ノベルの森

2018/08/11(土)23:03

奇跡の4B  流石に大バッハ!?

SF小説(245)

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​  奇跡の4B  流石に大バッハ!? バッハはつい今しがた思い返した国王の言葉をさらに復唱してみ たその瞬間、違和感を覚えた。国王の言葉が、腑に落ちないの だった。 「歴史に介入すれば、世界が枝分かれしてしまうのでは なかったのか?」 (国王の言葉に対して疑問を持つなど、かつてないこと。私は思 いあがっているのか?・・・そうではない、ただ腑に落ちない。 それだけなのだ・・・。どうする?) バッハには、すでに周囲の景色など目に入らないのも同然だっ た。国王の顔、モーツァルト侍従長、それに彼を待っている3人 の仲間たちの顔がランダムに浮かんでは消えていく、その繰り返 し・・・彼の立っている所へ差し掛かったアリの行列は、いつま でも立ち去らないバッハに愛想をつかし、彼の足をよけるコース を取って行進を再開した。 どんな問題もいつかは解けるようにバッハの縛られたような心が 解けた。 (国王様に、それが叶わないならモーツァルト侍従長にお訊ねし てみよう!例えお叱りを受けるようなこととなっても構わない。 こんな気持ちのままではとても前に進むことなど出来はしない) 多少の不安を抱えたままではあるが、バッハは胸を張って歩いて いる・・・と、向こうから、つまりそれは王城へ続く道である。 誰かがやって来る・・・ (あれは!・・・) その誰かもバッハの姿を認めたのだろう、手綱を引いて馬を止め るとその足元に降り立った。 歩みを速めるバッハに手を上げて微笑みかけたのはなんと! モーツァルト侍従長だった! 「やあ、バッハさん・・・やはり王様の仰った通りでした」 モーツァルト侍従長の傍に歩み寄ったバッハは首を傾げて 「はぁ?」 他に何も言えるはずもない。 モーツァルト侍従長は小気味良く笑った。嫌みは毛先ほども感じ させない清々しい笑顔だ。 「王様が先ほど、唐突にこう仰ったのですよ。『ほう、・・・ バッハ氏がこちらへやって来るようだね。大したものだ。あれほ どの作曲家になると、やはり人並外れた感性を持っておられた か・・モーツァルト侍従長、馬で音楽の師匠を迎えに行ってくれ ないか?』とね。さあ私と参りましょう」 モーツァルト侍従長が後ろを振り向いて合図をすると、どこにい たのか侍従が一人もう一頭の馬の手綱を引いて現れた。 今日聴きたくなったのは、サイモンとガーファンクルの The Sound of Silence です。 それと、今日はこの曲に対する僕のコメントを置いてみました。 「僕は夢の中で音を聞いた事が無い。この曲は光で闇を照らし、 静寂を破らない、優しさに満ちた音を聴かせてくれる」 Thank you SimonGarfunkelVEVO for up this song. ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ いつも応援ポチをありがとうございます。 今日もどうぞよろしくお願い致します。(^^♪ ​​​​

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