ノベルの森

2019/05/06(月)18:35

奇跡の4B キャバーンクラブ

SF小説(245)

皆さん、こんにちは。ウェ―ルズ国王主従一行が、興奮して寝付けなかったあの「ハードデイズナイトホテル」の夜が明けるのに、1ヶ月以上かかりました。 というより、1ヶ月をあっと飛び越えて・・の 奇跡の4B  キャバーンクラブ 翌朝、ホテルが用意してくれた朝食を摂った・・・何を食べたとかは何ひとつ覚えていないが・・とにかくこれからキャバーンクラブへ行き、ビートルズの生演奏を聴くことができるのだ!! 一行は、全員例外なく既に興奮している。 ん?1人だけ、興奮のお供に緊張まで従えた人がいるようだ。 バッハは、声をかけずには居られなくなって、 「国王陛下・・」 「・・・・・・」 「ウェ―ルズ国王陛下!」 国王は、明らかに常ではなく、本当に飛び上がって驚いた! 「どうしたのだバッハ君!」 バッハは、失礼と知りつつ、顔を二度ばかり横に振った。 「いつもの陛下ではありませんね。とても落ち着きのないご様子ですが・・・」 「やはり、隠し切れないかあ・・・」 「失礼ながら、誰の目にも明らかかと・・・」 しばらく、不自然な間が開いたあと、ウェ―ルズ国王は、大きく息を吐いた。 「実は・・ビートルズのメンバーと演奏に手を加えた」 バッハ ベートーヴェン     何ですって!!! ブルックナー ブラームス 「いや、怒らずに聞いてくれ。諸君らも知ってのとおり、キャバーンクラブのランチタイムセッションに出演し始めた頃、ドラムはリンゴスターじゃなかったが、あえてリンゴを参加させた」 全員で「何という事を・・・」 国王「あと、もう一つだけ・・・」 バッハらは、もう云う言葉さえ無くして、天を仰いだ。 「実はな、今のこの時、ビートルズはオリジナル曲を持っていない。他のアーティストのカバーを演奏していたから彼らの個性は未だ引き出されていないのだよ。そこで私がその・・・」 バッハ「その先は恐らく皆、見当がついております。例の金のタイプライターで書いた『王様の好きな方程式』を用いて、曲目を入れ替えたわけでございましょう」 「その通りだ!良く分かったな!・・せっかく君ら4Bに聴かせても、他人のカバーではビートルズの個性、非常にユニークな音楽性を聴き取ることが出来ない。それではこの旅が無駄になって余りに勿体ない。そう思ったのだよ・・・」 国王が目を泳がせている、誰一人返事をしてくれないから。 暫し沈黙の時が流れたところで、ブルックナーとブラームスの2人が白い歯を見せた。 「いいじゃないですかバッハさん、国王陛下の少しばかり人騒がせな思い付きを素直に受け入れましょう。ファンの人たちだってきっと大喜びするでしょう!」 結局、皆が賛同の意を表す笑みを浮かべ、ウェ―ルズ国王は、ほっと胸を撫で下ろしたのだった。 今日の好きな曲は、ビートルズの I Need You/The Beatles です。この曲は、私の愛犬リリが好きだった。この曲が流れると耳をぴくっとさせて、じっと最後まで動かずに居ました・・・思い出の曲でもあります。 Thank you The Beatles♪ for up this song.

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