゃったな~ と思いつつ、お店の前にいらしたキャストさんに声をかけると、 「入店してご自分で作成していただくことはできませんが、既に作成済みのメダルでよければひとつ100円でこちらでお売りすることができます」 との嬉しい答えが返ってきましたので ありがたく購入させていただきました。 (こちらのお店で現在扱っているのはマンスリーデザインのメダルと20周年デザインの二種類でした。) また、スタンバイパスは必要ないものの「マーメイドトレジャー」で扱っているカプセルトイが今日は大人気らしく、ずいぶんたくさんの方が並んで順番を待っていらっしゃって、トリトンズキングダムの中は全体的に結構人口密度が高い感じでしたよ。 でも屋内施設にあるアトラクションの待ち時間は土曜日にしては総じて短く、通常営業だった頃の土曜なら確実に30~40分以上は待ったであろう「ブローフィッシュ・バルーンレース」も5分待ち表示でしたので 乗ってしまいました。 楽しかったです。 その後は橋を渡ってアラビアンコーストへ。 ここで時刻は17:00過ぎとなっていました。 ほぼ待ち時間無しで「ジャスミンのフライングカーペット」と「シンドバッド・ストーリーブックヴォヤッジ」を楽しんで、ちょっと休憩しようと思っていつものように「サルタンズ・オアシス」へ行くと… こちらのお店も完全に休業していました。 ロストリバーデルタではアトラクションには行かず、「ロストリバー・アウトフィッター」に立ち寄って20周年デザインのスーベニアメダルを作りました。 さきほどアラビアンコーストで休憩し損なったので「ユカタンベースキャンプ・グリル」でお茶でも飲もうか とも思ったのですが、行ってみると なんとユカタン、この時間(17:30頃)で既に本日の営業を終了していました。 まあ今は閉園時刻が19:00なのですから、奥地のレストランはそろそろ店じまいでもおかしくないタイミングです。 現在のようにパークが変則的な営業をしているときには、どうしても行きたいショップやレストランがある場合はしっかり下調べをしてから出かけないとダメだな~と思いましたよ。 ロストリバーデルタからポートディスカバリーに入ると、エレクトリックレールウェイの駅舎の上にプロメテウス火山が頭をのぞかせていました。 時刻は、日没迫る17:50頃。 私達はここで、前回来た時乗りそびれた「アクアトピア」に行きました。 (もちろん待ち時間はゼロでした。) 最後にアクアトピアに乗ったのはおそらく5年以上は前だと思います。 私はこういったくるくる回るアトラクションは苦手でもないし まあまあ楽しかったのですが、以前と比べると身体感覚が動きの変化についていけていないような気がして、正直「年とるとこういうのも段々ダメになっていくのかなあ…」とふと思いました。 夫の方は「もともと自分が車酔いするタチだっていうことを忘れてた!」そうで、 もう乗らない… と呟いていましたよ。 そのあとは、「アーントペグズ・ヴィレッジショップ」目指してケープコッド方面へ。 このお店にもスーベニアメダルの機械があるのです。 お店の近くまで来て、確かこのお店もきょうはスタンバイパスが必要だったよなあ… と思いつつ入り口のキャストさんに話しかけてみると、こちらでもさきほどの「スリーピーホエール・ショップ」と同じ対応をしていただけるとのことで 20周年デザインのスーベニアメダルを手に入れることができました。 ありがたかったです。 本日の営業を終了していたケープコッド・クックオフの前を通り過ぎ、くねくねした坂を上ってハドソンリバーブリッジに差し掛かると、時刻は18:10。 閉園時刻までいよいよあと一時間を切りました。 この時間になってくると、さすがに皆さん遊び疲れたのか、路上を歩いているゲストは少なくなってきたように思われました。 現在のパークはゲスト数を最少レベルにまで減らしているので、パーク内のアトラクションはどこも非常に短い待ち時間で楽しめてしまいますものね。 アトラクション好きな方々なら 今日は開園からこの時間までにパーク内全ての施設を体験できてしまい、疲れ切ってどこかで休んでいらっしゃる頃かもしれません。 橋を渡り切ってホレイショスクウェアの向こう側に目を遣ると、「タートルトーク」のキャストさんがゲストに向かっていっしょうけんめい何かを呼び掛けていらっしゃるのが見えました。 よくよく耳を澄ますとどうやら 間もなく本日最終回へのご案内が終了します とおっしゃっているようでした。 せっかくだから行ってみようと と 夫と私は少し急いでタートルトークの入口まで行き、そのままロープの通路を通ってSSコロンビア号の中へ進みました。 キャストさんが楽しいお話をしてくださる前室に案内されたのは18:15くらい、本日最後の「クラッシュとの面会」を一緒にすることになったゲストの皆さん(通常時の三分の一くらいの数に見えました)とともに海底展望室に通されたのはそれからすぐでした。 キャストさんの呼びかけでお馴染みの音楽とともに登場したクラッシュのトークは今日も相変わらずキレがよく、小さなお子さんを連れたゲストだけでなく パークでは少し目立たない存在である「大人」の男性にも積極的に話しかけたりして 海底展望室の中は徐々に温かな笑いに包まれていきました。 難しい質問にも如才なく応えてくれて、ご自慢の腹筋も披露してくれて、本日の面会もそろそろ終わりか?と皆が思ったころ。 次に何か聞きたい人! というキャストさんの元気な問いかけに臆さず手を挙げた一人のごく若い女性を クラッシュは指名したようでした。 クラッシュに促されて名前を名乗ったあと、その女性は言いました。 ―― 隣にいる友達が きょう9月4日が二十歳の誕生日なんです あら!ディズニーシーと同じ誕生日、同じ歳じゃないの! 私はそう思って 彼女たちに視線を一瞬だけ向けました。 しかしここはあくまでもSSコロンビア号が停泊している「海」の底。 ウミガメのクラッシュは今日が開園記念日である事どころか「東京ディズニーシー」というテーマパークの存在すら知るはずもなく、そこはさらっと流してスマートに きょう20歳になった彼女にお祝いのメッセージを送り、ハッピーバースデーの歌をプレゼントしていました。 そんな中で私は、さきほど振り返った時ちらっと拝見した カチューシャをしてその年齢らしい装いをした楽し気な様子の彼女たちを思い浮かべ、ひとくちに「ディズニーシー開園から20年」っていうけど 20年って おぎゃーと生まれた赤ちゃんが一人のちゃんとした立派な人間にまで成長しちゃうような長い歳月なんだよなあ… と、あらためて感慨深く思っていました。 「具現化された20年という時間」を前にして。 タートル・トークから出ると、時刻は18:45。 閉園時刻も近づいてきたのでホテルに戻って帰りに向かおうか...と思っていると、通りかかったタワー・オブ・テラーの前でもキャストさんが 間もなくご案内終了です とアナウンス中でした。 待ち時間は「15分」の表示。 普段なら信じられないくらい短い待ち時間ですが、これでも私達がきょう目にした中で最長だと思います。 …こりゃあ仕方ないなあ~ 通りかかったのも何かの巡りあわせだから乗っていくか~ などと言い訳をしつつ 私達は待ち列最後尾につくことにしました。 だって、開園20周年記念日にあたる今日の日の最後の締めくくりが「開園5周年記念日にグランドオープンしたタワー・オブ・テラー」だなんて なんだかちょっとオツじゃあありませんか? さてさてこの時間タワーオブテラーのスタンバイ列はホテルハイタワーの建物をはみ出して中庭まで伸びていたので(グループごとの間隔を空けないといけないのでどうしてもこうなります)、おかげで私達はおそらく15年ぶりに ハイタワー三世の一種悪趣味なコレクションが立ち並ぶ不思議な中庭をじっくり眺めることができて感激(?)しましたよ~ 建物の中に入ってからも、いつもはFPやSPを利用してばかりだったので近くを通ることができなかったホテルのフロントなども立ち止まってじっくり眺めることができたので、なかなか楽しかったです。 ディズニーシーの美しい夜景をパーク内の一番高いポイントから眺め(私にとってタワーオブテラーはこのためのアトラクションです)、無事に生還してホテルハイタワーから出た時、時刻は19:15になっていました。 パークは既に閉園時刻を迎え、私達の「9月4日のディズニーシー周遊」の旅もこれにて終了となりそうです。 トイビル・トロリーパークに突き当たり、ブロードウェイ・ミュージックシアターの前を通り過ぎ、ハーバーへと続く坂を上って、私達はホテルミラコスタへと帰りました。 ホテルに入館し、ベルデスクに立ち寄って 荷物を玄関に回しておいてください とお願いしたのは20:00も近くなった頃でした。 駐車場から車を出して、正面玄関車寄せでキャストさんに手伝っていただいて荷物を積み込み、私達は開園開業20周年記念日のディズニーシーとホテルミラコスタを後にしました。 ちょっとのユーモアといっぱいの笑みと 親しみやすくさりげない礼儀正しさで見送られるホテルミラコスタとの さようなら 。 今日が特別な日であろうとなかろうと変わらぬ 「またお待ちしております いってらっしゃいませ」 の言葉は、いつもと同じように耳に心地よく響いて 私の心の底にゆっくりと沈んでいくようでした。 帰りの車の中で私は、タートルトークで出会った きょう二十歳になったというお嬢さんの姿を何度も思い出していました。 私はよく 東京ディズニーシーのパークのことを擬人化して面白がって、開園記念日がくるたびに毎年「○歳になったディズニーシーちゃーん」なんて気安く呼びかけてしまうけれど、今日は本物の「ディズニーシーちゃん」を見ちゃったなあ。 あたりまえだけど 東京ディズニーシーと同じ生年月日の子っているんだよなあ… と。 私はふと あることに気づきました。 ―― きょう二十歳になったっていうことは 社会が今の状況に陥ったあの2020年の2月3月頃には卒業式を控えた高校三年生だったということか ―― そう。 2001年9月4日に誕生した東京ディズニーシーと同じ 今年20歳になる皆さんは、高校の卒業式どころかその後の上の学校の入学式もすべてが突然中止になってしまった経験の持ち主ではないですか。 それだけではありません。 この世代の皆さんは、希望を胸に抱いて入った新しい学校や職場でも 授業も業務ものっけからすべてがオンライン上で行われることになっていまだにそれが完全には解消されてはおらず、人と直接会うこともどこか遠くへ旅行することも 楽しいことの殆どを「今は我慢して」とこの一年半 理不尽にも諭され続けて。 二度と戻ってこない貴重な「いま」なのに! と、きっと言葉ではうまく言い表せないような どこにぶつけたらいいのかわからない複雑な思いを抱いてこれまで毎日を過ごしてきた方々なのかもしれません。 そんなことをぐるぐる考えているうちに、私はきょう目にした殺風景なメディテレーニアンハーバーの景色を不意に思い出しました。 20周年の記念の年だというのに、お祝いのバナーもフォトロケーションも何ひとつ無い しんみりとした東京ディズニーシーのハーバーと広場の姿を。 ―― ひょっとしたらディズニーシーは、日本中世界中にたくさんいるはずの 自分と同じ今年20歳の若者たちと気持ちをそっと共有しているのかもしれないな 人生にたった一度だけの二十歳の誕生日が来たっていうのに 盛大にみんなでお祝いするのも友達と集まってはしゃぐのもなんだか憚られてしまうなんて! つらいよね みんな つらいよね わたしもつらいよ 記憶の中のお祝いの飾りのない東京ディズニーシーのパークからそんな声が聞こえてくるような気がして なんとなくせつなくなりながらも、それでも「このお祝いは一年間続くんだからね! いつかきっと盛大に祝おうよ!」と奮起するような気持ちを胸の奥にしまい込んで 2021年9月4日の夜 私は家に帰ったのでした。 (おわり) ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ 文中に登場する、ディズニーリゾート内の固有名詞(ホテル・レストラン・ショップ・場所などの呼び名)については 「東京ディズニーリゾート」の公式サイト をあわせてご覧いただくと、いくらかイメージしやすいか、と思います。 利用なさってみてください。 ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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