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とんぼ玉工房「MASUMI」ますみのとんぼ玉日記

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2010年04月12日
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この前のバザーでもそうでしたが、お客さまは、親子の方がとても多いです。
この時よく、お母さまが、わたしのとんぼ玉を触ろうとするお子さまに、
「触っちゃダメ!! (-_-メ)」
と怒ることが、非常に多いのですが。

これは少し、残念に思います。
実は誤解もありますから。

というのも、わたしは。
とんぼ玉を人に触ってもらいたいから、工夫を凝らして創っているようなところもあるので、そう言われてしまうと、ちょっと誤解かな~と感じたりします。(^^ゞ

皆さま、ここでひとつ、質問します。
ガラスと言われると、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

1・透明
2・コップ
3・もろい

などなど、いろいろ挙げられると思います。
なお、わたしは第一に、『とんぼ玉』『とんぼ玉の原料』『光ファイバー』というのが来ます。
それから、『試験管・フラスコなどの理科用具』などです。

ちなみに、1の、『透明』というのは、比較的最近のガラスのイメージであり、古代は、ガラスというと不透明しかなかったのです。
実は、昔のガラスは陶器に近い外見でした。

透明ガラスは、ベネチアで、中世以降に初めてきれいなものが出てきたそうですが。

でも、3の『もろい』というイメージは、かなり広く浸透していると思われます。
これは正解でしょうか。
実は、ある意味正解ですが、例外もあります。

そもそも、ガラスとは何故、もろいのでしょうか?
実は、科学的観点から見ると、ガラスの分子配列はかなり不安定です。

物体は、 『固体』『液体』『気体』とあります。

この中で強度が強そうなのは、やはり固体ですね。
鉱物などは、結晶にもあるように、それぞれが強く繋がっています。
普通は、物体は固体になる際、一定の温度で(水は0度で)結晶化し、固まりますが。
ガラスは、この結晶がありません。

実はガラスは、水だったら0度で氷(固体)になり、100度で水蒸気(気体)になって……。
という、明確な熔融点がありません。
大体、400度ぐらいから形を変え始めて……。
という、極めてあいまいなものです。
ガラスの種類によっても、メーカーによっても、この熔融点はそれぞれ異なります。

しかも、ガラスの分子配列を見ると、実は液体のような分子配列なのです!
固体でありながら、ですよ。

『非晶質』というのはご存知ですか。
ガラスはまさにこれです。

この事実から、ガラスは液体である……ということがいえます。
分子配列からすると、です。

ガラスは。
「常温では、固まった液体として存在している」
のです。

でも、ガラスが液体だというのはかなり違和感がありますね。
科学的にはそうなんですよ。^^;

液体は、結晶ではありません。
一見固体のように見えても、結晶のように分子配列の結びつきが強くないので、強度が弱いのは当然のことです。
一箇所にひびや歪が入ると、そこからまるでパックリと避けるように亀裂が入り、割れてしまう……。

というわけです。
ガラスがもろいことの理由は、ここから来ています。

1・分子配列から、ガラスは固まった液体である。
2・結晶ではないから、僅かな亀裂や歪からどんどん大きくなり、割れる。

ガラスとはこのような性質です。

では、とんぼ玉はやはりもろいのでしょうか。
実は、完全にそうとも言い切れません。

物体は、実はガラスだけではなく、強度が最も強い、最強の形は球形です。
その理由は、角がなく丸いということと、どこからでも中心が均等である……ということが挙げられます。
衝撃が均等にかかり、分散されるためです。

ちなみに、とんぼ玉で破損の心配が強いものは。
帯留め、指輪、複雑な形の玉(正倉院玉等)、ガラスのフィギュア、マドラーなど。
つまり、上記の球形から、大きく外れているような形のものです。
この場合は、注意せねばなりません。
掛かる衝撃が均等ではないことが、予想されるためです。

まあつまり。
「球形ではないガラス製品は、取り扱いに注意が必要」
ということです。

また、とんぼ玉の場合、同じ球形でも、複雑なパーツ文様などの玉ほど、膨張係数が微妙に異なるガラスの集合体のため、単純な文様の玉よりは、どうしても強度が落ちます。
つまり、ガラス製品で一番強度が高いのは、単色のビー玉であると言えます。

球形が強いという証拠が、まだあります。
実はわたしの知っているプロの作家さんの中には、出荷前にこんなことをしている作家さんがいます。
なんと、出荷前に、とんぼ玉をコンクリートの壁に叩き付けるのだとか!\(◎o◎)/!
それで少しでも欠けたりするような玉は、決して出荷しないのだとか。
相当なプロの心がけです。

さて、最初のお話に戻りますが。
わたしは、
「触っちゃダメ!! (-_-メ)」
と言われたお母さまには、このように説明しています。

「お母さま、それは、実は誤解なんですねー。
玉は、大体が強いし丈夫なんですよ。
球形は地球上で、最も丈夫なんです。
そもそも地球だって、丸いからこそ存在していられるんですよ。
今まで、割れているビー玉って、ご覧になったことあります?
ないでしょ?
ビー玉は、そもそも、ぶつけることを想定した遊びですよね。
帯留めや指輪とかは、球形ではないので、確かに取り扱いには注意したいのですが、このようなまんまるの玉は、強いものですので、それほどご心配なさることはないのですよ!(*^_^*)」

そう言いますと、ほぼ皆さま、納得されます。

どうでしょう。
ガラスって液体なのかー!!
(あくまで、科学的には・分子配列は)
と、驚かれたのではないでしょうか!?

ちなみに、わたしが今まで、地球上の物質で驚いたものは、やはり水銀です。
液体の金属だからですね。(^^ゞ

それでは、この辺で終わります~。m(__)m

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最終更新日  2010年04月13日 22時58分51秒
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