幼児教育が人生を変える?
お子様を最初に「社会」に送り出すのは幼稚園・保育園です。ずいぶん昔、わたしたち夫婦もそうでしたが、我が子をいったいどこの幼稚園に入れたらよいか悩みました。結果、今にして思うと失敗したというのは間違いない。わずかに、つくばの幼稚園に2歳児で入れた次男坊を、あおば台に3歳児で転園させたのがよかったぐらいでしょうか。ろくでもない、つくばの幼稚園に入れ、そのまま卒園させてしまった長男坊には、今も申し訳ないと思っています。(過去ログにも書いていますが。それほどに幼児教育が我が子にもたらす影響は大きい。一生を通ずると言ってよいかもしれない)あおば台卒園児保護者は、ほとんどの人がそれを知っています。他の幼稚園と比較するまでもなく、子が小学生、中学生となるにつれ、それを実感する。だから、みんなあおば台シンパとなり、あおば台を自信をもって若い親子に薦めることになる。少子化の時代、でもあおば台は、いつも満杯です。あおば台教育方針は塚原港園長が、筑波大久保田教授の薫陶を受けたこともありますが、もともとは「シュタイナー教育」に立脚していることにあること、ご存知でしたでしょうか。その、シュタイナーの理論とは違う観点から、「経済学から見た幼児教育」ということで、ジェームズ・J・ヘックマン・シカゴ大学教授(ノーベル賞受賞)が、こう言っているそうです。(引用) 引用文がめんどくさい場合は読み飛ばして最後のタカハシ感想を読んでください。http://toyokeizai.net/articles/-/73546親も国も、子供の教育が重要だということはわかっている。では、子供が何歳のときにどんな教育をすれば効果的なのか、そもそも人生の成功にはどんな力が必要なのかを聞かれて、答えられるだろうか。40年以上にわたる追跡調査から、5歳までの教育がやる気や忍耐力を伸ばし人生を変えることを、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授が、著書『幼児教育の経済学』の中から明らかにする。子供の教育においては、学校教育や学力が重視されがちである。そのため、教師の数を増やしたり、職業訓練を充実させたりといった学校入学後のさまざまな取り組みが注目されてきた。しかし、現在、行われている職業訓練プログラムや、貧困層の成人に対する教育プログラムは、経済的効果が少ない。一方、近年のさまざまな研究から、就学前の教育が最も効率的であることがわかってきた。脳科学の知見からも、学校に入ってからでなく、幼少期での働きかけが重要であることがわかっている。本日は、40年にわたる追跡調査から、幼少期での教育が学力以外にも好影響をもたらし、人生を変えるということをお話ししよう。恵まれない子供の幼少期の環境を充実させる数々の研究では、家庭環境の強化が子供の成長ぶりを改善することを示し、改善の経路として非認知的スキルの役割が重要であることが示されている。非認知的スキルとは、肉体的・精神的健康や、忍耐力、やる気、自信、協調性といった社会的・情動的性質である。最も信頼できるデータは、恵まれない家庭の子供を対象に、幼少期の環境を実質的に改善した複数の研究から得られた。中でもペリー就学前プロジェクト、アベセダリアンプロジェクトという2つの研究は、無作為割り当てを使用し、子供が成人するまで追跡調査したことから、極めて意義深い。 【幼少期の教育は、学力だけでなく忍耐力も高める】これらの研究では、幼少期の環境を豊かにすることが認知的スキル(IQテストや学力検査などによって測定される能力)と非認知的スキルの両方に影響を与え、学業や働きぶりや社会的行動に肯定的な結果をもたらすことが示された。しかも、そうした効果はずっと後まで継続する。ペリー就学前プロジェクトは、1962年から1967年にミシガン州で、低所得のアフリカ系58世帯の子供を対象に実施された。就学前の幼児に対して、午前中に毎日2時間半ずつ教室での授業を受けさせ、さらに週に1度は教師が各家庭を訪問して90分間の指導をした。指導内容は子供の年齢と能力に応じて調整され、非認知的特質を育てることに重点を置いて、子供の自発性を大切にする活動を中心としていた。教師は子供が自分で考えた遊びを実践し、毎日復習するように促した。復習は集団で行い、子供たちに重要な社会的スキルを教えた。就学前教育は30週間続けられた。そして、就学前教育の終了後、これを受けた子供と受けなかった対照グループの子供を、40歳まで追跡調査した。アベセダリアンプロジェクトは、1972年から1977年に生まれた、リスク指数の高い家庭の恵まれない子供111人を対象に実施された。実験開始時の対象者の平均年齢は生後4.4カ月だった。プログラムは年間を通じて行われ、子供が8歳になるまで継続された。子供たちは21歳まで継続して調査され、30歳時点の追跡調査が2012年初めに実施された。ペリー就学前プロジェクトでもアベセダリアンプロジェクトでも、実験グループの子供が対照グルーブの子供と比較してよい結果を得るというのが一貫したパターンだった。ペリー就学前プロジェクトの被験者になった子供は、当初はIQが高くなったが、その効果はしだいに薄れて、介入が終了して4年経つとすっかり消えた。IQを高める効果が小さいことについては、ほかの研究でも認められた。だが、IQ以外の主要な効果は継続し、非認知能力の向上もそのひとつだった。IQテストの結果は変わりなかったものの、14歳の時点で学力検査をしたところ、就学前教育を受けた子供は受けなかった子供よりも学校へ行っている率が高く、より多くを学んでいたことから成績がよかった。さまざまな社会行動についても、よい影響が見られた。最終的な追跡調査(ペリー就学前プロジェクトでは40歳、アベセダリアンプロジェクトでは30歳)では、就学前教育を受けた子供は、受けなかった子供よりも学力検査の成績がよく、学歴が高く、特別支援教育の対象者が少なく、収入が多く、持ち家率が高く、生活保護受給率や逮捕者率が低かった。ペリー就学前プロジェクトの利益(費用1ドル当たりの年間利益)の率は6%から10%と見積もられる(第2次世界大戦後から2008年までの株式の配当5.8%よりも多い)。この見積もりは、このところ考慮されるようになった心と体の健康がもたらす経済的利益を含んでいないので、控えめな数字である。【成功のカギは、幼少期の働きかけの質にある】幼少期の教育を上手に実行することは、大きな利益をもたらす可能性がある。ではもっと後になってからの介入ではどうだろう? 実のところ、子供が成人後に成功するかどうかは幼少期の介入の質に大きく影響される。スキルがスキルをもたらし、能力が将来の能力を育てるのだ。幼少期に認知力や社会性や情動の各方面の能力を幅広く身に付けることは、その後の学習をより効率的にし、それによって学習することがより簡単になり、継続しやすくなる。そして、幼少期の介入は少なくとも、もうひとつの重要な特質を持っている。大半の社会政策を悩ます公平性と効率性との二律背反関係がほぼ存在せず、損失は利益を上回らない。幼少期の介入は経済的効率性を促進し、生涯にわたる不平等を低減する。恵まれない環境で幼少期にきちんとした基礎的なスキルを育成しないままに思春期になってしまうと、状況を改善しようとする介入(公的な職業訓練プログラムや成人への教育プログラムなど)は、公平性と効率性の二律背反関係に直面してしまう。そして、思春期の介入は、経済的効率性の点から正当化するのが困難であり、一般に収益率が低い。それとは対照的に、幼少期に投資を集中し、その後の投資でフォローアップすれば、公平性と効率性の両方を達成できるのだ。(引用終わり)「タカハシ・感想」まあ、ジェームズ・J・ヘックマン・シカゴ大学教授の場合、教育の経済学という発想ですから、観察による「幼児教育・その後の差異」を分析したことは多くの教訓を示唆しているとは思いますが、いささか反発を禁じ得ない。教授の統計対象が、人種格差・貧富格差の極めて大きいアメリカ社会であることを注視する必要があり、それをそのまま我が国に当てはめることは危険でしょう。確実に言えることは、子どもは「経済学、ましてや投資の対象」ではないということなのであって、そのことこそをシュタイナーは言っているわけであって。バブル時代またはそれ以前、我が子の幼児期から、スキルアップのための「金銭的投資と時間提供」をしていた保護者をずいぶん知っていますが、ほとんどの皆さんが失敗しています。挫折どころか、25歳を超えたその子(ニート・パラサイト)から反撃を受けてうろたえている。「幼きころの我が子への投資家」。なぜに、大枚をはたいて、親の時間を与えて、そのころは実に良い子であったにかかわらず、曲がってしまう子が多いのか。わたし69歳になって、ようやくにしてわかったことが、それなのです。だから、あおば台の塚原港流儀の正しさが根底から理解できる。(裁判所離婚調停での夫婦間根底にも、それら幼児期からの教育方針から派生した夫婦間の乖離が横たわっています)いっぱい遊ばせることが大事です。他者(ともだち)と、いっぱいケンカすること他者から叩かれたら「痛い」という痛覚を自覚する叩かれたその子は、他者の痛覚を自分の痛覚に同化できる他者から叩かれることのない「強者は」、担任や園長から「叩かれた場合の痛み」を擬似的に教わること、または他者からの反撃に、生まれて初めて泣くことそれが幼稚園・保育園です。兄弟姉妹が少ない今だからこそ、それが必要です。「投資は」小学4年生以降で十分間に合います。幼児期のほんとうの投資を間違ってはなりません。野に放たれた「野生」のもとに幼稚園という「社会」を学ぶ。それが幼稚園。これ最強。それを完遂すれば、あとは勝手に自分で育っていく。主体性ない子は、社会に出て挫折することが多い。主体性自我を自覚し、それを他者との関係性にまで俯瞰できる子、たかが勉強など、言われなくてもやってしまう子。そのような強くて博愛の子を育てるのがあおば台こども園。それら基本的教育方針は、青葉台初等・中等学校でも同じです。みんな生き生きとして自分を生きてる。明らかに目の輝きが違います。