ノベルの森

2008/11/04(火)22:06

映画のようなラブストーリー  <初めての手紙>つづき

思い出の宝箱(8)

  「それは今も残っておるが、タッパーに入れて二人の墓に入れてある・・・親父さんがそうしてくれと、お袋さんの初七日の日の夜、わしに言い残したからな」 僕は、もうかなり長い時間お邪魔しているのに気づいたけれど・・・ 「初対面で図々しいのは分かっています・・・でも最後までこのお話を聞かせていただけないでしょうか」そう言った。 「ああ、いいよ。そのつもりで無ければ、こんな大事な話を始めたりはせんよ」 だめだ、もう目頭が熱くなってきてしまった・・・ご主人が続ける・・・ 「お袋さんの手紙が届いたところからじゃったかの・・・つづきは?」 「はい・・・」少しじれったくなった。 「そうか・・・お袋さんからの手紙には、こう書いてあった・・・」   「作ちゃん・・・初めての試験、終わったよ。    作ちゃん・・・顔見てない・・・声も聞いておらん・・・    今度の日曜日、田植えの手伝いに、マツさんと行きます。    だめだと云うたら、作ちゃんの傍で大声で泣きます・・・                                               き く         」

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